泣きだしたくなるくらい優しい歌声 | ここから見に来て。[旧Quem tudo quer, tudo perde.]

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ここは音楽のBlogでした。実際には節操無く何でも有りましたが、アメブロと相性が悪いようなので、他に書く事にしました。出来ればそちらを、よろしくお願いします。


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フィービ・スノウ、本名をフィービ・ロウブと言います。黒人とユダヤ人の血が流れるニューヨーク生まれの彼女は、熱心なジャズ・ファンの父親とウディ・ガスリーのグループにいた事の有る母親の間に1952年に生まれました。生い立ちから既にジャズとフォークが混ざり合っていたと言う事が、彼女の作り出す音楽を聴きながら考えると、とても面白いと思います。

初めて彼女の声を聞いたのはポール・サイモンのアルバムででした。始めのイメージは「変なビブラートがかかった不思議な声」、あまり良いイメージでは有りませんでした。ところがこのポール・サイモンのアルバムが大好きで何度も何度も聴いているうちに彼女にも興味を持ち出し、とうとうアルバムを買ってしまう事になりました。それが彼女の1stアルバムでした。その独特のうねりを持ったビブラートの声に身をまかせた時の不思議な浮遊感と開放感は、あまりにも心地良いものです。

彼女の歌声をどんな言葉で表現すればわかってもらえるのでしょうか。あえて言わせて貰えれば『泣きだしたくなる様な優しさ』、そんな感じがします。

このアルバムは彼女の1stアルバムでレオン・ラッセルやJ.J.ケイルの居るシェルター・レコードと言うレーベルから販売されました。そのせいか「ブルースの妖精」と言うのが彼女の日本での売り言葉でした。
アルバムを聴いたイメージはもう少しフォークに近い感じがします。バックのサポートにJAZZのプレイヤーが居る事やBluesとタイトルに付く曲が2曲有り、爽やかなブレンド感がこのアルバムから感じられます。

全体的にバライティに富んでいるとは言い難い抑揚の少ないアルバムですが、CD化に際して付いたボーナス・トラックまで一曲として駄作の無いアルバムになっています。ほとんど自作の曲ですが2曲は他の人の曲になっています。

1曲目に入っているGood Timesはサム・クックの曲でR&Bの古典と言っても良いでしょうし、5曲目もフォークの古典として色々な人が取り上げています。彼女自身も何度もステージで歌って来たのでしょう。他の自作の曲とも全く違和感なくアルバムの雰囲気を壊すどころかアルバムのイメージを象徴するような仕上がりになっています。

このアルバムだけは親友である亡きチャーリーに捧げられています。彼女のアルバムは2枚目以降は全て彼女の愛娘であるヴァレリーに捧げられている事を考えると、彼女の心の中ではこのアルバムは、これ以降のアルバムとでは少しだけ違う気持ちをもったアルバムなのかも知れません。


数年ほど前に友人のZakにこのアルバムを聞かせました。彼の実家からサンフランシスコまで近いのでネタ振り程度のつもりだったのですが、いたく感動してしまいアメリカに戻った後にお店を回って、手に入る限りの彼女のアルバムをお母さんとお父さんの結婚記念日にプレゼントしたそうです。二人ともとても喜んでいたと感謝されました。





Phoebe Snow
Phoebe Snow


1.Good Times
2.Harpo’s Blues
3.Poetry Man
4.Either Or Both
5.San Francisco Bay Blues
6.I Don’t Want The Night To End
7.Take Your Children Home
8.It Must Be Sunday
9.No Show Tonight

10.Easy Street
(Bonus Track)

[1974]

Produced by Dino Airali
Co-Produced and Engineered
by Phil Ramone