賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第310話『総覧』感想 ~それぞれのキーパーソン~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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前回、カイジは籠城作戦を開始させますが、遠藤にはさらなる援軍が到着しました。
 
帝愛側は、見張りの深夜班を加えて5名。
遠藤はカイジの籠城を想定し、打開策に動きます。
 
となれば・・・前回行ったような謎のおばさんに限ったマークでは不十分。
ボールペンとレポート用紙を用意させると、カイジの実家へ続く昇降口を使った居住者を描きだすように促しました。
 
風体や印象を紙に落とし込むことで、全員のイメージを明確化させることが出来ます。
 
そして完成したイラストリストは・・・

!・・・数回見かけただけなのに凄い記憶力だな(゚Д゚;)
 
カイジが扮したおばさんに至っては、しっかり注視したのはほぼ後ろ姿だけなのに・・・カバンの柄まで完璧じゃないですか。
 
最初から覚えようと思って張り込んだとしても、普通はここまで鮮明には思い出せない。少なくとも私は絶対に無理だ。
 
遠藤はヘタクソな絵だと評しましたが、いやいや特徴も捉えていますし十二分に上手いでしょう。イラストや似顔絵を描き慣れているタッチですね。
 
カイジとしても、まさかこれほどの記憶力と画力を持った見張りがいたとは想定外の誤算だろうな。
 
そしてベランダ側に残した一人にも確認させたところ、この13人以外は心当たりが無いとのこと。
これで、遠藤による作戦の準備が整いました。
 
もしカイジが潜んでいて、こちらの張り込みに感付いていた場合に取るであろう作戦は2つ。
このイラストはそのうちの1つ、A案を潰すことに役立ちます。
 
それは、カイジが朝の通勤通学ラッシュに紛れて脱出を企てるケース。
多分 別の変装じゃないかな?
 
つまりその際にリストから外れた変装男がいれば、それは唐突に降って湧いた居住者。
カイジである可能性が非常に高いことになります。
 
勿論・・・リストにある人物たちがいつも同じ服装で外出する訳ではありませんが、背格好やおおよその顔立ちを叩き込んでおけば判別が付くでしょうね。なるほど・・・一理あります。
 
見張り班の男たちも感心、この住人あぶり出し作戦に同意した・・・その時、
この深夜1時半に帰宅してくる者がいました・・・!(゜゜)
 
バイクを降りたその男は、フルフェイスを被ったまま棟の中へ。
彼は、イラストにも描かれているファミレスの店長。
 
見張り班によると、彼の出勤時刻はさほど定まっていないものの、帰宅は常にこの時間帯。
朝早くに出ることもあり、恐らくはバイトの都合に合わせて急遽穴埋めに出ているのだと見解を語りました。
 
遠藤はカタギはカタギで厳しいとこぼしましたが、特に気には留めなかった様子。すぐにイラストのコピーを取ってくるよう指示しました。
 
 
そして息を潜めるカイジの元にも、階段を上がってくる男の足音が響きます。
 
毎日の事ですから、お母さんはそれが誰なのか知っています。
カイジも、向かいの部屋のドアが閉まる音で思い出しました。
実家住まいのまま地元で就職したのですね。
別に珍しくも無い話ですが、保君はファミレス店長でありながら、休みの日も両親とともにファミレスに行くとのこと。
そっちは珍しいな(;・∀・)
 
根っからのファミレス好きなのか、向上精神や研究意欲に溢れているのか・・・やはりカイジの周りの人物は一癖ありますね。
 
 
共に金縛りが続く状況は変わりませんが、だからこそ遠藤の疑念は強まって行く。
もはや理屈ではなく、長年の経験が生んだ直感がカイジの潜伏を知らせています。
 
遠藤が確保への執念に鬼火を燃やしていると・・・
夜班の担当だった二人がやって来ました。
・・・え。
二人は勝手に深夜班にベランダ側の見張りを代わってもらうと、この場を立ち去ろうとしました・・・。
レポート用紙に特徴を残したとはいえ、それはあくまで不確かな記憶を元にしたイラスト。
これは・・・人数分コピーさせた意味を理解しなければいけない。
彼らはこの場に残らねばならないのです。
 
何故なら、実際におばさんを目撃したのはこの二人だけ。
変装して出てきた場合、その気配を察せられるのは元の姿を知っている者だけです。
 
ですから少なくとも、通勤ラッシュが終わる9時までは居てもらう必要があります。
二人は16時間ぶっ続けでの見張りなどやっていられない様ですが・・・遠藤にそんな働き方改革が通用するはずもありません。
 
あらゆる物事には山場があり、その時は誰しもが限界を気にせずに集中するもの。
今夜はまさにその山場。
急遽降って湧いたカイジ確保のチャンスです。
 
ですから肝心の目撃者が消えるなど言語道断。
遠藤は寝言を言う部下を蹴り飛ばしました・・・!(;゚Д゚)
怖いよ・・・マジで遠藤の性格は変わりましたよね・・・。
本当なら「遠藤さん」と書き進めたいのですが、脱出編の遠藤に「さん」付けは似合わない。
 
しかし、カイジ確保への並々ならぬ執念はビリビリと伝わってきますね。
良くも悪くも、帝愛の中間管理職としての一般的なイメージそのままのキャラクター描写ではあります。
 
鬼気迫る遠藤に隙は無いのでしょうか・・・
いや、その抜け道は、カイジのすぐ近くに居るのかもしれません・・・。
 
・週刊ヤングマガジン№13(2019/03/11号)より。