UFC FIGHT NIGHT感想(2024.1.14) | 銀玉戦士のアトリエ

銀玉戦士のアトリエ

一応UFC、MMA、海外キックを語るブログ。ゆるーく家庭菜園や食べ物エントリーもあります。

Instagram ID:notoriousginchang

年始初となりますUFCエントリーです。

 

さて、今年は4月14日(日本時間)に、UFCとしては100回区切りの記念大会に当たるUFC300が控えています。

それに向けて、3月10日(日本時間)に行われるUFC299も含めて、年始からデイナ・ホワイトのアナウンスで続々と対戦カードが発表されています。

 

 

 

UFC299のメインイベントは👑🇺🇸ショーン・オマリーVS🇪🇨マルロン・ヴェラによるUFCバンタム級タイトルマッチに、セミでは🇺🇸ダスティン・ポイエーが、期待の新鋭🇫🇷ブノア・サント・デニスと戦います。

 

 

UFC300では🇧🇷チャールズ・オリベイラと🇦🇲アーマン・ツァルキアンによるUFCライト級次期挑戦者決定戦の他に、👑🇨🇳ジャン・ウェイリーと🇨🇳ヤン・シャオナンによる中国人同士によるUFC女子ストロー級タイトルマッチも控えています。中国MMAにとっては記念すべきタイトルマッチとなりましたね。

写真の表記ではこの試合がメインイベントとなっていますが、恐らくは別のタイトルマッチがメインイベントになるかと思います。

 

こうやって対戦カードが早く決まってくれるのは選手側としても試合に向けての調整がしやすいですし、ファンの側からしてもワクワクな妄想が滞って、マニア同士が試合予想であーだこーだと語り合うのも楽しみの一つかとは思います。

風の噂によればUFC300で元ライト級王者ハビブ・ヌルマゴメドフが現役復帰するかも?という話も出ているようですね。引退後もトレーニングをやっているそうで、イスラム・マカチェフ曰く今でも現ミドル級王者ショーン・ストリックランド相手に勝てるだけの力はあるとの事ですが、どうなる事やら。

ちなみにコナー・マクレガーVSマイケル・チャンドラーに関してはUFC300ではなく、マクレガー本人の話では6月末に行われる大会で試合するとの事。階級はミドル級だそうで、本当にミドル級契約で試合したらマクレガーファンの自分も流石に萎えますが、まだ公式のほうでは発表されていませんし、マクレガーお得意の対戦相手やファンを煙に巻く発言、程度に捉えておいたほうが良いかもしれません。

 

こういうニュースを見ていると、在りし日のゼロ年代大晦日格闘技興行の頃を思い出します。あの頃もマイク・タイソン参戦か⁉️若乃花参戦か⁉️と他競技からの大物選手出場の期待に胸を躍らされながらも、実際提示されたカードは谷川黒魔術全開のクソカード😝💢ばかりだったとか、今振り返ればそれも笑い話になるのですが、まぁUFCの場合は既存に発表されたカードがいずれも勝負論に溢れたものばかりなので、お祭り大会において変化球を投げなくても普通に豪華なカードを提示できるのは凄いところです。

 

 

 

そういえばアンソニー・ジョシュアVSフランシス・ガヌーのボクシングマッチも3月8日にサウジアラビアで行われる事が決定しましたね。

本来だったらワイルダーVSガヌーだったのでしょうが、ワイルダーが前回の試合で負けてしまったので、恐らくジョシュアVSガヌーの勝者が、2月に行われるフューリーVSウシクの王座統一戦の勝者とタイトルマッチを行う流れになるのでしょう。

 

ボクシングデビュー戦ながらもあのタイソン・フューリー相手にダウンを奪い、判定まで持ち込んで実質勝っていたのでは❓と思われる程の大善戦をやってのけた元UFCヘビー級王者フランシス・ガヌーですが、今回はフューリーの時と違ってジョシュアも流石に舐めて掛からずにきっちり調整してくるでしょう。

当然ボクシングの洗練性ではジョシュアのほうが上。ガヌーはジョシュアの射程の長いジャブに蜂の巣にされずに上手く掻い潜り、いかに一発をブチこめられるかに全てを懸けていきたいところです。

ガヌーとしては、ミオシッチやホーゼンストライクやアリスターをKOした時のような、ボクシングのセオリーにはないような荒っぽくも意表を突いた一撃に期待したいところ。

UFCとボクシングの2つの世界王者のベルトを巻くという史上初の快挙に向けて、ガヌーには是が非でも頑張って貰いたいものです。

 

 

これも既報の通りですが、1月28日に有明アリーナで開催されるONE  championshipのメインイベント、武尊VSロッタンの対戦が、ロッタンの負傷欠場により、代役としてそのロッタンに勝利した現王者のスーパーレックとの対戦に代わりました。

ONE championshipと言えば最近は運営幹部3人が離脱したという報道が出るなど、やはり金満経営の末にそれに見合う投資が回収出来なかったツケがここに来てしまっているんだろうな、と、谷川チルドレンであるワタクシは谷川フィルターを通じて見えてくるわけですが、その話は置いといてロッタンの代役として出場するスーパーレックは武尊にとって相性が悪い相手との事。

 

一応スーパーレックの試合をいくつか見てみたのですが、オーソドックス構えで身体が大きく、左ジャブと上中下段の右の強烈なキックを主体に中間距離で攻撃を組み立てつつ、更にムエタイルールでは接近戦での強烈なエルボーを得意としている選手。

武尊にとっては苦手のサウスポーではない事と、この試合は(恐らく)キックボクシングルールで行われるので、スーパーレックの最大の武器である近距離でのエルボーが使えなくなるというのはメリットではあります。

なので、多少の蹴りの被弾は覚悟しながらも、距離を潰していけばパンチの回転力に関しては武尊のほうが上なので、そこに勝機を見出せば言われている程相性の悪い相手ではないのかな、とは思います。

 

 

というわけで真面目に試合予想をしたところで、今日のUFC大会の感想です。

なお、セミで行われる予定だったマネル・ケイプVSマテウス・ニコラウの試合は、ケイプの体重超過により試合が中止となっております。

 

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

 

 

メインイベントはライトヘビー級の試合。

🇷🇺マゴメット・アンカラエフと、🇧🇷ジョニー・ウォーカーの対戦。

両者は10月のUFCアブダビ大会で試合をしていて、その時はアンカラエフのグラウンドの四点膝が原因で試合はノーコンテストに。なので今回は仕切り直しのリマッチとなりました。

 

試合は序盤からウォーカーが左右のカーフキックをヒットさせつつ、左回りのサークリングで立ち回り、時折バックブローやブラジリアンハイキックといった変則的な打撃を見せていくという展開。

ヤン・ブラホビッチ戦ではローキックを明確に効かされていたアンカラエフだけに、1Rは焦りからかパンチの距離が合わない場面もあり、ウォーカー優位で初回ラウンドを終えます。

しかし2Rになるとアンカラエフがプレッシャーを強めていき、左右のローキックやボディストレートをヒットさせてウォーカーを下がらせていきます。

ウォーカーも変則的な一撃でダウンを奪いたいところでしたが、ウォーカーがサウスポーにスイッチして右を伸ばしていったところへアンカラエフが強烈な右ストレートを打ち抜いてダウンを奪い、追撃のアッパー一発でノックアウト。

両者のリマッチはマゴメット・アンカラエフが2RKOで完全決着を納めています。

 

 

ウォーカーは1Rの立ち回りは良かったですし、ローを効かせて後半KOを狙っていたかとは思いますが、アンカラエフが2Rにプレッシャーを強めてきて、スタンスの広い足に逆にローキックを効かせ、逆にウォーカーを手詰まりにさせていったのが良かったです。

フィニッシュの決め手となった右ストレートや最後のアッパーも、ショートで打ち抜く強烈なパンチでしたね。

マゴメット・アンカラエフは引き分け・ノーコンテストを挟んでこれでUFC10連勝。一昨年行われたヤン・ブラホビッチとの王座決定戦では微妙な判定で引き分けに終わり、2023年は不運にもベルトからは見放されていましたが、今回の完全KOでタイトル挑戦を確実なものとしました。

 

 

 

セミではUFC歴16年の大ベテラン、UFCで通算42試合を戦ったレジェンド、🇺🇸ジム・ミラーさん40歳が、🇲🇽ガブリエル・ベニテスに3Rリアネイキドチョークで一本勝ちを納めました。

サウスポーVSサウスポーの打撃戦でしたが、ミラーさんは相手のパンチをブロッキングでディフェンスしつつ、パンチからローキックへと繋げる対角線コンビネーションを効かせ、組んではボディへの膝、ベニテスが踏み込んでパンチを打ってきたところへのリターンのカウンターの左ストレートで打撃戦を優位に運び、2R中盤にはTDを決め、強烈な打ち下ろしのエルボーをヒットさせるなど試合を支配。

3R開始直後には少し疲れも見えていましたが、打ち合いの流れの中から上手くTDを決め、ベニテスがガードワークで立ちあがろうとしたところへバックへ回ってボディトライアングルをセット、そこからリアネイキドチョークでタップアウトさせています。

 

 

ミラーさんはこの年齢にしてコンディショニングを保っているのも凄いですけど、試合運びにもベテランならではの引き出しの多さがあって円熟味を感じさせられます。

次戦はUFC44戦目。UFC100、UFC200と、100回区切りの大会に出場しているミラーさんですが、4月に行われるUFC300でも、怪我さえなければ出場はほぼ確定でしょう。頑張って貰いたいです。

 

 

 

メインカード第3試合では、現在UFC5連勝中の🇺🇸マリオ・バティスタが、ランキング13位の🇺🇸リッキー・シモンに判定勝利。

1RはシモンがTDを決め、終了間際には左フックでダウンを奪いポイントを取りましたが、2R以降からはバティスタがスイッチしてのコンビネーション+サウスポーに構えての左ミドルでダメージ与え、シモンのタックルをディフェンスして攻略。シモンはヘッドムーブでパンチを避けていましたが、バティスタはコンビネーションにアッパーやサウスポー構えの右フックをヒットさせるなどボクシングの攻防で優位に立ち、またTDされないよう上手くポジションを移動して立ち回っていました。

3RにシモンにリフトされてTDされましたが、そこからのバタフライガードワークで立ち上がれたのも、その後のスタンドの攻勢に繋がりました。

バティスタはこれで6連勝。近年実力を付けてきた、ボクシング+柔術型の選手で、面白い選手だなと思っていましたが、これでランキング入りが確実となりました。


他に気になったのはUFCデビュー戦で1RTKO勝利を飾ったフェザー級の🇧🇷ジアン・シウバですね。

何かワンツーの右ストレートの打ち方が、左を打った後に左足の向きを変えて角度を作って右を打ち抜くという、井上尚弥がダスマリナスをKOした時のようなワンツーの打ち方をしていたので、「お?」と思いました。

カウンターの左フックも良かったですし、パンチに威力がありボクシングテクニックに優れた期待の選手です。

 

 

今回はバンタム級で🇦🇫ファリット・バシャラート、🇺🇸マーカス・マッギーといった期待の選手がそれぞれ勝利を納めていて、ノーランカーながらも両者とも良い選手で、UFCの選手層の厚さを改めて感じます。

フライ級ではミャンマー出身の22歳、🇲🇲ジョシュア・ヴァンが2RTKO勝利でUFC3連勝を納めています。