フィービ・スノウの2ndアルバムであるこのアルバムは1976年の初めに発売されました。前作である1stアルバムから2年の間が有ります。2年間もの間があいたのはレコード会社とのトラブルのせいらしいのですが、この間に彼女は愛娘であるヴァレリーを生んでいます。そしてフィービは、これ以降の生活の全ての中心にヴァレリーを置く事になります。
プロデューサーは前回サポートという形だったフィル・ラモーンが全面的にしています。バックのメンバーの選定なども彼のようです。あまりにも彼に任せ過ぎたせいでしょう、フィービの持っている土臭さが全く感じない、フィルお得意のジャズ・ミュージシャン多様のお洒落でアコーステックな都会風ポップスに仕上がっています。個人的にはそのせいであまり聴かなかったアルバムなのですが、完成度の高さ自体は前作とは比べようの無いほど繊細に美しく、バランスの取れたものとなっています。
実を言うと私は、このアルバムからレコード会社の戦略的な部分を感じてしまうんです。ポール・サイモンの『時の流れに』とリンクしているような部分を強く感じるんです。ジャケットも同じ様な作りですしプロデューサーからバックのミュージシャンも同じメンバーです。そして出来上がった極上のアルバムは逆にフィービィの持っている持ち味を上手く出し切っていない様な気がするのです。私にはフィルの作り出したコンセプトに彼女が合わせて行った様に思えてしまいます。ポール・サイモンは彼の今までの経験からでしょう、上手く距離を取り、彼らしさを醸し出したアルバムにまとめ上げる事が出来ましたが、デビューから2枚目であり前作から時間の開いてしまった彼女には少し荷が重たかったのかも知れません。
何度も言いますがアルバムとしての完成度はとても高いと思います。完成度と言う意味合いで言えば、私の聴いた彼女のアルバムの中でトップにあげても良いと思います。しかしここでの彼女は素晴らしい香りを漂わせるボーカリストに過ぎないように感じてしまいます。
このアルバムジャケットには、沢山の人たちへの感謝の言葉が書き込まれています。アルバムが出せた事自体が彼女にとって何よりもの幸せだったのでしょう。このアルバムから伝わってくる彼女の感情が感謝の気持ちだけなのが、完成度が高いだけに少し残念にも感じてしまいます。
個人的に嬉しい事は、大好きなミュージカルPorgy And Bessの挿入歌がアルバムの最後に歌われている事です。ヴァレリーの誕生や2枚目が出せた事によって、彼女はこれからの自分の道が少しだけ確かな形として見えてきた事を示す曲の様に感じます。
しかし彼女はソングライターで有りながら人の作った曲を上手に歌える不思議な人ですね。
Second Childhood
Phoebe Snow
1. Two Fisted Love
2.Cash In
3.Inspired Insanity
4.No Regrets
5.Sweet Disposition
6.All Over
7.Isn’t It A Shame
8.Goin’ Down For The Third Time
9.Pre-Dawn Imagination
10.There’s A Boat That’s Leavin’
Soon For New York
Produced by Phil Ramone
[1976]
Phoebe Snow
Second Childhood
Paul Simon
Still Crazy After All These Years
