賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第317話『一失』感想 ~倒れた立て看板~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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今日中に映画化情報も語りたい所。
まず先に感想を更新します。

 

ちなみに、カイジ年表を更新しました。

https://ameblo.jp/fake-or-bluff/entry-12458560986.html

特に脱出編は日時を把握しづらいですから、展開の確認用としてご使用下さい。

 

 
前回、遠藤は満を持して実家へ踏み込みましたが、そこにカイジの姿は無し。
 
万全、盤石を積み重ねたはずの確保劇は不発に終わりました。
 
しかし昨夜アパートへと消えた謎のおばさんも、依然として姿を見せないまま。
遠藤としては、それまでの9日間の張り込みで確認できなかった為、そのおばさんが住民である線が薄いことは考察済みです。
 
カイジである可能性を捨てきれない以上、見張り体制を緩めるわけには行かないところ。
夜班は帰らせるとして、深夜班と昼班の二人は留まるように指示しました。
今後は常に4人で張り込むよう、シフトの作り直しを検討していると・・・
 
その時。
夜班、つまりおばさんに扮したカイジが昇降口へ消えて行く姿を見ている二人が口籠ります。
 
何と・・・既にそのおばさんは居ない可能性があるとのこと。
遠藤は疑わしい人物は出てきていないと否定しますが、二人は曇った表情のまま、唐突に謝罪しました。
 
その謎のおばさんが

・・・・・。
 
え?('Д')
 
嘘だろ・・・嘘だと言ってくれ・・・!
それは余りに・・・余りにも軽率すぎるだろ(◎_◎;)
 
確かに、二人は遠藤が来る直前までうたた寝状態だった描写がありましたが、ここに来て衝撃の事実だな。
幾ら下っ端とはいえ、帝愛のレベルが落ちたのでしょうか・・・( ノД`)
 
つまり、そのおばさんが所用を済ませてササっと帰っていた場合、この二人はその姿を見落としていた事になります。
その場合、昨晩から続いた厳戒態勢は絵に描いたような徒花。自己満足な茶番を演じていたようなものです。
 
遠藤は蒼白の事実に呆れるばかり。
怒りと同時に眩暈が襲います。
 
以前、遠藤は観察も洞察もしない、ただ突っ立っているだけの見張り態勢を指摘。
彼らを立て看板と揶揄していましたが・・・実態はそれ以下でした。
 
立て看板とは、そこに居るだけで一定の役割を果たすもの。
しかし・・・今回は、
およそ考えうる中で、これ以上に無益なモノがあるでしょうか・・・。
 
そこに在るという事実、存在が与える抑止力すら働いていなかった。
もはや居ないも同じ。
 
いや・・・むしろ最初から居ない方が、居なかった場合の対処が出来ただけ建設的な展開となっていた事でしょうね。
 
遠藤は最大限の皮肉を込めて芸術的とまで評しますが・・・
その時、
説教中に・・・アクビ・・・だと!?(;゚Д゚)
 
夜通し張り込むこと16時間、眠いのは確かでしょう。
しかし凄いな・・・流石に芸術的な男は違う。
 
この舐めた態度には、平静に努めていた遠藤もブチ切れ!
 
遠慮するな!
眠らせてやる!オレが永遠に!
確実な詰みへと向かっていたはずが、それは相手の王将無き将棋。
妙手を捻り出した所で、勝利することなど有り得ない幻想だったのか。
 
衝撃の告白により、遠藤としては一連の営為そのものを否定されてしまいました。
 

前回で一夜の攻防が終わったため、種明かしに入ることを期待していましたが・・・残念ながら進展の無い回でした。

 

遠藤がフルフェイスの男をスルーした事も含めて、このままでは余りにもお粗末な決着。

ふりだしに戻った捜索をいかに立て直すのか・・・遠藤の、いや帝愛の意地を見せてほしいな。

逃走劇を盛り上げるのは、逃走側以上に追手側の策謀に掛かっていますからね・・・。

 

・週刊ヤングマガジン№24(2019/05/13号)より。