『狂った人』さ、『狂うJAZZ』じゃないよ。 | ここから見に来て。[旧Quem tudo quer, tudo perde.]

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ここは音楽のBlogでした。実際には節操無く何でも有りましたが、アメブロと相性が悪いようなので、他に書く事にしました。出来ればそちらを、よろしくお願いします。

Harlem Blues / Phineas Newborn Jr.

Phineas Newborn Jr.,Piano / Ray Brown,Bass / Elvin Jones,Drums

Recorded February 12 and 13, 1969, Los Angeles


創造するって事は随分プレッシャーのかかる事。自分で自分を追い込んでしまうんでしょうね。
薬や酒に逃げる事の出来る人は、正常な状態で居る事を自分で拒否しただけだから考えようによっては正常の延長上に存在しているともとれる。
でも彼のように医者の診断書付きの人の演奏は・・・う~ん、どう受け取ればいいんだろうね。

今夜、流れているのはPhineas Newborn Jr.のHarlem Bluesと言う1969年に録音されたTrioでのアルバム。形としては「プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラヴ」と言うアルバムのアウトテイクと言うことになると思います。
このアルバムは録音から6年ほどして日本だけで発表されました。これに関しては日本のJAZZ誌やレコード会社の皆さんの尽力のお陰らしいのです。素直に感謝したいです。

彼は天才的な技術を持ちながらも狂気に蝕まれた為に一般的に有名にはなれなかったピアニスト。
確かにあまりにもの上手さと力強さに聴いていても、時々背筋が凍るような時が有る。
彼を示すときにオスカー・ピーターソンが引き合いに出されますが、指先の強さや速さはフィニアスの方が上だと思います。流暢な流れで速く正確に、となるとピーターソンかな。

アタックが綺麗で一音一音がシッカリと耳に入ってくるので、目の前で演奏している姿が浮かぶようなのは、私の聴いているCDが国内盤の20bit K2と言う仕様のせいかもしれません。
他の輸入盤を続けて聴くとこのアルバムと同じ仕様で聴きたくなります。

彼のように自己完結してしまう事の出来る素晴らしい演奏家でも、やはりJAZZの醍醐味として聴くとなるとドラムとベースと言う相方が欲しくなります。Trioに成る事によって、彼の演奏がより魅力的に響いてきます。ただ逆に管楽器などは必要を感じません。彼の演奏自体が拒絶しているようにも感じます。ウィズ・ストリングス等はまた別の意味合いを持ってきますが、個人的にはトリオでの演奏が一番好きです。

彼の演奏に感情移入できるかと言うと少々悩んでしまいます。やはりどこかしらこちら側を拒絶しているような部分が感じられるのです。
少し前に彼について日記に書いた事があります。それが彼についての自分の正直な気持ちだと今でも思うので、最後に書き加えておきたいと思います。


ブラウニーの持つ才能の中から湧き出てくる様な狂気と違って、
正しく精神の崩壊した人間から感じられる
自分で自分をコントロール出来ない方の狂気だから手に負えない。
憧れる事も出来ないしのめり込む事も許されない。
人間何事も適度が一番と言うことかな(笑)。
しかし演奏は本当に素晴らしい。