市場から与えられる様々な数字を受け、当サイトは日々足したり引いたり掛けたり割ったりしながら、なんとか市場動向を探るよい組み合わせはないか検討しています。
古くは金銀比価(GSR)に始まり、こちらは当サイト朝更新時に貴金属コーナーにて紹介しています。
「景気拡大期には金が売られ銀が買われる、反対に後退期には金が買われ銀が売られる」ことを利用し、NY金/銀の推移から株価動向を探るというものです。
NY金銀比価は80を越えると株価危険水域と言われていましたが、最近は金価格が株と同じの動きをするため、やや形骸化しています。
そこで次にスポットを当てたのが、NY金原油比価です。
なんといっても商品市場の2大看板で、取組が桁違いです(原油200万枚超、金70万枚)。
NY金原油比価はNY金÷NY原油の値で、数値が大きいと「金割高原油割安」、小さいとその逆です。
1992年以降のNY金原油比価月足を掲載しましたが、この27年間は6~37で推移しました。
最大は2016年2月の36.56(金1,233.90ドル、原油33.75ドル)、最小は2005年8月の6.29(金433.80ドル、原油68.94ドル)です。
NY金原油比価にダウを重ねてみると、こんなかんじです。
逆相関の時期もあれば、緩和相場入り後は順相関になるなど、その時々で違うようです。
米債利回りはどうでしょう。
(右軸:米10年債利回り 上下逆注意)
こちらは割と相関性が見られており、長い目で見ると低金利の終了も予想されます。
日足で見ると、こんなかんじです。
先月29日金曜日(日本30日朝)入電分が、NY金変わらずNY原油2.94ドル安でした。
NY金/原油が、前日25.14から26.69へと急伸しました。
当サイトが注目するのは、その日付。
原油に対し金が割高になるサイクルが今のところ確認されており、今年8月以降で8月7日(29.74)、9月3日(28.85)、10月3日(28.86)、10月31日(27.96)、そして今回が11月29日(26.69)となっています。
つまり約1ヶ月サイクル、月末月初に金原油比価のピークが来ていることが考えられます。
となると今後、仮にどちらも上昇すると原油の方がより上がりやすく、どちらも下がると金の方がより下がりやすくなると言えそうです。
(右軸:ダウ 上下逆注意)
(右軸:米10年債利回り 上下逆注意)
ダウが再び上昇に回帰するのか、米債利回りが上昇するか。
NY金原油比価ともども注目していただければ幸いです。
お読みいただき、本当にありがとうございます。
清き1票をよろしくお願いいたします。
お問い合わせ Tel:06-6267-2761(平日08:00~17:00)
日本フィナンシャルセキュリティーズ㈱ 谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員