Wilderness / Tony Williams
Tony Williams, Drums
Michael Brecker, t sax / Herbie Hancock, Piano
Pat Metheny, Lyle Workman, Guiter / Stanley Clarke Bass
& Orchestra
Recorded December 1995
Tony Williamsと言う人は不思議な人だ。
メインストリート・ジャズをやらせれば超一流なのに
何かと色々な事をやりたがる。
それでいて何をやっても普通以上の事をやってしまう。
天才と呼ばれ続けた人は、
何処までも進化しようとしているのか。
それとも天才ゆえの気まぐれなのかな。
1995年の冬に録音され1996年に発表された
Wildernessを聴いている。
ブレッカー、クラーク、ハービー、メセニー
と言う超豪華メンバーでの録音だ。
元々組み曲風のものが好きな人で、
オマケにハード・ロックのアルバムまで作ってしまう彼は
今回オーケストラを全面的にフィーチャーした
プログレ風のアルバムを作ってしまった。
アルバムの第一のキーワードはタイトルの『Wilderness』。
13曲中6曲のタイトルにこの単語が入ってきます。
そしてもう一つのキーワードは『地名』だと思います。
Machu Picchu, GambiaそしてChinaは3曲のタイトルに使われ
正確な地名では有りませんが、
他にもHarlem, Town, Road, Islandなどが使われています。
直接的に感情や曲調をあらわす単語を使わずに
土地や風景を現す単語を使う事によって
心象風景の様なものを表現しようとしたのではないかと思います。
このアルバムでは4ビートを叩いていません。
1曲目では演奏自体していないのです。
組曲風で4ビートを叩かず、
バックにオーケストラを配して作られたアルバムは
JAZZ的技法を表面的には使わず作ってしまった
JAZZのアルバムなのだと思います。
勿論ウェザー・リポートをフュージョンと呼ぶのなら
このアルバムもフュージョンなのでしょうが。
JAZZもRockもBluesを根底に持っている以上
それらの音楽には近い部分が必ず有る。
彼にとってそんな事はどうでも良いのだろう。
ここに来て彼はまだJAZZと言われる枠組みを
広げようとしているのだ。
1945年12月生まれの彼は、この時50歳。
そして14ヵ月後に亡くなる事を付け加えておこう。