今週の見通し

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谷本　憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定（貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員

＜今週の予定＞
・19日：米民主党全国大会(シカゴ)(～22日)
・20日：満月
・21日：FOMC議事録
・22日：カンザスシティー連銀主催年次シンポジウム(～24日)
・23日：パウエルFRB議長講演

＜CFTC建玉明細＞
金

Date	大口投機玉	前週比	NY金(＄)
07/30	246,601	-26,473	2,451.90
08/06	238,749	-7,852	2,431.60
08/13	267,264	28,515	2,507.80

(直近3週間)

右軸：大口投機玉買い越し

8月13日終了時点のNY金大口投機玉の買い越しは267,264枚。
前の週と比べ、28,515枚買い越しが増えました。
一時2,400ドル近辺にまで下落したのちに2,507ドルまで戻した週、買い玉が増加しました。

白金

Date	大口投機玉	前週比	NY白金(＄)
07/30	14,314	2,106	971.00
08/06	10,291	-4,023	920.20
08/13	11,939	1,648	945.90

(直近3週間)

右軸：大口投機玉買い越し

8月13日終了時点のNY白金大口投機玉の買い越しは11,939枚。
前の週と比べ、1,648枚買い越しが増えました。
913ドルまで下落したのちに持ち直した週、多くはありませんが買い玉が増えました。

CFTCとは”US. Commodity Futures Trading Commission”の略で、米商品先物取引委員会のこと。各取引所の建玉明細を開示することを義務付けており、毎週金曜日引け後にその週の火曜日時点の参加者別建玉明細”Commitments of Traders”を公表している。

＜今週の見通し＞
本日より、イリノイ州シカゴにて米民主党大会が始まります。

民主党大会、19日開幕
米民主党の全国大会が19日、イリノイ州シカゴで開幕する。期間中、大統領候補に指名されたハリス副大統領や再選を断念したバイデン大統領が演説する。(時事通信)

民主党候補のハリス氏は、先週末の講演のなかで初めて経済対策を打ち出しました。

【米大統領選2024】新築住宅促進、食品の便乗値上げ規制……ハリス副大統領、経済公約示す
11月のアメリカ大統領選に向けて、民主党のカマラ・ハリス副大統領は16日、経済政策を主題とした演説を初めて行い、数百万棟規模の住宅新築促進や持ち家取得の支援、食料品の便乗値上げ規制、医療費借金の帳消し、子供税額控除などを公約として掲げた。(BBC)

新規の住宅取得に対し2万5千ドル支給するなど、バイデン政権の経済対策を継承しています。
CNNは「物資不足を引き起こす」として、ハリス氏による経済対策を非難しています。
党大会でのハリス氏による発言によっては、インフレ再加速が警戒されます。

また和平交渉の進展が期待されていた中東情勢ですが、再び混迷を極めています。

ハマスが停戦案拒否　イスラエル軍のガザ駐留に難色か
パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡る停戦協議について、イスラム組織ハマスは調停案を受け入れないと明らかにした。AFP通信が伝えた。イスラエルとハマスはこれまでに何度も停戦協議に臨み、合意に至っていない。交渉は難航する可能性が高い。(17日付日本経済新聞)

改善されつつあった市場センチメントですが、水を差すことになるかもしれません。
なおイスラエルは米国の新提案については「慎重ながら楽観」と表明、協議が再開する18日以降の動向が注目されています。

再度リスク回避の流れになると警戒されるのが、円相場の行方です。

ヘッジファンド、円の買い越しに転換－キャリトレ解消で3年ぶり
選好されてきた円トレードが、外国為替市場の急変動で巻き戻しを余儀なくされる中で、ヘッジファンドの円ポジションが2021年以降で初めて強気に転じた。
米商品先物取引委員会(CFTC)が16日発表した13日終了週の建玉(未決済約定)報告によれば、投機筋のポジションは、円の売り越しから買い越しに転換した。7月初めの段階で極端にネガティブだったセンチメントが急速に改善された。
CFTCの報告によると、レバレッジドファンドの円のネットロングは86枚(約700万ドル相当)に増加。円の売り越しが約2万枚だった6日終了週から一変した。7月初め以降、これらのトレーダーの弱気センチメントが後退する様子がCFTCのデータに反映されている。
日本銀行が利上げを継続するとの観測に絡み円相場が反発した後、ポジショニングが変化した。その後、日銀当局者が沈静化を促す発言を行ったが、相場の急変動に見舞われた投資家は、低金利通貨の円で借り入れ、国外の高利回り資産に投じるキャリートレードを解消せざるを得なくなった。
円の対ドル相場の上昇率は7月初め以降で約9%と、他のG10通貨をアウトパフォームしている。(ブルームバーグ)