ラブライブ!スーパースター‼︎(3期)
全話視聴終了。
2期は話の展開の整合性やキャラの描写など、脚本の不備を指摘する声が多く上がっていて、3期でもそれを懸念する声が当初は多かったですが、いざ蓋を開けてみると、当初はライバル関係にあったリエラとトマカノーテのメンバー同士の邂逅と合流、そして最終回に卒業する3年生の1期生メンバーから、後輩メンバーにリエラのバトンを受け渡す「伝承」のテーマが、1クールかけてきっちりと描かれていて、3シリーズに渡って続けてきたアニメ作品としては非常に綺麗に纏まった終わり方でした。
11人という大所帯のアイドルグループのメンバー1人1人の個性を、1クールという短い枠の中で表現していくのは中々難しいわけですが、リエラ(8人)とトマカノーテ(3人)のグループに分け、対立構造→和解を描いていった事で、それぞれのユニットメンバーのキャラの個性を際立たせる事に成功していました。
「もっとじっくりと物語を魅せて欲しかった」という声はあれど、脚本のテンポが良かった事で、11人の大所帯のキャラクターに上手くスポットが当てられていました。
ライブシーンの作画が非常によく、ダンスで生き生きと躍動するキャラクターと、豊かな表情で描かれたアニメーションが、一瞬のシーンでも感情の変化やキャラ同士の関係性が把握できるような作り込みになっており、楽曲も話の内容と非常にマッチしていました。
特に、対立していたリエラとトマカノーテの合同ユニットという形式で行われた8話のライブを、ラップバトルのような楽曲と振り付けにしたのは「こう来たか‼️」と思わず唸ってしまいましたし、最終回で1期生が歌ったリエラのデビュー曲「始まりは君の空」は、まさに最後はこの楽曲しかない‼️というチョイスで、観ている側としてもとても感動させられました。
改めて、2期で打ち切りにならなくて本当に良かったと思います。
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
秋アニメは他にも「るろうに剣心(2期)」「チ。-地球の運動について-」を視聴していましたが、この2つの作品の関しては2クールで来年3月まで放送されるという事で、今秋アニメ感想記事は「ラブライブ!スーパースター‼︎」の1本だけとなりました。
自分はラブライブシリーズに関しては、人気を博した初代、サンシャインに関しては全くの未視聴で、スーパースターを見始めたのも1期からではなく2期の途中からで、実質ちゃんと見始めたのは今回の3期からでした。
シリーズものだと途中から見始めると話に付いていけなくなるというのはよくある事ですが、スパスタ3期に関してはそんな事はなく、比較的序盤からすんなりとアニメの世界観に溶け込めたのは自分でも驚きました。
個性溢れるキャラクターに加え、夢や努力や友情といった、普遍的なテーマだけど万人の心に響かせる王道の話をきっちりと描いているのも、その要因の一つなのでしょう。
ラブライブ!は、2013年に初代シリーズ1期が放送、翌年に2期が放送され、更に後日談として2015年に映画化もされました。
当時は民放枠ではなく地方ローカルやBSでの放送でしたが、スクールアイドル部に所属した女子高生たちが、ラブライブという大会に出場する事で、夢や努力や友情といったテーマを真っ向から描いた感動的なストーリーや、主演声優がアニメ内でのユニットを組んでライブ活動を行うといったメディアミックス戦略が功を奏し、シリーズは大ヒット。
そして初代ラブライブシリーズのユニットである「μ‘s」は2015年に、続編である「ラブライブ!サンシャイン‼︎」のユニットである「Aqours」は2018年に、それぞれNHKの紅白歌合戦に出場するという快挙を成し遂げています。
ラブライブ!サンシャイン‼︎の舞台である静岡県沼津市は、ファンであるラブライバー達にとっての聖地となり、地元の観光の活性化に一役買う事となりました。
近隣の三島駅から修善寺駅へと繋ぐ伊豆箱根鉄道では、サンシャインのキャラクターが描かれたラッピング列車が運行され、話題を呼びました。
00年代後半はハルヒやけいおん!、まどかマギカといったアニメ作品が一大ブームを巻き起こし、2019年に鬼滅フィーバーがやってくるわけですが、その狭間となる2010年代中盤において、「ラブライブ!」という作品は、それらに匹敵する位の社会現象を巻き起こしたコンテンツでもありました。
しかし、後発のシリーズやソシャゲが登場するたびに、作品のクオリティの低下や話のマンネリ化がファンから度々指摘されるようになり、年々ファン離れが加速していく事態に。
アニメ作品を2期、3期と長く継続していくに当たって、初期シリーズが放送されていた頃にファンが抱いていた新鮮味が失われていって人気が低迷していくというのは、どの人気作品であれどある程度は避けられない宿命ではあるのですが、ラブライブ!も例外ではなく、後に人気を博す「ウマ娘」や「ぼっちざろっく」に新規のファンを奪われてしまうという事態に陥ってしまいました。
そんな中、2021年からシリーズが開始された「ラブライブ!スーパースター‼︎」は、地上波国営放送局であるNHK Eテレのゴールデン帯で放送されるという大抜擢を果たし、人気回復の起爆剤に成り得るかと期待されましたが、2期の出来(特に脚本)が大顰蹙を買ってしまい、ファン離れは更に加速の一途を辿ってしまいます。
今秋放送された3期では、2期での脚本上の問題点がある程度修整された上で、一転してファンからは好評の声が多かったシリーズではありましたが、Abemaでの再生回数を見てみると、人気アニメが総じて30万〜50万回に対して、スパスタは1万回前後と、かつて一時代を築き上げたシリーズとしては寂しい数字となってしまいました。
ただ、ネットサーフィンでラブライブ!の感想記事やYouTube動画を漁っていると、他のアニメファンと比較しても、良くも悪くもダントツで熱量が高いのが「ラブライブ!」ファンの特徴でもあります。
ラブライブ!のキャラクターや作品への愛情をこと細かに、誠実に綴っているラブライバーのブロガーや、
愛情が段々と憎しみへと変わっていって、ボロクソに批評しまくっている拗らせたラブライバーのブロガーに至るまで、
この熱量の凄さは、自分も含めた日本の格ヲタブロガーが束になっても敵わないなと思わせる位です(笑)。
こちらは、ラブライブのヲタ商法を猫ミームでネタにしているYouTuberの人気動画。
ファン離れが加速していって、新規のファンを獲得できないものだから、コンテンツを存続させるためにも何とか既存のファンからお金を巻き上げようと、縄跳び1つ5000円といった高額なグッズ商法に走ってネタにされているみたいですね(笑)。
学生時代、ときめきメモリアルが人気を博していた時、メインヒロインの藤崎詩織の絵柄が描かれたボールペンが1つ8000円で売り出されていて、高校時代のヲタ友がバイト代を叩いて通販で買っていたのを思い出してしまいました。
スパスタ2期と比較すると持ち直したと評価されている3期も、ファンの間では評価が賛否両論あるようです。
自分は、キャラクターが悪目立ちするような描写にいちいち突っかかるファンを見ていると、平本蓮がトラッシュトークを発すると本気になって怒っているような一部の格ヲタと同じで「何フィクションにマジになってるんだよ・・・」って思ってしまいますし、重箱の隅を突くかのように作品の粗探しをしては「感動しなかった」と酷評しながらも、何だかんだ作品を観続けているファンを観ていると「こんなんじゃ無印の人気は超えられないし、ウマ娘やぼっちざろっくには到底勝てねえよ」という、拗らせた旧K-1ヲタクみたいな(←あ😝)古参ラブライバーの心の悲鳴が聞こえてきてなりません。
まぁそんな数少ない訓練されたヲタク達の足下を見るかのような、グッズぼったくり商法をやっているラブライブ運営にもかなり問題はありますけどね。
とはいえ、いわゆる萌えアニメとかに分類されるラブライブですが、NHK Eテレのゴールデン帯で放送されていただけあって、あざといお色気シーンなど無く、至極健全な作りの作風ではありましたし、「友情・努力・勝利」という少年ジャンプの3要素をしっかりとテーマに盛り込んだ、小さなお子さんにも胸を張ってオススメできる作品だと思っております。何よりも個性豊かな可愛らしいキャラクター達が、歌って踊るシーンを観ているだけでも子供が喜ぶアニメのはずです。
それだけに、ラブライブが一部の少数派の大人のヲタクだけが愛でるような、閉じたコンテンツになってしまっているのが非常に勿体ないと思っています。
ニチアサで放送されているプリキュアや仮面ライダー、戦隊シリーズが20年以上に渡って続いているのは、あくまでもメインターゲット層が大きなヲタク達ではなく小さな子供達であるからです。
コンテンツの存続のためには若いファン、特に子供達に大きくアピールしてファン層を開拓していく事が何よりも必要不可欠なのです。
これによって、子供をメインターゲットに、それを観ている親御さん、プラスいわゆるプリキュアおじさんや戦隊マダムといった大人のヲタク層にもアピールが可能になって、幅広い世代のファン層の獲得が可能となっていくわけです。
ラブライブ!も、「たのしい幼稚園」のような幼児向け雑誌とのタイアップがあれば、若年層のファンも虜にできる作品だと思っておりますが、運営には是非とも一考を願いたいものです。
色々書きましたが、スパスタ3期最終回で1期生5人が歌った「始まりは君の空」は、自分個人としても40代半ばを迎えて脱サラして新たな事を始めようかなと色々悩んでいた時に、歌詞の内容がストレートに響いてきて、久々にアニメを見ていてウルっとさせられてしまいました😭
本ブログ最終エントリーがラブライブとなってしまって、本当に格闘技ブログを運営しているのか怪しくなる程の相変わらずの平常運転ではありますが(笑)、皆様よいお年を。