本日より日銀金融政策決定会合が開かれており、明日正午前後に金融政策が公表されます。
大方の予想では政策変更ナシですが、市場では日銀黒田総裁による先月スイス・チューリッヒ大学での講演における「リバーサル・レート」発言が話題となっています。
「金利を引き下げると金融機関の収益が圧迫され、金融緩和の効果が減退する」というものです。
この発言以降日本の長期国債利回りが引き上げられるとの思惑や、株式や上場投信の買い入れ減額など出口戦略への警戒感が台頭しています。
講演が行われたのが11月13日で、ドル円はこのときの高値113円90銭を未だに抜けることが出来ません(ドル円12月の高値は12日の113円74銭)。
先日のドル高時に円安になりにくかったのは、このあたりが影響したかもしれませんね。
一方今月15日ブルームバーグ報道によると、今月4日の講演で黒田総裁は「現在の長短金利操作で金融システムに問題は生じていない」として、「リバーサル・レート」発言の火消しを図りました。
また追加緩和を求める片岡氏加わったことにより、日銀は市場との対話の修正を迫られているとのこと。
この報道が出た瞬間、やや円安方向に為替が動きました。
一連の流れから想像するに、様子見で「リバーサル・レート」とは言ってみたものの、市場の反応を見てやっぱ止めておこうとなったのでしょう。
さらにここに加わるのが、「日銀正副総裁任期」でしょうか。
白川前総裁が任期途中で退任したため、副総裁任期は来年3月19日、黒田総裁は4月8日まで。
今年7月に日銀審議委員が2名入れ替わり、全員が安倍政権再始動以降のメンバーとなります。
2012年当時の日経新聞を開くと、次期総裁候補として「浜田宏一」「竹中平蔵」「岩田規久男」「武藤敏郎」「岩田一政」「伊藤隆敏」「黒田東彦」「中原伸之」と実に8名の名前が挙がっていました。
現在で2~3名のお名前を拝見する程度でしょうから、黒田総裁続投も十分に考えられるでしょう。
となると年末の株式市場も黒田総裁にとってはアピールの場となり得るため、掉尾の一振も期待できそうです。
そして何より生鮮食品とエネルギーを除くコアCPIが前年比0.2%と低迷する現状から考えると、会合後会見でもこれまでの緩和姿勢維持をアピールする可能性も低くなさそうです。
ゆえに「リバーサル・レート」発言への警戒感が払しょくされた場合、先ほどの113円90銭を抜くことも可能になってくるわけです。
黒田サンタからのプレゼントとまではいかなくても、大納会へ向けてのラストスパートは期待できそうです。
※米上院は税制改革案を可決し、下院へ送付。
下院で再可決なら、トランプ大統領は日本時間明日朝3時から会見予定です。
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谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、オプション)、証券一種外務員
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