UFC FIGHT NIGHT感想(2023.4.16) | 銀玉戦士のアトリエ

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UFCカンザスシティ大会の感想です。

今回のメインイベントは、昨年7月にフェザー級タイトルマッチに出場し、王者アレクサンダー・ヴォルカノフスキーとの3度目の対戦で完敗を喫したhttps://ameblo.jp/fanroad-gindama/entry-12752102103.html?frm=theme 元王者マックス・ホロウェイの9ヶ月ぶりの復帰戦が組まれました。

相手はフェザー級でUFCデビューから10連勝中と、未だUFCで負け無しと勢いに乗る、アーノルド・アレン。タイトル挑戦に向けて両者共に負けられない、興味深いマッチアップとなりました。

 

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

 

 

 

⚪️🇲🇽ダニエル・ゼフーバーVSランドン・バンダーナ🇺🇸⚫️(3R判定)※ライト級

 

 

 

UFCデビュー戦で当時トップファイターの一人だったトニー・ファーガソンと対戦し、2R一本負けを喫したものの、1Rはバンダーナの独特の打撃スタイルに対応しきれてない感もあってか、あのファーガソンをメッタ打ちにするまで追い込んだシーンが今でも強烈に印象に残るランドン・バンダーナ。

スイッチしての多彩な打撃と、柔軟性を感じさせるウィービングとバネのある攻撃が持ち味の天才肌の選手で、ジョン・マグデッシをバックスピンキック一発で沈めた試合も印象的でしたが、アグレッシブ過ぎるが故に被弾も多く、グラウンドにも課題があるため、その後の戦績は3勝6敗2引き分けと奮わず。

そんな崖っぷちのバンダーナに対するは、コンテンダーズ上がりの23歳のメキシコの新鋭、ダニエル・ゼフーバーです。

 

 

1R、ケージ際に追い詰めて飛び膝蹴りをヒットさせてダウンを奪い、パウンド連打で追い打ちを掛けてゆくゼフーバー。

ストップを掛けられてもおかしくない状態でしたがバンダーナは何とか立ち上がり、際に右フックを被弾するも左フックを打ち返す気迫を見せ、ピンチを乗り切ります。

 

2Rになるとゼフーバーのプレッシャーはやや弱まり、バンダーナは足を使って相手の攻撃がギリギリ届かない位置をキープしつつ、左右ローやミドルをヒットさせながら時折飛び込みの左右フックをヒットさせ、有効打の数でラウンドを取り返します。

 

3Rになると逆にプレッシャーを強め、バンダーナをケージに下がらせて飛び膝蹴りをヒットさせるゼフーバー。

バンダーナも中距離から攻撃をヒットさせていきますが、単打が多くゼフーバーに明確なダメージを与えられないか。ゼフーバーは左右ストレートや右ハイキックをヒットさせます。

バンダーナは終盤にワンツーからの左ハイキック、胴回し回転蹴りと、らしさのある攻撃を見せますが、追い上げならず。

 

判定は3者フルマークで、メキシコのダニエル・ゼフーバーが勝利を納めました。

バンダーナは1RのTKO負けのピンチから何とか判定までは粘ったものの、追い上げきれず無念の判定負け。

バンダーナを見ていると、プロ野球の世界で1年目に新人王クラスの良い成績を残すけど次の年以降になると泣かず飛ばず・・・というタイプの選手を思い出しますね。ちょっと古いけど元ヤクルトの伊藤智仁とか。

大体の場合だと自分の実力をアップデートしていなかったり、怪我による長期離脱で調子の良い時の感覚が取り戻せなくなってしまう事が原因だったりするのですが、長期間コンスタンスに結果を残す事の難しさを感じます。

 

 

 

 

⚪️🇺🇸ブランドン・ロイヴァルVSマテウス・ニコラウ🇧🇷⚫️(1RTKO)※フライ級

 

 

 

懐の深いサウスポー構えでプレッシャーを掛けながら、細かくフェイントを掛けていってニコラウを誘ってゆくロイヴァル。

と、ニコラウが左を伸ばしていったところへ、テンカオ→右のカウンターをヒットさせてダウンを奪ったロイヴァルが、グラウンドで強烈な肘パウンドを上から打ち落としたところでレフェリーストップ。

 

ブランドン・ロイヴァルがTKO勝利。

この選手は元々グラップラーで、リーチが長いサウスポースタイルの選手ではあるのですが、スタンド打撃ではそのリーチの長さを活かし切れていない感がありました。

今回はそれを払拭する見事なTKO勝ちを納めました‼️

フライ級は7月に元王者デイブソン・フィゲレーロVSマネル・ケイプの試合が決定していて、もしケイプが勝てば彼が次期挑戦者の流れになると思いますが、ロイヴァルもタイトル挑戦の可能性は充分にありそうです。

 

 

 

⚪️🇷🇴イオン・クデラバVSターナー・ボザー🇨🇦⚫️(1RTKO)※ライトヘビー級

 

 

 

ボクシング主体の打撃戦の流れの中で、クデラバが右オーバーハンドを放つも、ボザーは側面のブロッキングでガードします。

直後、同じ踏み込みから今度は内側へ右ストレートを顎にヒットさせると、そこから畳み掛けてすかさずテイクダウンを奪い、パウンド連打でレフェリーストップ。

 

クデラバ、久々のスカ勝ちです。

ポカも多くて惜しい負け方もする選手で、ランカー当落選上ギリギリの位置に居るような印象が強い選手ではありますが、今回は右オーバーハンドを見せておいてガードを側面に意識させての、内側からの右ストレートをヒットさせて効かせた技アリの攻撃が、フィニッシュへと繋がりました。

 

 

 

 

⚪️🇷🇺アザマット・ムルザカノフVSダスティン・ジャコビー🇺🇸⚫️(3R判定)※ライトヘビー級

 

 

 

ムルザカノフはサウスポー構え、ジャコビーは構えをスイッチしての立ち回り。

1R、ジャコビーはいつも通り前手のジャブと左右のカーフキックを主軸に中間距離での打撃戦を行使しますが、ムルザカノフの見えない組みの圧力があるからか、元キックボクサーと言えどもムルザカノフのワンツー、オーバーハンドの左を被弾するなど打撃戦では後手に回る展開で、ムルザカノフが初回ラウンドを取ります。

 

2Rになるとムルザカノフに疲れが見えてきたのか若干動きにキレがなくなり、ジャコビーの膝のフェイントにもよく反応して下がるようになっていきます。

1Rとは逆にジャコビーがスタンドでやや盛り返す流れになってきましたが、ラウンド終盤、ムルザカノフが左のオーバーハンドでダウンを奪い、追い討ちのコンビネーションで逆転でこのラウンドも取ります。

 

2つラウンドを取ったムルザカノフですが3Rに入ると初回のような動きのキレは無く、ジャコビーはサウスポーに構えての左ストレートで相手をぐらつかせ、ジャブやローをヒットさせて追い込んでいきます。

空振りも目立ってきたムルザカノフはタックル狙いに切り替えますが、ジャコビーがこれを切ると逆にムルザカノフをケージに押し付けてTDに成功しますが、フィニッシュまでには至らず。

 

判定は3者ムルザカノフを支持。最終ラウンドは取られましたが、何とか逃げ切った格好となりました。

 

 

 

 

⚪️🇧🇷エジソン・バルボーザVSビリー・クアランティーノ🇺🇸⚫️(1RKO・膝蹴り)※フェザー級

 

 

 

かつてはキックボクサーとしてK-1MAX南米予選に出場し、優勝した経歴を持つエジソン・バルボーザ。

本来ならば地区予選優勝者は本戦に出場する流れだったのですが、タニーの黒魔術「プロテクター・マサト」が発動しMAX本戦出場は叶わず、その後はMMAに転向。

そんな、タニーによってK-1王者になる夢を狂わされたバルボーザも、気が付けばUFC歴13年、未だタイトル挑戦経験は無いもののそれでも何とか踏ん張っている37歳のベテラン選手となりました。

 

いきなりパンチを見せてレベルチェンジでタックルを仕掛け、ケージ際に押し付けたクアランティーノ。

バルボーザはこれを切ると、強烈な左ミドル、右カーフキック、右フックのカウンターをヒットさせていきますが、クアランティーノもローや肘のカウンターをヒットさせるなど、好戦的なファイター同士による激しい打撃の交換が繰り広げられます。

 

プレッシャーを掛けてバルボーザをケージに背負わせ、前蹴りで構えをサウスポーにスイッチし、右フックをヒットさせたクアランティーノ。

直後にTDを決めようとタックルを仕掛けて頭が下がったところへ、バルボーザのカウンターの膝蹴りがヒットし、クアランティーノは失神‼️

 

 

K-1MAX南米予選王者、エジソン・バルボーザが見事なKO勝ちを納めました‼️

クアランティーノは所々でレベルチェンジを試みていて、右フックからケージ際でタックルを仕掛けるアプローチも悪くなかったのですが、それを読んで膝のカウンターをヒットさせたバルボーザがお見事としか言い様がありません。K-1最高😝👑👑👑‼️‼️‼️

 

 

 

 

⚪️🇺🇸マックス・ホロウェイVSアーノルド・アレン🇬🇧⚫️(5R判定)※フェザー級

 

 

 

1R、アレンはいつものサウスポー構えですが、近年オーソドックスに構える事の多かったホロウェイも初回はサウスポー主体に構えます。

お互い踏み込みワンツー、カーフキック、ミドルをヒットさせるなど、バックステップで時折かわしつつも中間距離でのMMAスタンディングの攻防を繰り広げる両者。

ほぼ互角の展開でしたが終盤にホロウェイがバックスピンミドルを放ち、アレンが前に出てきたところへカウンターのテンカオを返し、初回ラウンドを取ります。

 

 

左ストレートが伸びるアレンは2Rにサウスポー構えのホロウェイの右ジャブに対してカウンターの左をヒットさせます。

 

それから連打で畳み掛けようとしますが、ホロウェイもバックステップで貰わないよう立ち回ると、ワンツーからボディへと打っていき、上段にブロッキングを構えるアレンに対し、オーソドックスに構えを戻して強烈な右ミドルをヒットさせてゆきます。

 

共にハイレベルなMMAストライカーゆえの、スピーディーな中距離打撃戦を繰り広げる両者。

アレンもワンツー、左ストレートをヒットさせますが、その後の左ハイキックはホロウェイのブロックに阻まれます。

 

逆にホロウェイは強烈な右ミドルやボディストレートをヒットさせてボディに攻撃を集め、そこからジャブやワンツーもヒットさせ、距離を取る時は関節蹴りやカーフキックを放つなど、押しては引いての駆け引きの中で徐々に試合の主導権を握っていきます。

 

 

 

ホロウェイの右ミドルを被弾する印象が強かったアレンも、4Rにミドルをキャッチして左ストレートをヒットさせますが、直後にホロウェイも右ストレートをヒットさせます。

ここまで3つラウンドを取られ後が無いアレンは、最終5Rになるとプレッシャーを強めて自ら前に出て左ストレートを大きく伸ばしてヒットさせますが、ホロウェイも下がりながら右ミドル、そして意表を突いたバック肘をヒットさせ、相手の流れに若干傾こうとしている時にはすかさず攻撃を返していきます。

四つ組みから離れた後ののラスト10秒、アレンはテンカオから左フックをヒットさせますが、ホロウェイも左フックのカウンターでアレンをぐらつかせると、終了間際にワンツーをヒットさせてアレンに膝を付かせて、ダウンを奪ったところで試合終了。

 

判定は3者フルマークで、元フェザー級王者マックス・ホロウェイが勝利。UFCで10連勝中と勢いのあるアーノルド・アレンの連勝記録をストップさせました。

 

アレンはサウスポー構えでスピードのある選手で、ホロウェイとしたら下手にクロスレンジのボクシング勝負で距離を詰めようとするとアウトボクシングの術中にハマって前回のヴォルカノ戦の二の舞にされるかも・・・と思っていて、どういうアプローチで攻めていくのか興味深い一戦ではありましたが、久々のサウスポー構えも見せながら相手の得意な中距離打撃戦で真っ向勝負をしていました。

スピードがあって捉えどころが難しいアレンが相手だったので、ホロウェイとしてはケイター戦https://ameblo.jp/fanroad-gindama/entry-12653116222.html?frm=themeやアルド戦https://ameblo.jp/fanroad-gindama/entry-12336586895.html?frm=themeやオルテガ戦https://ameblo.jp/fanroad-gindama/entry-12424872825.html?frm=themeのように手数の多いコンビネーションで滅多撃ちに・・・という展開にはなりませんでしたが、押しては引いての中距離打撃の駆け引きの中で強烈な右ミドルをヒットさせたり、上下にコンビネーションを打ち分けたり、アレンに流れが行きかけるとすかさず打ち返したりと、UFCで経験豊富なファイターだからこその、要所要所を締める攻撃が光っていました。

あとは、アレンのハイキックをブロック+バックステップでガードしながら致命打を貰わない立ち回りも良かったです。

 

立ち技としてもレベルが高い試合が堪能できたメインイベントでした。グレーテスト😝🌸🐥👑‼️‼️‼️‼️‼️