開明派大臣の退任 | 弁護士法人FAS淀屋橋総合法律事務所のブログ

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塩崎恭久厚生労働大臣が退任した。
 

内閣改造翌日の小さな記事に塩崎氏の開明ぶりを見ることができる(毎日2017年8月4日朝刊)。

それは受動喫煙強化の健康推進法改正のことだ。


 

自民党主流派は150平米以下のバーやスナックは分煙で良いとするのに対し、厚労相の塩崎氏は30平米以下のみ喫煙を認め、それ以外は禁煙だとして譲らず、在任中、自民党案での法改正をさせなかったのだ。

 

私は塩崎氏の開明ぶりをあと二つの事例で知っている。

 

最初は2003〜5年、古色蒼然とした反国民的な行政事件訴訟法の改正が取り組まれた時、塩崎氏は「国民と行政の関係を考える若手の会」を組織し、一貫して日弁連などの改正運動を援助した。改正は全政党が賛成した。


 

次は福島事故が起きたのち、原子炉等の設計を審査する新規制基準づくり、原子力規制委員会づくり、原子炉等規制法改正が大きく取り組まれたが、当時野党であった自民党のこの分野の責任者(党原子力規制組織に関するPT座長)を塩崎氏がつとめ、獅子奮迅の働きをした。

 

私は自民党支持者ではないが、自民党中心の政権が続く場合には、塩崎氏のような人が首班をつとめれば、大いに世の中は変わると確信する。


 

斎藤浩