1956年全米1位(カントリー&ウェスタンチャート及びR&Bチャートでも1位となった「三冠王」)、全英2位。"Don't Be Cruel" との両A面でリリースされ、アメリカでは11週連続 No.1(この記録を破ったのは、1992年に13週間連続1位となった Boyz II Men の "End Of The Road")となって500万枚以上を売り上げ、全世界では1000万枚を超えるセールスを達成しました。オリジナルは Big Mama Thornton で、Elvis は彼女のバージョンを知っていたのですが、彼がこの曲をカバーしようと思ったのは、Freddie Bell & The Bellboys によるパロディを聴いたことによるとのこと(ラスヴェガスでのショーに出演した Presley 一行が夜のヴェガスに繰り出し、当時「街で最もホットな」アクトだった Freddie Bell & The Bellboys のショーを見て、この曲をやろうと思った)。しかし当初は、ライヴやテレビで歌うだけで、レコードにするつもりはなかったのですが、レコード化を望むファンの声が高まったため、レコード会社の説得に応じてレコーディングしたということです。ちなみに、"Don't Be Cruel/Hound Dog" に代わって全米 No.1 となったのは、Elvis の "Love Me Tender"

 

 

こちらが Freddie Bell & The Bellboys のバージョン。

 

 

そして John Lennon の1972年のマジソンスクウェアガーデンでのパフォーマンス。

 

 

ヨーコが被ってるヘルメットが時代を感じさせるな。それにしても、カオスだな(笑)。なお、Beatles はデビュー前にこの曲をライヴでよく演奏していたのですが、残念ながら録音は残っていないとのこと。

 

さらに Eric Clapton によるカバー。

 

 

最後にオリジナル。

 

 

1953年R&Bチャートで1位。正直、これが一番いいな(Clapton も彼女のバージョンをカバーしてるし・・・もちろん、Elvis のバージョンも、カラオケで歌うほど(笑)大好きなんだけど)。この曲を Jerry Leiber と共作した Mike Stroller は、ヨーロッパへの新婚旅行からの帰りに、乗っていた船が他の船と衝突事故を起こして沈没するという奇禍に遭い、救命ボートに乗っていたところを救助されて九死に一生を得ます。そして、ニューヨークに到着すると、出迎えに来た Leiber から、「"Hound Dog" が大ヒットしてるぜ」と聞いて、「ビッグ・ママの?」と尋ねたところ、その答えは「いや、白人のエルヴィス・プレスリーっていうヤツ」。そこで、彼のレコードを聴いたら、「滅茶苦茶ナーバスだし、テンポが速すぎるし、白人っぽすぎるんで、がっかりしたんだ。だけど、700万枚だか800万枚売れた後は、イイ感じに聴こえるようになったよ」(笑)。その後、Leiber - Stroller のコンビは、Elvis に "Jailhouse Rock" "Love Me" "Don't" などの曲を提供することになります。