東京金2018年8月限 | 浪風谷本

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当サイトは平日20時過ぎに内部要因を更新していますが、そのとき東京金8月、12月限取組枚数もあわせてお伝えしています。

この2限月は突出して取組が多く、今後の相場動向に少なからず影響を及ぼすと考えるからです。

昨年も10月限や12月限取組の多さが目立ちましたが、このときは売り玉が多く捕まっていたことから、東京金は12月限指示日1週間前まで底堅く推移しました。

 

本日は「東京金2018年8月限取組」についてですが、取組は昨日時点で7,214枚となっています。

東京貴金属は納会の10営業日前までに決済をするか、受け渡しをするか指示しないといけません。

指示日まで残り2週間もありませんが、そのわりに取組が多すぎるのです。

以下は過去3年間の月初時点当限取組枚数です。

 

日付

限月

取組(枚)

2015.08.03

15/08

1,624

2015.10.01

15/10

2,230

2015.12.01

15/12

6,477

2016.02.01

16/02

5,317

2016.04.01

16/04

5,012

2016.06.01

16/06

3,638

2016.08.01

16/08

5,325

2016.10.03

16/10

3,967

2016.12.01

16/12

1,947

2017.02.01

17/02

4,461

2017.04.03

17/04

1,315

2017.06.01

17/06

1,317

2017.08.01

17/08

3,194

2017.10.02

17/10

4,732

2017.12.01

17/12

3,569

2018.02.01

18/02

1,717

2018.04.02

18/04

859

2018.06.01

18/06

2,695

2018.08.01

18/08

7,214

 

最高で2015年12月1日6,477枚ですから、今回8月限の多さがよく分かります。

参考までにこのときの一般投資家ポジションは43,733枚の買い越し(注:旧システム)でした。

2015年12月限の納会までの動きは、こんなかんじです。

 

 

旧システムなので指示日はなく、納会である12月22日前日時点で、2,548枚残っていました。

最終日は4,182円で終わっていますが、安値は4,072円でした。

納会まで希望をつないだものの、結局力尽きた典型でしょう。

 

誰もが不思議に思うことでしょうが(昨年9月の4,700円台で逃げそびれたのは仕方ないとして)、なぜ年明けの4,700円台で逃げなかったのか?

これについては想像するしかありませんが、結論から言うとこの8月限は6月限売りに対する両建という性格の強い限月だったということです。

8月限発会前夜(2017年8月28日夜)にジャクソンホールを経て東京金は急騰し、当時先限であった2018年6月限が前日に4,528円で引けていたのに、翌朝8月限は4,590円で発会してしまったのです。

ゆえに年明けの急騰場面でも8月限の買いを外すわけにはいかず、逆に2月から3月にかけての下落場面で6月限の売りだけが処分されてしまい、結果8月限の買い玉のみ残りました。

ということは現在8月限に残っている玉は、6月限がこれ以上上がってはまずいと思うタイミングでの買いで、且つ3月以降の上昇でも助からなかった玉といえます。

4月12日に瞬間高値4,676円を記録しましたが、この日の取組は前営業日比166枚減と少ないです。

4,676円でも助からないわけですから、8月限に残っている買い玉は大半が4,600円台後半以上と考えてよいでしょう。

以下は8月限発会以降の取組と当時の一般投資家ポジションになります。

 

 

4,700円から4,600円にかけて下落する場面で8月限の取組は急増し、年明けの高値場面で逃げた玉もあったでしょうが、基本的には降り損ねてしまったようです。

 

相場動向はトランプ大統領のツイッターや新興国通貨の動向などそれなりの材料で動くでしょうが、8月限に関しては買い方が不利と言わざるを得ません。

降りるか、それがイヤなら先限に移すか、何か対策を考えた方がよいと思います。

 

東京金2018年8月限納会は8月28日(火)、指示日はその10営業日前です。

お盆と重なるので、注意してください。

 

 


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谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、農産物、オプション)、証券一種外務員