賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第291話『拷問』感想 ~救いの一報~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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今週のカイジは巻頭カラー!(という名の販促チラシ定期)

前回、カイジの足取りを掴みたい遠藤は坂崎を拉致。
何か隠している素振りから、クルマを与えた協力者と決めつけました。
 
しかし坂崎はカイジから1億800万円を受け取ったとはいえ、逃走の手助けについては潔白です。
もちろん情報など聞き出せるはずもありませんが・・・遠藤は実力行使に出ました。
 
まさかの血のマニキュアをチラつかせて脅しに出ます・・・!(´Д`;)
本当にやる気かよ・・・!?(O_O)
 
とはいえ・・・カイジが頼れる人間は坂崎しかいないことは事実。
そしていざ連行してみると明らかに何かを隠している・・・
となれば、断定するのは仕方ないのか。

 

遠藤はサディストではありませんが、この件については一任されている立場にいます。
帝愛からの命ですし、推理に自信がある以上は手段を選んではいられない。
 
 
痛い目をみる前に話すか、それとも痛い目をみてから話すか。
拷問がふりではないとアピールし、最後の脅迫に出ました。
 
しかし・・・それでも尚、
坂崎は1億800万円を受け取ったことすら吐きません・・・!
なんと凄まじい根性だ・・・。

 

普通はクルマについては知らないにせよ、ここまで絶望的な状況なら知っている情報を全て吐いて許しを請うものです。
それでなくても坂崎はカイジが執行された際の絶叫を知っていますから、血のマニキュアをトラウマになっていてもおかしくないはず。
 

人間の胆力は金銭欲によってこれほどまでに強化されるものか。

 

そういえば兵藤会長は、黙示録で「人は目先の金のためなら相当な痛みには耐えられる」と語っていましたね。
まさにその最たる例が展開されています。
 
 
本心では執行したくない遠藤が躊躇していると・・・
デスクの電話が鳴り響きます。
 
その内容は・・・何と!
 
つい2時間前に、チャンが志野市のレンタカー屋で
黒のエスティマを借りたらしいという報告でした・・・!
突如入った値千金の情報・・・!
おおよその現在地と車種が割れてしまえば、あとは人海戦術で何とでもなります。
 
遠藤は咆哮すると、手はず通り全国の債務者に伝えるように指示。
確保の目途が立ったことで安堵しますが・・・
 
坂崎は涙ながらにその姿を睨みつけます。
釈放が許されたとはいえ、理不尽な容疑をかけられた上に危うく拷問を受けるところでした。許せるはずもありません。
→帰れ!
 
一方的に疑っておいて酷い態度だな・・・( ̄^ ̄)
面子うんぬんは抜きにしても、せめて一言謝罪するのが筋だろうよ。
 
 
まあ取りあえず、坂崎が無事に生還したのでひと安心。
遠藤も手を汚さずに済んだのは何よりだね。
 
しかし入った情報が確かならカイジは窮地。
 
果たしてどこを疾走しているのか…と思われましたが、その頃3人がいたのは意外な場所でした。
 せっかく借りたばかりなのに…エスティマを乗り捨ててしまったのか。
 
チャンマリとしてもさっさと高飛びするものと思っていましたが、これはカイジの策。
 確かに…間もなく網が張られてしまえば、その追手は万を越えます。
幾ら飛ばしても、その目から逃げ切ることは不可能に近い。
 
レンタカーを借りた時点で足跡がつくのは承知の上ですから、敢えて情報を与えることでその捜索のみに目を向けさせる戦略でしょうね。
 
これで真の移動手段を手に入れるまで、一時の猶予は作れたはず。
23億円はコインロッカーに預けたままですから、行動を急ぎたいですね。
しかしまたレンタカー等を借りても、再び情報が飛ぶだけ。
いったい如何なる方法を考えているのでしょうか。
 
あるいは無警戒となった今こそ、坂崎に頼るベストタイミングかもしれません。
カイジとしても5日間あれば坂崎に事情聴取が入ることは読めますから、無実が確約されたと想定できているはず。
 
さらにレンタカーのブラフを流せば、もう坂崎を疑うものはいないでしょう。
果たしてカイジがその方法を選ぶかは分かりませんが、安全かつ確実にクルマを入手するための時と場が整ったように思います。

 

私としては以前から、逃走初日に坂崎を頼るべきだったと感想を載せていました。
しかし・・・その場合は先行逃げ切りが成功しても、今回のように帝愛から問い詰められれば証拠は露呈します。
関わった坂崎の身にも危険が及んでいたかもしれません。
 
つまり、この5日間の停滞は怪我の功名。
完全に足取りを掴ませず、さらに坂崎を守るという最善ルートが見えています。
 
結果的には全ての不運が絡み合い、奇跡的な逃走劇を生み出していたのかもしれない。
 
カイジに訪れた強運の津波は、まだ途切れていなかったのか。
その真偽は次回に明かされそうです。
 
 
・週刊ヤングマガジン№38(2018/09/03号)より。