UFC感想(2024.6.16)と、平良達郎・堀口恭司・朝倉海について語る。 | 銀玉戦士のアトリエ

銀玉戦士のアトリエ

一応UFC、MMA、海外キックを語るブログ。ゆるーく家庭菜園や食べ物エントリーもあります。

Instagram ID:notoriousginchang

既報の通りですが、RIZINバンタム級王者の朝倉海(30)が、UFCとの正式契約を結んだと発表しました。

 

 

先週行われたRIZINで朝倉海が自らリングに上がって発表したわけですが、自分はご存じの通りRIZINファンではないのでPPVは買っていないですし、Twitterも辞めてしまったのでリアルタイムでの格闘技ファンの反応がどうだったのかも分からず、この情報を知ったのはヤフーニュースからだったのですが、Threadsのミクルファンとおぼしきアカウントの幾つかが、朝倉海はUFC行きが決定しているのでは、という呟きを1ヶ月くらい前にしていたので、このニュースを知って特に驚きはありませんでした。

 

 

情報過多のこの時代、特にTwitter(X)のタイムラインを眺めていると、必要な情報以上に、知りたくもないような情報まで目にする機会が多くなっていきます。

セルジオ・ペティスが酔っ払って堀口恭司とコーチのマイク・ブラウンの事をディックとかシットとかディスっている動画をインスタのストーリーにアップしていて、RIZINヲタ達がセルジオはもう二度と日本で試合するなと怒っているらしいですが、正直こういう情報も試合を観戦するに当たっては別に知る必要もないというか、そりゃあ負けて悔しい気持ちは分かるけど、どこぞのアイドルの裏垢のような悪口を、24時間で動画が消えてしまうとはいえインスタのストーリーで完全公開するのも、公人として脇が甘いなぁ、と感じてしまいました。

せめて親しい友達限定で公開しろよ。

 

Twitter末期の頃は年齢のせいもあって眼精疲労とストレスが酷かった時期がありましたが、格闘技の情報をチェックする上では各種MMAサイト、ブログ、インスタの海外MMAアカウントのみで充分事足りてしまうので、今のスタンスが一番心地良いです。

スレッズの相互フォロワーを見ても「TwitterのTLを覗くと不快に感じる事が多い」という人が多いようですが、だったらアカウントごと削除してしまうのがオススメです。

何だかんだで削除できない人は多いですが、不快な情報でも気になって見てしまうというTwitter依存性を断ち切るためには、不快な情報は目に入れないのが一番です。

 

情報過多なこの時代、SNSのTLに流れてくる情報なんて9割以上がどうでもいい事ですし、1か月も経てば炎上案件なんてみんな忘れています。

最近はAIで生成されたフェイク動画や音声も出てきているようで、ネットの海に溺れているとますますカオスな情報が四方八方から飛び交っては惑わせてきます。

こういう情報に踊らされてストレスが溜まってはクソリプを投げ付けるようだと、毎日誹謗中傷に勤しむ立派なクソリプゾンビの完成です。

アイドルや推しがいくら好き過ぎても、💩する姿なんて知る必要もないし知りたくもないですし、だったらSNSに費やす時間を他の有意義な事に使いましょう。

 

で、話を朝倉海に戻るわけですが、朝倉海という選手は堀口恭司、マネル・ケイプとの第二戦といった節目節目の試合で敗北を喫しながらも、自分の弱点を修正していって強くなって結果を残していったタイプの選手です。いわゆる段階を踏んだマッチメイクを組ませて貰っていて、RIZINにしては上手く育て上げた選手の一人のように思います。

扇久保博正戦では組みを織り交ぜたMMAに対応できず敗北を喫していましたが、昨年大晦日のファン・アーチュレッタ戦ではそこを修整した上でフィニッシュで勝利を納めた事が、UFC入りの決め手になったのでしょう。

年齢も30歳という事で、選手として脂の乗った時期に上手く契約できたと思います。

 

ただまぁ、朝倉海がUFCでランキングに入っているようなトップ所相手に通用するかどうかと聞かれると現時点ではバンタム級においてはちと厳しいかなという感じがします。

朝倉の最大の武器は近い距離でのカウンターですが、慣れない広いオクタゴンでのケージファイトだとパンチの距離で勝負して貰えない場面が多くなるでしょうし、苦手のグラップラーもそうですけどショーン・オマリー系のリーチの長いストライカー相手にも、攻撃が届かずに苦戦を強いられそうです。

ランカー一歩手前辺りの🇧🇷ラオニ・バルセロスや、🇺🇸モンテル・ジャクソンに勝てるのかと言われると怪しい。

 

フライ級に落とせば可能性はあるかもしれませんね。

スピードを増した上で、KOできるだけのパワーとTDDするためのフィジカルをどれだけ維持出来ているかが、結果を残すための鍵を握りそうです。

 

 

あとは、堀口恭司が何故にUFCと契約できないかという事ですが、恐らくはキヨジ側が求めているギャラと待遇(復帰戦でいきなり上位ランカーとやらせろ、とか)に対して、釣り合わない部分があるんじゃないかと思っております。

UFC側からしたらいくら日本のトップファイターとはいえ33歳の選手に対して高額のギャラを支払うのはギャンブルでしょうし、ベラトールでのセルジオ・ペティス戦とパトリック・ミックス戦での敗北もネックになっているのでしょう。

 

自分はキヨジがUFCに復帰するのであれば2021年辺りが年齢的にも一番ベストのタイミングだとずっと思っていたのですが、そのタイミングでスコット・コーカーとの義理だか何だかを果たすために結局ベラトールとの契約を結んでしまったので、致し方無いところですね。

こればっかりはタイミングが合わなかったというわけですし、得手してそういうものなのかもしれません。

堀口恭司という選手はRIZINという団体における象徴天皇のような存在、いわゆるPRIDEにおける桜庭和志的なポジションの選手なので、RIZINファンのためにRIZINでずっと戦い続けるという選択肢もありでしょうし、PFLがもしバンタム級のリーグ戦を発足させたら、そこに出場するのもアリかと思います。

 

新生K-1やRIZINが旗揚げした頃に活躍していた主要選手が、軒並み30代に突入して、日本の格闘技界もいよいよ世代交代の時期に入ってきているようですね。

というわけで、日本人UFCファイターとしては久しぶりのメインイベント抜擢となった24歳の🇯🇵平良達郎が、🇺🇸アレックス・ペレスと一戦を交えたUFCファイトナイト大会の感想です。

 



⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

 

 

 

 

⚪️🇰🇿アスー・アルマバイエフVSホセ・ジョンソン🇺🇸⚫️(3R判定)※フライ級

 

 

 

グラウンドゲーム主体のスクランブルの攻防で、長身のホセ・ジョンソンも柔術が得意らしく下からの三角締めの仕掛けや、スイープからのマウントポジション奪取、バックからRNCを狙うなど見せ場もありましたが、それらをアルマバイエフがディフェンスするとラウンド中盤からの時間に掛けてはアルマバイエフがトップキープとパウンドでコントロール。

 

アスー・アルマバイエフがキャリア無敗記録を更新し、連勝です。

 

 

 

 

 

 

⚪️🇺🇸ブレイディ・ヒースタンドVSギャレット・アームフィールド🇺🇸⚫️(3R一本・リアネイキドチョーク)※バンタム級

 

 

 

3R、バックリフトからTDを奪ったヒースタンド、直後に相手が立ち上がろうとしたところへボディトライアングルでチョークをセット、再びグラウンドへ雪崩れ込むと、リアネイキドチョークで首を締め上げてアームフィールドはタップアウト‼️

 

25歳のブレイディ・ヒースタンドが一本勝ちを納めました‼️

1Rは両者あわや一本という展開が見られたスクランブルゲーム、2Rはボクシングが得意なアームフィールドが右ストレートでダウンを奪い、ヒースタンドはピンチに陥りますが、ヒースタンドはグラウンドから脱出しTDを奪ってバックコントロールに成功すると、その後はレベルチェンジ戦法と組み際の膝蹴りでアームフィールドをスタンドでも消耗させて打撃を入れ、勝利への伏線へと繋げました。

TUFの頃から粘り強いタフゲームをこなしてきたヒースタンドでしたが、今回も彼の持ち味の良さが出た試合でした。

 

 

 

⚪️🇺🇸マイルズ・ジョンスVSダグラス・シルバ・デ・アンドラージ🇧🇷⚫️(3R判定)※バンタム級

 

 

序盤は遠い間合いからの堅いスタンドでの試合運びの両者でしたが、ジョンスが飛び込み左フックや強烈な右カーフキックをヒットさせると、2Rには下がりながらの右フックをヒットさせ、その後もスティッフジャブや右オーバーハンド等をヒットさせていきます。

 

アンドラージもバックスピンキックをヒットさせたりと反撃に転じましたが、判定は要所でカウンターを上手くヒットさせていたマイルズ・ジョンスに軍配が上がりました。

 

 

 

 

⚪️🇯🇵平良達郎VSアレックス・ペレス🇺🇸⚫️(2RTKO)※フライ級

 

 

 

1R、両者オーソドックス構え。

ペレスと比較して身体が大きく見える平良。ペレスは左ジャブ、右カーフキックを放っていきますが、平良はブロッキングと足を引いてのディフェンスでかわしていきます。

ケージ際に押し込み、肘をヒットさせ、クリンチ際ではコンビネーションを放ってゆくペレス。平良は中間距離では脱力された左ジャブ、右カーフキックにペレスのブロッキングの合間を縫う右アッパーをヒットさせ、ペレスもスイッチからの踏み込みのパンチを放ってゆきますが、平良もそれに対応しカウンターをヒットさせていきます。

ラウンド終盤ではペレスが先制のTDを奪い、拮抗した1Rが終わります。

 

2Rもスタンドの攻防ですがペレスの攻撃が読まれてきており、徐々に平良にアドバンテージが動いてきているか。

平良がケージ際でタックルを仕掛けTDを奪うと、ペレスが立ち上がったところへ平良がバックを取ってボディトライアングルをセットし、ペレスが引き剥がそうと倒れたところでペレスが脚を負傷しレフェリーストップ。

 




アクシデント的な結末ではありましたが、ランキング5位のペレスの攻めに対して想像以上の適応能力を見せていた平良達郎が、2RTKO勝利で無敗記録を更新しました‼️

 

 

スタンドでのジャブ、カーフキックの攻防ではペレスのほうが上かなぁと思っていましたが、平良のほうが身体が大きかった事もあり、カーフキックにも対応していて、逆に平良が要所で左ジャブを上手くヒットさせていました。

逆に組みの攻防では序盤ペレスが平良をケージ際へ押し付けたり、終盤にTDを奪うなど、今までの相手とは一味違う攻めを見せていましたが、平良にとってネックと言われていた打撃の攻防において、近い距離になるとアッパーやカウンターをヒットさせるなど、互角以上の対応能力を見せていきました。

 

2Rに試合の流れが平良寄りに傾き掛けてきたところですかさずTDを奪うと、スタンドでバックを取っていきますが、ペレスが引き剥がそうと倒れたところで脚を負傷、アクシデント的な結末ではありましたが平良曰く「対レスラー用の必殺技」という事で、恐らくは合気道的な相手の体重の掛かった部分を利用したテクニックを使ったんだと思います。

俺😝はK-1ファン😝💓なので、誰か詳しい人が説明してくれるとは思うので宜しくお願いします(笑)。

 

正直、平良達郎に関しては周囲の評価と比較して騒ぎ過ぎやろ、と思っていて、これまでは少し疑念を抱いていた選手ではありましたが、今回の試合で打撃における成長の跡をしっかりと見せていて、本当にUFC王者を狙える逸材だと確信した試合でした。

ランキング5位のペレスを下した事で、タイトル挑戦も射程圏内に入ったと言えるでしょう。

と同時に、UFCは今の堀口恭司を無理に獲得する必要はこれで無くなったのかなぁとも思いました。

世代交代ですね。




 

 勝利した平良達郎はパフォーマンスボーナスを貰いました。