UFC FIGHT NIGHT総評(2023.8.6) | 銀玉戦士のアトリエ

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🇺🇸コーリー・サンドハーゲンVS🇺🇸ロブ・フォントのバンタム級マッチがメインイベントとして行われたUFCファイトナイト大会の総評です。

 

そういえば今日はネイト・ディアスVSジェイク・ポールのボクシングマッチなんてのも行われましたね。

YouTuberという触れ込みだけど実際8回戦ボクサー位の実力はあるんじゃないかと言われているジェイク・ポールに、MMAでも唯一無二のボクシングスタイルを持っているネイトが、ピュアボクシングルールでどこまで通用出来るのかという事で何気に勝負論のあるカードかとは思いますが、試合はジェイク・ポールがダウンを奪うなどして判定勝ち。

ネイトは動きも悪かったみたいですし、MMAの手打ちパンチをそのままボクシングに持ち込んでも・・・っていった感じではありました。

微妙な試合だったみたいですね。

 

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

 

メインイベントの🇺🇸コーリー・サンドハーゲンVS🇺🇸ロブ・フォントは、バンタム級のストライカー対決という事で打撃戦になるかと思いきや、試合は意外や意外、サンドハーゲンが5R計20分近くに渡るグラウンドコントロールでフォントを完全ドミネイトし、判定で勝利を納めています。

 

当初のメインイベントはサンドハーゲンVSヌルマゴ一族の🇷🇺ウマル・ヌルマゴメドフというマッチアップでしたが、ウマルが怪我で欠場、急遽UFC292で試合が決まっていたロブ・フォントが代役で出場、キャッチウェイトの140ポンド契約で行われました。

 

ボクシングが巧いフォントが相手という事で、サンドハーゲンも近距離での打ち合いを避けたか、低空タックルを決めTDに成功したサンドハーゲンは、グラウンドでトップポジションをキープしつつ時折エルボーを打って塩漬けにしていく展開。

 

漬けてはいるんだけど決め手に欠ける展開で、これだとスタンドの打撃戦に戻った時にフットワークを多用するサンドハーゲンにとってはスタミナ切れが懸念されるかなぁと思いましたが、後半ラウンドもケージに押し付けてのトップキープに終始。

最終5Rではアナコンダチョークを仕掛ける場面もあったものの、ぶっちゃけファンが望んでいるような試合展開とは言えず、会場からはブーイングが飛んでいましたが、ストライカーがUFCトップレベルの試合でグラウンドの攻防をここまで披露するという試合はそうそう無いですし、ウマル戦に向けて磨いてきたレスリング力を試したかったというのもあるのかもしれません。

サンドハーゲンの今後を考えればプラスになった試合だったかもしれませんね。

 

 

 

セミでは「女ハビブ・ヌルマゴメドフ」の異名を持つ無敗のグラップラー、🇺🇸タチアナ・スアレスが、元ストロー級王者🇧🇷ジェシカ・アンドラージに2R一本勝ち。

スタンドではサウスポー構え+左ミドルを蹴っていって距離を取りつつ、隙あらばヌルマゴばりの低空タックル+しつこいTD狙いでグラウンドで組み伏せて1Rにポイントを取り、2Rはアンドラージが立ち上がったところへギロチンで組み伏せてダースチョークを仕掛け、それからフロントチョークに切り替えてアンドラージはタップアウト。

UFC王者になれるポテンシャルがありながらも、怪我での長期離脱に苦しんだ大器が、いよいよUFC女子ストロー級のタイトル戦線に食い込もうとしています。

 

 

 

UFCデビュー戦でフェザー級ランカーの🇷🇺モブサー・イブロエフに善戦した🇧🇷ディエゴ・ロペスは、TJ・ディラショー的な打撃スタイルの🇨🇦ギャビン・タッカーに1R一本勝ちを納めています。

タッカーが不用意にタックルを仕掛けていったところにロペスがラバーガードで捕獲し、三角腕十字からのマウントで締め上げて見事な一本勝ちです。

 

 

 

ディアス兄弟やマックス・ホロウェイっぽい、手の長さを活かしたノーモーションパンチ+精度の高いボクシングが得意なフェザー級の🇺🇸ショーン・ウッドソンは、🇺🇸デニス・ブスカに判定勝ち。

ウッドソンはカーフキックや前蹴り、サウスポースタイルへのスイッチなど、スタンド打撃の幅が広がっている感がありましたが、ブスカに距離を詰められてケージレスリングで押し込まれた時も、体位を入れ替えつつ上手く処理し、得意の左ボディや膝蹴りをボディや顔面にヒットさせつつ、2R以降はグラウンドの展開においても優位に立つ事が出来ました。

ウッドソンの成長の跡が凄く見られた試合でした。

 

 

フライ級の試合は新鋭のカザフスタン人、🇰🇿アスー・アルマバイエフが🇺🇸オーデ・オズボーンにフェイスロックで一本勝ちを納め、UFC参戦初期の頃は「UFCフライ級で1番弱い選手」と酷評されながらも、着実に成長し続けて現在連勝中の🇺🇸コディ・ダーデンが、ケージウォリアーズ元フライ級王者🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿ジェイク・ハドリー相手にタフファイトで判定勝ちを納めています。

アスマバイエフは極めが強い選手ですし、ダーデンはサウスポー構えのハドリーの左に合わせての右ストレートや肘カウンターをヒットさせて打撃戦を優位に進め、2Rはハドリーにあわや腕十字で一本取られるピンチも乗り越えて、グラウンドで上を取って試合を支配する事が出来ました。

 

こういう試合を観ているとUFCフライ級ってスクランブルの攻防に強い選手が揃ってきていますし、寝技が強い選手同士の試合になってくると必然的に打撃戦(パウンドの攻防含む)の攻防になりがちではあるので、上位選手との対戦ではタフネスだったり打撃技術がやっぱりモノを言ってくると思いますね。

まだUFCファイターじゃないのに「俺は出稽古先でUFCランカーのムハンマド・モカエフやアミール・アルバジ相手にスパーリングで圧倒したんだ」とか本当かどうか知りませんがイキっている奴が居て、キッズやキッズおじさんたちを小踊りさせているようですが、スパーリングはあくまでもスパーリングで、試合で本気の打撃を喰らってしまったりスタンド打撃の攻防で後手に回ってしまうと、寝技の攻防になると自分の100%の力は発揮できなくなるわけで、何だったらそれ以前の打撃のダメージやスタミナの消耗度のよっては、ピュアグラップリングの攻防で劣る相手にも不覚を取られてしまう、それがMMAなんですね〜。

これからUFCフライ級は横一線の群雄割拠の様相を呈してくる事でしょうな。

 

 

追記のようになりますが後追い視聴したフェザー級の🇺🇸ビリー・クアランティーノVS🇺🇸デイモン・ジャクソンも、クアランティーノがタフファイトでグラップラーのジャクソンを退けた試合でした。

1Rはジャクソンが左右のパンチをヒットさせながらレベルチェンジでTDに成功し、バックで組み伏せるなどあわやの展開を作りますが、下の動きで凌ぎ切ったクアランティーノが2Rになると胴クラッチでのTD狙いのジャクソンに対し、組み際への膝、ボディ、クリンチアッパーを効かせ、逆に右オーバーハンドやコンビネーションで追い込んで優位に立つという試合でした。

3Rラストにジャクソンも執念でTDを決めますが、クアランティーノもオモプラッタから腕十字を狙うなど、こちらもグラウンドの名手に恥じないムーブを魅せてくれました。

残念ながらファイトオブザナイトには選出されませんでしたが、打投極のケレン味が凝縮されたMMA好きならたまらない熱戦でした。