It Looks Like Snow
Phoebe Snow
1.Autobiography
(Shine,Shine,Shine)
2.Teach Me Tonight
3.Stand Up On The Rock
4.In My Girlish Days
5.Mercy On Those
6.Don’t Let Me Down
7.Drink Up The Melody
(Bite The Dust,Blues)
8.Fat Chance
9.My Faith Is Blind
10.Shakey Ground
Produced by
David Rubinson and Friends, Inc.
[1976]
フィービ・スノウの3rdアルバムであるこのアルバムは1976年の終わり頃に発売されました。前回が2年間もの間があいたのを考えると、とても早いリリースになりました。
プロデューサーの所を見ると不思議な感じがします。『デヴィッド・ルービンソンと友人達の会社』と言えば良いのでしょうか、こんな記入の仕方は彼のプロデュースしたアルバム以外では見た事が有りません。しかし彼のプロデュースの考え方が少し表れているような気がします。そして、そんなスタイルがこのアルバム全体からも感じるような気がします。
David Rubinson and Friends, Inc.と言う名前が見られるアルバムを何枚かあげて見ます。
『New Directions/ネヴィル・ブラザース』『ヘッド・ハンタース、Feets Don't Fail Me Now/ハービー・ハンコック』『MAGICAL SHEPHERD/ミロスラフ・ヴィトウス』『BUTTERFLY/KIMIKO KASAI』『TROPICO/ガトー・バルビエリ』
その他にサンタナやポインター・シスターズのアルバムにも関わりを持っているようです。ジャズからソウル・ラテン系の音が得意の人のようです。
プロデューサーのカラーが今回のアルバムからは明らかに感じられます。同じ様にJAZZのプレイヤーを使った前作のフィルとは考え方や方法が違っています。私は今回のタイプの方が彼女には合っている様に感じます。一つ一つ細やかな所へ気を配り全体を構築していくフィルのようなタイプよりもっと大らかにアルバム全体の流れの中で個人の特徴を引き出しているように感じます。
録音をニューヨークからサンフランシスコへ移した事やバックのメンバーにレイ・パーカーJr.やアンディ・ナレルなどのソウルやラテンのミュージシャンがいる事も彼女のノリで聴かせる部分にはプラスになっていると思います。
また、ソングライターと言うイメージがボーカリストのイメージと同じくらい強かった彼女ですが、このアルバムでは選曲でももう少し広く捉えているようです。全10曲の内で彼女一人での作品が3曲、共作が3曲、そして他の人の作品が4曲となっています。前作との間が短いせいも有るのでしょうが、バラエティに富んだ事と負担が減った事がとても良い方向に向かったと思います。
今回のアルバムは、前作よりももっとファンキーにもっとソウルフルにと、アルバム全体が躍動感に満ち溢れています。アルバム全体を覆う様なグルーヴ感が彼女の人の心を包み込むような感性とピッタリとマッチし、彼女が将来をもっと希望を持って望もうとしている事が、まるで聴く側自身の望むべき希望の様に感じさせられるほど強く心に伝わってきます。どんなに悲しい内容の歌でも希望の芽を植え付けてくれているのです。歌う事の喜びが、このアルバムの中にはギッシリと詰まっています。聴いているうちに一緒に鼻歌を歌っている自分がいたりします(笑)。
このアルバムで彼女は、コントロールした感情を歌の中に織り込む事が出来るようになったと思います。オールド・ジャズのティーチ・ミー・トゥナイトやビートルズのドント・レット・ミー・ダウンなどの他人の作品も今まで以上に自分のものにしていると思います。次作品でまたフィルと組む事になるのですが、そこでの彼女はこのアルバムで大きなものを得た後の前回とは比べようも無いほどの成長した彼女が存在しています。完成する前の自由奔放な部分と完成されだした部分の混ざった、少女から大人への変化の過程にいるような魅力をもった彼女がこのアルバムの中にはいます。
実際には一児の母なんですけどね(笑)。
Phoebe Snow
It Looks Like Snow