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谷本 憲彦
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パウエル議長のインフレ対策を批判-1970年代を知るカウフマン氏
ヘンリー・カウフマン氏は、1970年代の狂乱物価と現在の警戒すべき物価上昇について米ウォール街で権威を持って比較検証することができる数少ない1人だ。そのベテランが、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる今の金融当局がインフレとの闘いで準備ができているとは全く信じられないと話す。
カウフマン氏はかつて「ドクター・ドゥーム(悲観博士)」の異名で知られるソロモン・ブラザーズの著名チーフエコノミストだった。同氏は破壊的な物価高騰の到来を正確に予言し、当時のボルカーFRB議長が1979年10月のある週末に「サタデー・ナイト・スペシャル」と後に呼ばれる抜本的かつ想定外の引き締め策を打ち出した際には賛意を示した。
そんなカウフマン氏にとって、パウエル議長は故ボルカー氏とは程遠い存在に映る。
「今のFRBとその首脳陣に断固たる態度で行動するスタミナがあるとは思えない。彼らは小出しの対応となるだろう」と、カウフマン氏(94)は電話インタビューで語った。
その上で、「市場の態度をもっとインフレ的でないものにするには、ショックを与えなければならない。少しずつの利上げで済むというわけにはいかない」とコメントした。
パウエル議長は11日の上院銀行委員会での指名承認公聴会で、当局の政策を正常に回帰させていく「道のりは遠い」と述べ、インフレ抑制でもっと積極的な措置が必要になることはないとの見解を示した。
パウエル議長は緩和策の縮小・解除の計画について、雇用情勢にマイナスの影響を及ぼすことはないだろうと述べており、失業率の急激な悪化を招くことになったボルカー議長時代の引き締めとは対照的だ。
カウフマン氏はパウエル議長に助言するとすれば、まず短期金利を直ちに0.5ポイント引き上げるとともに、追加利上げの用意についても明確なシグナルを発し、「極めて厳しい」態度で臨むよう呼び掛けるだろうと指摘。物価のスパイラル的上昇を阻止するためあらゆる措置を講じるとのコミットメントを明文化する必要もあると述べた。
「米金融当局が高インフレに取り組むのが長引けば、民間セクターではインフレ心理が一段と定着し、システムにさらなるショックを与えなければならないだろう」とカウフマン氏は語った。
カウフマン氏の見解では、パウエル議長は2021年を通じて主に2つのミスを犯した。一つめはインフレの一因を新型コロナウイルス禍の「計測不可能」な直接的および間接的な影響に帰したことで、もう一つはそれを一過性と呼んだことだという。
「一過性という表現を用いるのは危険だ。一過性と言った瞬間、多少のインフレは容認するつもりであることを意味する」とし、それは経済と金融の安定を維持して「適度かつインフレなき成長」を達成するという金融当局の役割を損ねることになるとカウフマン氏は論じた。(1月14日ブルームバーグ) |
「ドクター・ドゥーム(悲観博士)」ことヘンリー・カウフマン氏は、御年94歳!
かつてはソロモン・ブラザースのチーフエコノミストを務め、現在もウォール街の住人であるカウフマン氏が、パウエルFRB議長のインフレ対策を批判しています。
冒頭に記されているように、同じく1970〜80年代のインフレを退治したボルカーFRB議長と比べ、パウエル氏には物足りなさを感じているようです。
ポール・アドルフ・ボルカー・ジュニア
アメリカ合衆国の経済学者。カーター、レーガン政権下(1979年 - 1987年)で第12代連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めた。ロンドン大学スクール・オブ・エコノミクスフェロー。FRB議長として、アメリカを襲っていた高インフレに対処するため、政策金利を大幅に引き上げインフレを封じ込めた功績で知られる。
ベトナム戦争や当時「一人勝ち」と言われたアメリカ経済における社会保障費用を賄うため、米金融当局は紙幣印刷で乗り切ろうとしました。
結果未曽有のインフレを引き起こし、インフレを退治するためFRB議長に就任したのがボルカー氏です。
議長に就任したのが1979年8月、10月6日(土)の「緊急会合」にて発表された金融政策が「サタデー・ナイト・スペシャル」でした。
金融政策ターゲットをFF金利から通貨供給量(マネーサプライ)に変更したもので、抜本的な引き締め策ではありましたが、FF金利の乱高下も引き起こしています。
結果FF金利は20%に達し、GDPは3%以上低下。
失業率も11%にまで跳ね上がり、広く国民より抗議を受けることとなりました。
いわゆる「ボルカー・ショック」です。
カーター政権が一期で終わった原因とも言われていますが、ともかくインフレ率を3%程度にまで鎮圧することに成功しています。
ここまでやらないと、インフレを抑え込むことは出来ないのではないか。
パウエル氏の「小出し」政策が、カウフマン氏にとっては物足りないのでしょう。



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