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楽々主義

徒然なる日々

時間軸の妙だっていう話!!

伊坂幸太郎さんの『PK』
を読みました。

大臣は選択を迫られた。サッカー選手は運命を迫られた。小説家は進退を迫られた。
それぞれの導く答えが、人生を変え、道を変え、物語を変える。。。
試されるのは、勇気。一滴、一搾り、なけなしの勇気。
たった一度の、微々たる行為がもたらす世界的な齟齬。
未知なるバタフライ効果は、果たしてどこへ向かい、誰に、何をもたらすのか。。。

お得意の、時間軸。
過去、現在、そして未来。
一本の線の上にあるそれらは、
実は一つ一つを取り上げれば、
細かく枝分かれしていて。

フィッシュストーリーのテイスト。

けれども、
同時にパラレルでもあって。

百八十度違う、
二つの異なる世界は、
実は最初の一歩で決まっていた。

選択を迫られる、
のではなく、
勇気を試される、
という言い回しが、
実に美しい。

誰だって、
いつもどこかしらの交差点にいる。

直進、Uターン、左折、右折。
或いは、
上る、下りる、止まる。

たった一度の勇気で、
それは全く違う結果を生むことがある。

もしかしたら、
その勇気が、
自分の将来を変えるかもしれないし、
誰かの未来を変えるかもしれないし、
世界の命運すらも、左右するかもしれない。

そんな無限の可能性を、
あるかもしれない過ちや、
あったかもしれない成功で、
紡いでいく物語。

これは、
世界の話であり、
個人の話でもある。

壮大でいて、身近な、
そんな奇妙なお話。

このラインの過去から未来。
それはきっと、
いつかの、どこかの、誰かの、
たった一度の勇気が、
微々たる選択の妙が、
作り出しているのだ。
最後は好き嫌いになっちゃうけどっていう話。

今年も、コントNO.1が決まりましたね。

途中からだったので、
残念ながら、
私の推しメン『さらば青春の光』
を、見られなかった。。。

決勝戦まではいけなかったようです。
応援していたので、ホント残念で。。。

でも、彼らの実力は、
きっと決勝トーナメント常連なので、
皆様もご存知でしょう。

今年は、明暗が分かれましたね。
如何に見せ場を作れるかってので。

決勝戦に残ったグループは、
どこも『面白さ』という意味では、
あまり差を感じなかったです。
平均的に笑えるポイントはありました。

しかし、
やはり賞レース向きのネタというと、
その選択の上手さで結果が割れたかと。

やっぱりインパクトや意外性なんですよね。
かと言って、去年の天竹鼠や、
今年のバンビーノのように、
ただ、奇抜なことをやればいいわけでもなく。

起承転結があって、
右肩上がりに盛り上がる、
勝負どころのハッキリしたネタ。
ドカンとくる笑いが入っているかどうか。
まぁ基本っちゃあ基本なんです。

また、冒頭に申し上げた通り、
これはもちろん、
最後は好みの問題も絡んできますが。

なんというか、
全体的にまとまり過ぎていたと思う。
スベリたくないのは分かります。
それなりにウケてもいましたが。
確かに、
彼らの味を知っていて、
その良さがツボがハマっている、
それこそ単独に行くようなファンになら、
そういうネタで良いと思うのです。

しかし、
ああいう場で披露するには、
些かパンチが小さすぎた気がします。
繰り返しですが、
突拍子もナイことを求めているのではなく、
あくまでも、彼らなりの色を出しながら、
それでいて他にはできない、
しかも、大衆にも伝わる面白さが、
必要な場であったということ。

お笑いが、
如何に難しいかがよく分かる大会でした。
胸にドスンとくる重い球だっていう話。

東野圭吾さんの『魔球』を読みました。

九回二死満塁。春の選抜高校野球大会で、開陽高校のエース須田が投げた球は魔球。揺れて落ちるその球には、彼の全てが込められていた。。。
大会後のある日、彼の女房役であった捕手北岡が刺殺死体で発見された。
一方で、同じ頃東西電機という企業にダイナマイトが仕掛けらる。不発に終わったものの、事件に警察が動いた。
何の接点も見られない二つの事件。刑事高間が調べていくうちに、驚愕の事実を掴む。
果たして魔球に込められた意味とは。二つの異なる事件の真相と、犯人とは。

臭さがなかった。
広義の青春ミステリには含まれるのだろうが、
その内包する現実は、およそそれからはかけ離れたもの。

どちらかというと、
ある種社会という形の見えない壁を前に、
或いは人生という荒波の中を、
耐えずもがき苦しみながら、
しかし、それでも前へ進もうとする人間の、
儚く、悲しい物語だ。

2つ事件が平行して語られるからには、
もちろん何かしらの繋がりはある。
結び付く点がどういうものか、
それがまさにこの作品の肝である。

つまびらかにされない情報は、
確実に伏線となり、
また徐々に真相へと迫る、
緊迫感を演出している。

あらゆる業を背負う18歳の少年は、
現実を前に無慈悲にも『大人』になる。
別の答えだってあったじゃないか。
その選択は誤りだ。
と、言い捨てることは容易い。

正論とは、
得てして机上の空論に過ぎない。
勝ち取るために、
犠牲にしなければならないもの。
それは対価であり、
時には悲しい結果を招く。

痛み、傷つき、
自分をも偽りながら、
他に選択肢をもたない少年の、
守りたかったもの。

表には現れない、
隠し通した、
彼だけの正義。