反省とか後悔とか | 君に話したいことがあるんだ

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2016年6月12日に亡くなった妻へのメッセージです

去年の今日は、緩和ケアで有名な病院と腫瘍内科で有名な病院へ行ったね。二人で病院のはしご。

君はトラマールを服用しても痛みが取れなくなってきていて、痛む箇所も右肋骨の背中側と右腰の背中側、そして右の臀部と、少しずつ広がっていたんだよね。

さらに右肩にも痛みが出てきたと言っていたけど、そこはPET CTでいちばん大きな骨転移があったところで。

病院へ行くのもやっとで、バスと電車に乗るのもしんどいと、移動はすべてタクシーだった。

本当はあの時、もうちょっと君の体調が良かったら、二人で川崎大師に行けたら良いなと思ってたんだ。

今から20年以上前のゴールデンウィークに、君とぼくが初めてデートした場所で、一緒につつじを見られたら、なんて思ってたんだ。

でもとてもそんな余裕はなくて。

緩和ケアの病院では、かかりつけの病院で処方されたトラマールの量が多くて強すぎると言われ、オキノーム、ロキソニン、マグミット(下剤)と胃腸薬を処方してもらった。

体調不良の原因が薬のせいと分かって、君は少しほっとしていたよね。

続けて行った腫瘍内科では、抗がん剤と放射線治療と緩和ケアの話を聞いて。

ここでもやっぱり、1回目の抗がん剤治療から間を置かずに再発していることと、すでに全身に癌が広がっていることから、あまり良い話は聞けなかった。もちろん他の可能性について色々と聞いたけど、正直どれも難しいと言われて。

このころは本当に、藁にもすがる思いだったよね。

あの時ぼくは、ぼくたちは、どうすれば良かったんだろう。

もっとできることがあったんじゃないかとか、君の病気にちゃんと向き合えてたのかなとか、反省や後悔の気持ちが後から後から出てきちゃうんだ。