2019年3月のMVP | 銀玉戦士のアトリエ

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☆2019年3月 月間MVP☆

 

※👑🇯🇵武尊🇯🇵👑(K-1 WORLD GPスーパーフェザー級王者/K-1 3階級王者😝👑👑👑)

 

【K-1 WORLD GP K‘SFESTA2 VSヨーキッサダー・ユッタチョンブリー戦 dif2RKO勝利】

 

K-1史上初の3階級制覇王者であり、新生K-1を引っ張るカリスマとして人気、実力共に牽引する武尊が、ムエタイ殿堂のラジャダムナン現王者ヨーキッサダーと、K-1ルールの舞台で激突する。

 

 

1R、共にオーソドックススタイルで構える。

武尊がじわじわとプレッシャーを掛け、ヨーキッサダーの内腿にクイックで左のインローを当てる。

ヨーキッサダーは時折踏み込みや左膝を上げるフェイントを見せて武尊をバックステップさせ、様子を伺う。

執拗にクイックインローを当てる事で、足数で武尊が勝るが、ヨーキッサダーも武尊が射程距離に入ると強烈な右ミドルを腕やボディにヒットさせる。

ヨーキッサダーのミドルの蹴り終わりに距離を詰め、連打を放ってゆく武尊。

これはガードされるものの、相手にとっては嫌なプレッシャーの掛け方だ。

ラウンド終盤、ローキックからスピンキックを放つ武尊。直後にヨーキッサダーがムエタイのゆったりとしたリズムから、ストレートで緩急を付けるかのように大きく前に出てプレッシャーを掛け、武尊を下がらせてラウンドを終える。

 

2R、ヨーキッサダーの強烈な右ミドルが武尊の左腕にヒットする。武尊も距離を詰めてインロー、連打を放っていくが、ミドルを貰った事によって左腕の肘の部分が赤く腫れ上がっており、あまり受け過ぎるとリードハンドの攻撃やブロッキングによるディフェンスに大きな影響を与えかねない。

武尊が腕を振って相手を誘い、前へ出て来たところへ左の前蹴りで突き離す。

ヨーキッサダーは膝のフェイントから1R終盤の時のように大きく前へ出て武尊をロープ際へと詰め、右ローからパンチを放ってゆくが、パンチを放つ時に頭の位置を変えないヨーキッサダーに対して、狙い澄ましたかのような右フックをヒットさせ、ダウンを奪う。

明らかに効いている様子のヨーキッサダー。武尊はここぞとばかりに右のオーバーハンドを当てて更に追い打ちを掛け、左右の連打を当てて一気にフィニッシュ。

現役ムエタイ王者を、K-1ルールでKOした武尊が、見事にさいたまスーパーアリーナのメインイベントを綺麗な形で締め括った。

 

 

K-1に憧れて小学生時代から空手を習い、2009年に旧K-1で開催されていたK-1甲子園に出場するも、地区予選の2回戦で敗退。

その悔しさをバネに、当時の前田憲作が主宰を務めていた名門キックボクシングジム、チームドラゴンに入門。2011年にKrushでプロデビューした。

旧K-1が消滅し「キックボクシング冬の時代」と呼ばれていた時期に、後楽園ホールで興行を行っていたKrushで打ち合い上等のアグレッシブなスタイルで会場を沸かせ、後の新生K-1旗揚げの礎を作り上げた立役者の一人となる。

2015年4月に行われたK-1 WORLD GP 55kg級初代王者決定トーナメントに出場し、8人制ワンデートーナメントを決勝まで勝ち抜き、同じく決勝まで勝ち上がった大雅を激闘の末に判定で下し、王者に戴冠した。

2016年に階級をフェザー級(57.5kg級)に上げて、同じく初代王者決定トーナメントに出場、決勝の舞台で乱闘劇を演じた因縁の相手である小澤海斗に終始優勢に立つ試合内容で下し、2階級制覇を達成。

2017年3月、新生K-1としては初となる、さいたまスーパーアリーナのメインスタジアムで開催された「K’S FESTA1」で、階級をスーパーフェザー級(60kg級)に上げて当時の王者だった大雅とタイトルマッチで戦う予定だったが、大雅の他団体への移籍により試合が消滅。大会1ヶ月前に60kg級王者を決定するワンデートーナメントへの出場が急遽決定し、興行最大のピンチを、階級の壁を感じさせない圧巻の強さを魅せる試合内容でトーナメント3試合を勝ち抜き、K-1史上初の3階級制覇を達成。童顔のルックスで女性ファンを掴む人気のみならず、強さや実行力という面において大きく認められる存在へと成長した。

日本人離れしたフィジカルの強さと、強烈な打撃を貰っても怯まずにプレッシャーを掛けて前へ出る気持ちの強さを武器に、体重の乗った威力とハンドスピードの速さを兼ね備えた暴風雨のようなパンチの連打で相手をKOする。

序盤はクイックで蹴れる前蹴りとローキックで距離を掴んで相手を削りつつ、クロスレンジの距離に入ってきたところへ打ち合いの流れへと持っていき、一撃必殺のオーバーハンドライトや返しの左フック、テンカオのカウンターでダウンを奪うのが必勝パターンだ。

打ち合い上等のスタイルゆえに、初期の頃は顔面にモロに打撃を貰う率が高く、ディフェンス面での課題が指摘されていたが、近年はブロッキングとヘッドスリップを組み合わせたディフェンス能力の向上で被弾率も低くなっていった。

また、UFC前バンタム級王者TJ・ディラショーや、UFC前ライトヘビー級王者リョート・マチダといった北米トップMMAファイター達の元へ出稽古を行う事によって彼らの打撃技術を積極的に吸収し、K-1ルールに落とし込む事で更なる進化を続けている。

格段に増えたメディア露出と共に、名実共に新生K-1を背負うカリスマとして走り続けるナチュラルボーンクラッシャーは、K-1最強を証明していくために大舞台でも変わらぬ信念を貫き続けていく事だろう。