ロシア制裁が続く限り、パラジウムは上昇を続ける | 浪風谷本

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パラジウムとは?

・元素記号:Pd、元素番号:46

・融点が1,522度と比較的低く、加工が容易

・他の金属との合金が容易

・空気中、水中で酸化しない

・耐蝕性、触媒作用を有する

供給

「GFMS PLATINUM GROUP METALS SURVEY 2017」によると、2016年の鉱山生産量は、ロシア78.6トン、南ア76.8トンで、2カ国で世界全体生産量の8割を占める

需要

加工しやすく、酸化しにくいなどの利点から、9割が工業用需要

 

スポット市場では昨年12月5日に16年ぶり逆転が見られたパラジウムと金ですが、昨晩のNY市場で期近終値ベースでは初となるパラジウム上ザヤとなりました。

 

2018年12月6日付日経新聞

5日のパラジウムのスポット価格は一時、1トロイオンス1263.56ドルまで上昇した。8月中旬に付けた安値から約5割上昇した。一方、金価格は同1235ドル前後で取引された。ロイター通信によると、パラジウムと金のスポット価格が逆転するのは2002年以来という。

 

当然NY白金とのサヤも拡大を続けており、ついに価格差が500ドルを越えました(510.60ドル)。

 

 

同じ白金族とはいえ、こうなれば別物ですね。

ここまで価格が高騰した要因の一つとして、ロシア制裁によるパラジウムの流通懸念があります。

元々パラジウムは供給元が限られているうえ、他の金属の副産物として産出されるため、大幅な増産は見込めません。

加えて世界第一位の生産を誇るロシアが現在制裁を加えられており、同国からのパラジウム供給に懸念が出ていると考えられます。

NYも東京も逆ザヤ状態が続いており、供給不足の表れといえます。

以前書きました「銀の木曜日」とは違います。

1月8日に「CFTC再開が待ち遠しい」を更新しましたが、前日7日に77円上昇したことを受けての更新でした。

本日の白金上昇も7日同様、パラジウムによる連れ高の要素もあるでしょう。

ますますCFTC再開が待ち遠しくなります。

 

 


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谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、農産物、オプション)、証券一種外務員