Mingus Plays Piano (Spontaneous Compositions and Improvisations)
Charles Mingus, solo piano
Recorded on July 30, 1963 at RCA Studios, New York City
ミンガスと言うと何故か「怒り」だとか「反発」だとか
「社会的」「黒人差別」なんかが初めに話される。
全く持って三面記事の世界だと思う。
誰だってポリシーは有るし怒れる時もある。
それをメインに掲げられた事を
ミンガスは一番怒るんだと思うんだけどね。
ミンガスのピアノ・ソロを聴いている。
1963年にNew Yorkで録音したものだ。
彼らしさがとても出ている演奏だと思う。
技術が高いわけではないが味がある。
暖かくてどこかアンニュイな感じ。
凄く雰囲気の良い演奏だ。
『怒り』とか『闘争』のようなイメージを持つ人は、
是非ともこのアルバムを聴いて欲しい。
勿論他のアルバムでも気がつく人は気がつくとは思うけど、
彼の音楽性の深さがストレートに伝わってくる。
本当はとてもナイーブでセンチメンタルな人だと思う。
ミンガスはデューク・エリントンに憧れていた。
実際デューク・エリントンのピアノは打楽器的ですら有る。
ミンガスのベース・プレイは正しく
デュークのピアノのベース化ではなかろうか。
そしてプレイヤーとしてだけではなく、
音楽家として尊敬し憧れていたのは、
ミンガスのアルバムの数々を聴けば納得できると思う。
副題のSpontaneous Compositions and Improvisationsを直訳すると
『自発的な構成および即興』となる。
それは正しく彼が求め続けたものではないだろうか?
そして、このピアノ・ソロは、デュークのピアノプレイではなく、
音楽性をピアノに置き換えたものなんだろう。
デューク・エリントンを愛した彼が、
彼自身の方法論でデュークも目指した一つの形なのだ。
だからこそ、逆にミンガスらしさになって、こちらに響いてくる。
照れ屋の彼が、このアルバムの中で
それらの本心が表に出ているのを隠さずにいる。
何か有ったのかな?