中間管理録トネガワ 第55話『博才』感想 ~雀士まさやん~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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この日の利根川は、帝愛社内で黒崎と闘牌中。
 
場は南4局、トップを走る利根川はこの局も順調にテンパイ。
二筒三筒四筒五筒六筒一萬二萬三萬五索五索六索西西 ツモ四索

 

五索切りで一筒四筒七筒の好形3面待ち。

満を持して逃げ切りのリーチを掛けますが・・・!

また負けた・・・!
 
あらー・・・放銃での決着は悔いが残るね。
しかし私が指摘する事ではありませんが、トップ目のオーラスで無理な勝負は禁物ですよね。
西家でない限りは平和が付いていたわけですから、少なくともリーチは愚策だったかも。
 
 
実は今、帝愛は空前の麻雀ブーム。
黒服間でのブームが幹部クラスにまで飛び火した結果、
利根川と黒崎の間でも週1の対決が定例化していました。
 
利根川は並の打ち手を寄せ付けない腕を持ちますが、対黒崎は1勝4敗。いわば天敵ですね。
黒崎には少牌など初心者じみたミスが多いのですが、いつも終盤で大物手を和了られて差し切られてしまうのです

 

その掴みどころのない打ち回しには、持ち前の理や観察眼が通用しません。
 
所詮はギャンブルでもない遊びとはいえ、№2の座を争うライバルに負けっ放しではプライドが許せませんね。
 
 
利根川はひとまずコンビを変更。
これまでは気の合う山崎と組んで勝負していましたが、必勝を期すには実力を重視せねばなりません。
 
かくして、チーム内の黒服による麻雀大会が開催されました・・・!
 
前回で30名以上に増員されたこともあり、新メンバーにも期待がかかるところ。
 
しかし・・・やはり頭一つ抜けていたのはこの男!

理に長けた二人は息ピッタリ。
試しに堂下・荻野ペアと対局しても、見事なコンビ打ちで寄せ付けません。
 
まさに敵なしと思えましたが・・・利根川の表情は晴れません。
なぜなら、黒崎には理が通用しない事は経験済み。
 
確かに佐衛門は優秀ですが、理に強い利根川のコピーでは意味がない。
本音としては別のアプローチを持った戦力を求めていました。
・・・ではなく、眠れずに山崎を訪ねてきたまさやんでした。
 
利根川は気にせず、佐衛門とのコンビ打ち練習を続行。
 
利根川手牌
伍萬六萬七萬二筒二筒三筒三筒四筒一索二索二索二索北 ツモ三索

 

北切りリーチを掛けたい局面ですが、対面の堂下が染め手気配。

利根川は字牌を避けて一索を落とし、手を回すのが無難と考えました。

 

しかし・・・その時、

え、トリさん・・・一索・・・!?∑(゚Д゚)

まさやんは麻雀のルールすら知りません。
単なる独り言・・・偶然の一致なのか?
 
 
しかし、さらに次局。
二萬六萬二索八索九索一筒一筒四筒七筒白發中西 ツモ北
まさか・・・このゴミ手が三色に?
 
前局の予言といい、まさやんには何か見えているのか・・・( °д°)
 
利根川も信じかけますが、オカルトに縋って勝てるなら世話ないこと。
メンタルを鍛えるためにも揺れずに打ち進めます。
 
しかし、ほどなくしてまさやんの言葉は現実に。
白 發 中、次々に三元牌を引き入れると・・・
 
気付けば手牌はほんの数巡でこの形。
七索八索九索一筒一筒七筒白白發發中中西 ツモ白

役満が強烈に臭い立ってきました・・・!

 

なぜなら三色だんご・・・その色は

悪いが佐衛門・・・
お前には今度の黒崎戦・・・
やはり降りてもらうことになるかもしれん・・・!
 
しかしそれも当然。
理外に対抗できる逸材を見つけてしまったのですから・・・。
 
こうして始まったのは、利根川による↓
次の対戦はまた1週間後ですから、時間がありません。
 
ルールを覚えながら実戦、利根川の手が空いていないときはネトマの天鳳、TVも視聴できるのは麻雀チャンネルMONDO TVだけ。
徹底して詰め込みにかかりました。
 
その間・・・まさやんの1日をグラフにすると、
麻雀漬けながらも日課の制裁練習は怠らない(;'∀')
 
しかし・・・麻雀を覚えさせるのはいいけど、
やり方がまた洗脳に近いじゃないですか・・・。
 
まさやんは機械でもペットでもなく一人の人間。
その当たり前を忘れていないだろうか。
 
半ば強制的に拉致軟禁して、さらに個性や人格を削ぎ、今度は個人的趣味のためにただ一つの目的を強いる・・・
客観的に見たときそれは何を意味するのか、どうしても倫理的な面を考えてしまう。
 
それがギャグとして流されているのも集団狂気、まるでサイコホラーを見ているかのようで素直に笑えない・・・。
正直、影武者のエピソードをネタとして割り切れなかった時点で、私がまさやん関連のネタを理解するのは難しい。
これは個人差がありそうです。
 
 
ともかく・・・麻雀生活を送ること5日、
今日も実戦では佐衛門がトップを快走していました。
 
オーラスも荻野からロン和了!
まさやんには負けないと自負していましたが・・・
 
しかし、ついに開花・・・!
理外の先見性、そのセンスに技術が伴った。
 
明日は黒崎との対戦ですからギリギリ間に合いましたね。
 
まさやんも強敵との対戦に昂ります・・・
が!
そう・・・利根川は失念していました。
まさやんにとって、黒崎はトラウマの対象であることを・・・!( ノД`)
 
※↓44話(旧40話)より。

https://ameblo.jp/fake-or-bluff/entry-12303399139.html

 

まさやんは徹底的に絞られた過去を思い出し、体の震えが止まりません・・・!

これではとても麻雀など打てるはずもなく。

こうして二度目の洗脳も報われることなく・・・
ただただ可哀想なオチとなってしまいました(;・∀・)
 
個人的にはややモヤっとする回でしたが、制作側のスタンスとしてはまさやんを持て余さず、また主役に持ってきたのは正しいですね。

 

トネガワでガチの闘牌は描けませんから、ややネタが薄くなるのも仕方ない。代わりにまさやんという強烈な切り札を投入することで補う形ですね。
 
黒崎さんの捉えどころのない万能っぷりも見られましたし、過去回の伏線を利用することで綺麗にまとまりました。
まさやんの幸福を祈りつつ、また次回を待ちます。
 
 
・コミックDAYS(2018/08/06更新号より)
・使用牌画・・・「雀のお宿」より。