賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第278話『民泊』感想 ~蒼白の三日天下!?~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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前回まで、広島で軽トラの破棄を終えたチャンは、見知らぬおじさん宅に一泊することになりました。
 
翌朝に最寄り駅へ送って貰うことを注文しましたが、身の上話に乗せられて深酒に付き合ってしまいました。
・・・果たして無事の帰還を果たすことが出来るのでしょうか。 
 
そしてチャンは精魂尽き果てたかのように、2日ぶりの安眠を貪りました・・・。
 
 
そして、翌日。
チャンは寝ぼけ眼で起きだしますが、すぐに戦慄が走ります。
 
ひと眠りで5時起床の予定でしたが、それは明らかに熟睡した時の感覚でした。(@Д@;
 
慌てて目覚ましを確認すると・・・!

→うわああっ!
は・・・8時!?
嘘だろ。( °д°)

 

チャンは絶叫と共に飛び起き、居間にいるおじさんに詰め寄りました。

 

当然、目覚ましが鳴らなかったのもおじさんの仕業。

前回ラストで目を開けていたのは、チャンの寝入りと同時に目覚ましを止めに行くためだったのですね。

有難迷惑ここに極まれり・・・。
カイジには午後の帰還を約束していましたが、これで夕方から夜の時間帯にまでずれ込むのは確実ですね。
 
取り敢えず食事を勧められますが、チャンは居ても立ってもいられません。
 
即座にパジャマを脱ぐと、おじさんにも間に合う次の電車への支度を促しました。
 
しかし・・・
もはや廃人 アル中一直線だ
酒はからと決めておる!
 
( ´_ゝ`)・・・
 
 
・・・ん?(゜д゜;)
ひ、昼・・・から・・・?
 
まさか…!?
 
外へ駆け出したチャンが目にしたのは…
そう・・・8時とはつまり、20時。
疲労困憊していたチャンは、何と20時間近く爆睡してしまったのです。
 
しかも…この光景が意味するものは、帰還が引き延ばされたという事だけではありません。
 
事態は想像以上に逼迫していたのです。
それは、今は栃木にいるカイジが最初に気付いていました。
それは不法占拠や不審物対策などの防犯上の理由ですが、とにかく3日以上使用されたままのコインロッカーは勝手に開けられてしまうのです。
 
駅員に6億という大金が見つかれば、当然警察に通報が行きます。
その時点でやはり国庫行き。
持ち主に名乗り出ても、経緯を尋ねられては窮するだけなので自らの首を絞める行為ですね。
 
 
チャンの遠征を振り返ると、
廃屋から出発したのは2日前の昼過ぎ。コインロッカーに6億を預けると夜通しで広島へ向かいました。
そして翌日の日中にトランクやトラックを破棄し終え、おじさん宅へ一泊。
つまり今回目覚めた時点で丸二日以上が経過しているため、夜が明ければリミットの3日目を迎えることになります。
 
二人は未だに帰還を果たさないチャンを心配しますが、今夜中がデッドラインなのは誰よりもチャンが分かっているはず。
仮にアクシデントに見舞われているとしても、その冷静沈着さで乗り越えるはずと信頼する他にありませんでした・・・。
 
 
しかし・・・足掻こうが喚こうが、チャンはまだ広島の片田舎。
絶望に身をくねらせるチャン・・・
泣き喚く気持ちはよく分かります。

 

ただ・・・寝過ごして・・・6億がパー・・・!?(O_O)
そんな結末・・・嘘だよな。
 
 
ここまで、チャンは過ぎたるは猶及ばざるが如しと言える慎重さで事を運んできました。
それは危うさを含みつつも、徹底することで初めて成り立つ方針です。
 
しかし疲労が蓄積していたとはいえ、深酒をやらかして熟睡の理由付けしてしまったのは愚行と言わざるを得ません。

 

タイムロスを惜しまない裏工作を経たにも関わらず、最後の詰めを誤ったのは痛すぎますね。
 
 
それでもチャンは帰らねばなりません。
しかし最寄り駅までは徒歩で約10時間。終電には全く間に合いません。
やはり改めて明日一番で送ってもらい、6時過ぎの始発に乗り込むしかないのか・・・。
 

その場合も帰還は明日の夕方近くとなりますが、問題は駅員によるロッカーの点検時刻ですね。

それが始業直後ならアウトですが、終業近くであれば間に合うはず。

その可能性に賭けるしかないのか。

 

結果論ですが、おじさんを警戒しすぎずに無理矢理にでもタクシーを呼ぶ方が正解だったのかもしれませんね。

 

 

ところで・・・本当におじさんは単なる世話好きのお節介焼きだったのでしょうか。
 
今は午後8時。
チャンのカバンを探って不法投棄者と確信したなら、通報して警察が駆けつけるだけの時間は十分にありました。
しかし全くそんな素振りを見せずに、ただ温かく接しているだけですね。
 
散々おじさんを怪しげに描いていたのは演出上のフェイクだったのか、あるいは通報済みで、今まさに警察が向かっているところなのか。
 
わざわざ片付けた賞状の数々がどうしても気になるのですが・・・まだ判断が付かないな。
 
あるいは誰もが最善を尽くしたにも関わらず、結果的には6億の損失に繋がってしまう・・・
そんな堕天録に蔓延る混沌の因果が描かれているのかもしれません。
 
 
そして例の痴漢防止ポスターや白木家の存在など、カイジ側にも不吉なフラグは残っています。
 
果たして3人は無事に勝ち金を手にできるのか、
まだまだ茨の道が続きそうですね。
 
 
・週刊ヤングマガジン№19(2018/04/23号)より。