1975年全米1位(イージーリスニングチャートでも1位)をはじめとして、カナダとオーストラリアでも1位、イギリスとアイルランドでは2位、西ドイツ、スイス、ニュージーランドでトップ10入りし、日本でもオリコンの総合チャートで11位、洋楽チャートとオールジャパンポップ20では1位となった大ヒット曲。Carpenters にとっては、3曲目にして最後の全米 No.1 かつミリオンセラーに輝いたナンバーです。オリジナルは Marvelettes で、こちらも全米 No.1 を獲得しており、オリジナルとカバーの双方が全米 No.1 というレアな記録(Steve Lawrence と Donny Osmond の "Go Away Little Girl"、Little Eva と Grand Funk Railroad の "The Loco-Motion" に次いで3例目)を作りました。ただし、Richard Carpenter は、後に、この曲をカバーしなければよかったと述べていて(その理由は、この曲をカバーした時点では既にオールディーズをカバーすることは卒業しているべきであったということ)、どうも後悔しているようです。

 

 

Marvelettes のオリジナル。

 

 

1961年全米1位。最初に全米 No.1 を獲得した Motown ナンバーがこれ。なお、ドラムスは Marvin Gaye です。

 

最後はもちろん(笑)。

 

 

Carpenters が聴いていたのは Beatles のカバーバージョンの方。彼らは1962年からこの曲をセットリストに入れていて、セカンドアルバム "With The Beatles" に収録したのですが、所属レコード会社の Parlophone の親会社である EMI が Motown のイギリスにおける販売権を得たことから、そのプロモーションという意味合いもあって、"You Really Got A Hold On Me" と "Money"(どちらも Motown ナンバー) と合わせて同アルバムに入れることにしたという「大人の事情」もあったようです(これに対し、Motown の総帥 Berry Gordy は、Beatles が Motown の曲をレコーディングしてくれるということに大喜びで、印税の料率を下げたという説があるが、"With The Beatles" がレコーディングされた1963年当時、Beatles はまだアメリカではほとんど無名の存在だったことを考えると、マユツバくさい)。なお、この曲は、イギリスでもアメリカでもシングルカットされていませんが、日本ではシングルカットされてヒットしました(その他、カナダとスウェーデンで、シングル "Roll Over Beethoven" のB面としてリリースされた)。

 

 

両面 Motown で固めていたのか。