サッカー界で、伝統ある大阪ダービーが5月21日に金鳥スタジアムでおこなわれた。今年3回目となるガンバとセレッソの対戦。4半世紀にわたる歴史の中で、ガンバが圧倒しているが、ここ3年はセレッソの分がいい。

                               youtubeより

 過去2回のルヴァン杯予選の対戦ではサポーター同士の衝突が起きたので、両チームは、「フェアでクリーンな大阪ダービー開催に向けて」というお願いを出していた。

 

 試合は3対1でセレッソが勝利したが、後味の悪いものとなった。

 

 まず、ガンバサポーターが二つの重大な観戦ルール違反をおかした。一つは「危険行為(スタンド内投げ込み及びフィールドへの投げ込み行為」「試合運営妨害」、二つ目は「威嚇行為」「侮辱的行為」「試合運営妨害」で、ガンバはそれぞれに処分を通告した。

 

 さらに、サポーターだけでなく、ガンバの選手同士が衝突寸前の揉め事を起こしたのである。1-2と1点を追う後半43分、スローインをしようとしたDF昌子源が、誰も受け取りに来ないことに怒って、レアンドロ!と叫びながら、ボールを叩きつけた。FWレアンドロペレイラが昌子に詰め寄って激しく口論となり、ゲーム主将の三浦弦太らが止めに入った。

 

 今年のガンバは去年に続いて調子が上がらず、選手にもサポーターにも、イライラが募っていたと思われるが、寂しい限りであった。

 

 一方のセレッソも、このダービーの時、大問題を抱えていたのである。

 

 4月5日の柏レイソル戦で、乾貴士は、後半途中に交代を告げられたところ、サポーターの聞こえる状態で、監督などに暴言を吐き、不服を露わにし、試合後、ロッカールームなどでも暴れ、チーム規律・秩序を乱す行動をとった。セレッソは、これに対し、8試合の出場停止処分に加え、長期間チーム練習への参加を禁じた。両者は修復できず、6月9日契約が解除され、乾は退団した。

 

 ダービーは、この事件後の、重苦しい時期に重なったのである。

 

 乾といえば、サッカーファンなら誰もが認める著名選手であり、輝かしい戦績を残してスペインから帰国し、今年は背番号8を背負っていた。セレッソの8番は、「日本一腰の低いサッカー選手」として愛された森島寛晃に始まり、香川真司、清武弘嗣、柿谷曜一朗と引き継がれた、チーム英雄が背負う勲章である。あの大久保嘉人でさえつけていないのである。

 

 乾事件後、さまざまな話し合い、調整が行われている時期のダービーであった。チームの重苦しいムードは、ガンバのそれと優劣つけ難いものであったろう。

 

 大阪ダービーは、元気なチーム同士による、気持ちの良い試合になってほしい。そう願うのは私だけではあるまい。大阪ダービーよ!磐石たれ! 

斎藤浩