1956年、"Don't Be Cruel/Hound Dog" に代わって全米1位となり、Elvis Presley は同一アーティストが間を置かずに2曲続けて No.1 を獲得するという史上初の記録を達成しました(その後この記録は Beatles の3曲連続 No.1 によって破られた)。さらに、カナダでも1位、オーストラリアで6位、イギリスで11位。原曲は南北戦争時に作られた "Aura Lea"(中学のとき、『基礎英語』(NHKラジオ)の英語の歌コーナーで取り上げられて歌ってたっけ(笑))。この曲は Presley が銀幕デビューを果たした同名映画(邦題『やさしく愛して』)のタイトル曲ですが、シングルの発売直前(映画公開の約1か月前)に Presley がエド・サリヴァン・ショーでこの曲を披露したところ注文が殺到し、予約だけで100万枚に達したため、映画会社は映画のタイトルを当初の『The Reno Brothers』から『Love Me Tender』に変更したということです。

 

 

エド・サリヴァン・ショーの映像はこちら。

 

 

原曲の "Aura Lea" もエド・サリヴァン・ショーから。

 

 

ただし、私はこの方を存じ上げません(笑)。

 

さらに、Presley の除隊後初のテレビ出演となった『The Frank Sinatra Timex Show: Welcome Back Elvis』(1960年)でのパフォーマンス。

 

 

Sinatra が "Love Me Tender"、Presley が "Witchcraft" と、お互いに相手のヒット曲を歌っています。なお、この番組の視聴率は41.5%を記録したそうです。

 

他にも数多のカバーがありますが、少々意外なところを。まずは Godfather of Soul から King of Rock and Roll へのトリビュート。

 


続いて Jim Morrison によるカバー。

 

 

意外ついでに、永井荷風の『断腸亭日乗』の昭和32年4月25日の条には「細雨。正午浅草。食事の後松竹座に米映画『やさしく愛して』Love me tender其他を見る。」とあります。荷風がどのような感想を抱いたのか興味深いところですが、残念ながらそれ以上の記載はありません。