賭博堕天録カイジ ワンポーカー編・第236話『意識』感想 ~破られた暗示~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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カイジも大詰めですが、最近のヤンマガではヤキュガミとピッチディーラーにも引き込まれてます。

内容は野球とサッカー、正統派の青春スポ根漫画とそのアンチテーゼなので真逆ですが、スポーツ観戦が趣味なのでついつい読んじゃう。来月に東京ドームで開催されるWBCのチケットも取りました。

 

○=提出カード
カイジ/和也 LIFE(2・10) 1ライフ=2億円 []=隠しBOXカード
1回戦
D・D U・U
2○・4 A○・A 1勝/0勝 LIFE(3・9)
Bet1→コール
2回戦
D・D U・D
2・4○ A・3○ 2勝/0勝 LIFE(4・8)
Bet1→コール
3回戦
U・D U・D
Q・2○ A○・6 3勝/0勝 LIFE(5・7)
Bet1→コール
4回戦
U・D U・D
Q・6○ 9○・6 4勝/0勝 LIFE(6・6)
Bet1→カイジBet2→和也ドロップ
5回戦
U・U D・D
K・Q○ 6○・3 5勝/0勝 LIFE(7・5)
Bet1→カイジBet2→和也ドロップ
6回戦
U・D D・D
K・6○ 3○・3 5勝/1勝 LIFE(5・7)
Bet1→カイジBet2→和也Bet3→カイジドロップ
7回戦
U・D U・D
K○・7 9・3○ 6勝/1勝 LIFE(6・6)
Bet1→コール
8回戦
D・D U・D
7○・5 9・3○ 6勝/2勝 LIFE(5・7)
Bet1→和也Bet2→カイジドロップ
9回戦
D・D U・U
5・4○ J・9○ 6勝/3勝 LIFE(4・8)
Bet1→コール
10回戦
D・D U・U
7・5○ Q・J○ 6勝/4勝 LIFE(3・9)
Bet1→コール
11回戦
U・D U・U
K・7○ Q○・A 6勝/5勝 LIFE(2・10)
Bet1→コール
12回戦
U・U U・U

KK○ A○・A 6勝/6勝 LIFE(0・12)
Bet1→カイジコール→和也Bet2→カイジコール

~~~赤ライフ登場・生死を賭けた闘いへ~~~
13回戦 LIFE(1・12)
U・D U・D
K○2 A○・6 6勝/7勝 LIFE(0・12+1
Bet1(カイジ)→自動的にコール
~~~チャンマリの赤ライフ2つを追加~~~
14回戦 LIFE(212+1
U・D D・D
82○ 7・6○ 7勝/7勝 LIFE(3・12)
Bet1()→カイジBet2→和也ドロップ
15回戦
U・D U・D
87○ J7○ 7勝/1分/7勝 LIFE(3・12)
Bet1()→コール
16回戦
U・U U・D
J○・8 J○・4 7勝/2分/7勝 LIFE(3・12)
Bet1()→コール
17回戦
U・U D・D
Q・8○ 5・4○ 8勝/2分/7勝 LIFE(1+3・11)
Bet1()→コール
18回戦
U・U D・D
Q○・9or8 5・3○ 9勝/2分/7勝 LIFE(2+3・10)
Bet1→コール
19回戦
U・U U・D
9○・9or8 Q・5○ 10勝/2分/7勝 LIFE(3+3・9)
Bet1→コール
20回戦
U・U U・U
9・8○ Q○・9 11勝/2分/7勝 LIFE(5+3・7)
Bet1→カイジBet2→和也コール→カイジBet4(3+1)→和也ドロップ

21回戦

U・U U・U
K○・9 Q○・9 12勝/2分/7勝 LIFE(6+3・6)

Bet1→カイジBet2→和也ドロップ

22回戦

U・U U・U
J○・9 9○・8 13勝/2分/7勝 LIFE(7+3・5)

Bet1→カイジBet2→和也ドロップ

~~~チャンマリ後退~~~

23回戦

U・D U・D
9○・3 A○・5 13勝/2分/8勝 LIFE(5+3・7)

[未発見] [A・A・8]

Bet1→カイジコール→和也Bet2→カイジコール→和也Bet3→カイジドロップ

~~~カイジ・隠しBOX発見~~~

24回戦

U・D U・D
A・3 A・5

[A・A・8] [A・8・4]

Bet1→カイジBet2→和也Bet3→カイジコール→和也Bet4→カイジコール→和也Bet5→カイジコール→和也Bet6→カイジコール(5+1)→和也Bet7→

 

【24回戦の流れ】

23回戦・204話・和也がカードを左手で提出(8と隠しボックスのAを交換)

24回戦・214話・和也の左手出し&考えづらいA降臨という違和感から、カイジがイカサマを確信

215話・テーブル横に・穴を発見、和也のマニキュアを疑う

216話・穴に和也から渡されていた爪楊枝を差し込み、隠しボックス(A3枚)を発見

217話・カイジからは見えない和也の手元のライトの点灯によって、カイジが隠しボックスを発見したことに和也が気付く

218話・カイジが8と隠しボックスのAを交換

219話・カイジが8とAを交換したことで、和也の手元のライトが消灯。それによって和也はカイジにAが渡ったことを知る。

和也が24回戦のカード配布直後に2度目のカード交換(Aと4)をしていたことが判明。

カイジがテーブル側面に∴穴を発見。再び爪楊枝を手に取る(差し込んだかは不明)

220話・和也の爪に∴穴と対応する凸凹があることが判明

以降レイズ合戦

 

前回、赤ライフを張ることが出来ない設定にあるという和也の嘘を見破ったカイジ。

 

さらに「マザー・ソフィーは当初の定めを一度だけ反故にしてくれる・・・」という和也の発言から、ここで負ければ和也側も救出網のリモコンが使えないと読み切りました。

 

つまり、この24回戦は双方にとってサドンデスの戦い・・・!

巻頭カラーページは1巻の表紙ですが、ライフが赤に変わっています。

 

カイジはこの勝負で初めて、刺し違えられるチャンスを得たことを認識。遂に最後のレイズを仕掛けるか・・・と思われましたが、和也への追及が続きます。

 

うっかり一度しか使えない救出装置を使ってしまったことは、あまりに軽率な失策。しかし、振り返ればそれも無理はなかったと解説・・・いや同情・・・?を始めました。

 

なぜならリモコンを使った14回戦の時点で、和也とカイジのライフは赤を含めて13vs2。話にならないほどの大差がありました。

将来追い上げられ、赤まで張らされる展開など想像しないのも当然。ゆえに最後の切り札の重要性を軽んじ、そして迂闊な一言を口走ってしまったのです・・・。

 

そしてその後は相次ぐDOWN地獄、ありえぬチャンマリの赤ライフレイズ、あるいは幻想のKによって、連戦連敗。

ギャンブルの業火に焼かれ続けた結果、いつしか意識から消えてしまっていたのです。

確かに・・・理由付けとしては納得できるけどね・・・。

幻想に縛られている最中や、イカサマの発動を躊躇いながらも画策しているような、明らかに核となる雑念があったときなら、それは分かります。

 

しかし、イカサマを発動させたのは23回戦。

この24回戦は最初にカードをAと入れ替え、カイジのA交換をライトで確認して以降、和也はストレスフリーだったはず。必勝と信じて疑っていなかったわけですから。

 

さすがにレイズが積み重なってゆくうちに思い出すのでは・・・。それも一気のレイズではなく、1ライフずつ、それも和也の方から仕掛けていたわけですし。

 

それほど博奕の熱に焼かれていた・・・とも捉えられますが、何度考えてもあまりの凡ミス。サッカーなら1枚イエローカードを貰っていたのに、それを忘れてラフプレーを仕掛けて退場・・・。野球ならまだツーアウトなのにスタンドにボールを投げ入れちゃう、みたいな。むしろそれより酷い。

それを和也が悔やむならまだしも、なぜかカイジが必死に擁護しているようにも見えて・・・モヤモヤする。

 

痛恨の失念、しかし・・・それでも尚、和也には自分だけは安全という意識が残っていたと、カイジは推測。

 

何故なら、和也の人生は優遇・特別・特例・・・その連続。配慮されるのは日常であり、周囲がどうあれ自分だけは安泰でした。

もはやその潜在意識は除去不可能。それこそ骨身に染みわたり、臓腑に刷り込まれたものだったのです。

 

そしてそれこそが、和也をここまで支えてきた暗示であり、強さの根元。決して弱みを見せない絶対的余裕が一般的見地からの推察・判断を狂わせてきたのです。

 

しかし・・・今は策もブラフも見抜かれ、後ろ盾もなく、資金力も意味を成しません。正真正銘、カイジと同じ地平に立っています。

和也のみが有する特権は・・・もう存在しないのです。

これは暗に∴穴や手元ライトにも気づき、情報戦でも五分である・・・つまり、五分であると知っている自分の方が幾分か上だぞ、というカイジの脅しでもあるのかな。

 

ただ今回の内容は苦しい後付けと言いますか・・・和也の失態がそれほどのミスではない、つまり和也の格を落とさないように無理矢理正当化させようとしているように思えた。

ネガティブな発言は避けたいですが、1か月も問答が続くとね・・・。

 

例の発言があったとはいえリモコン操作が1回だけ、という保証はない以上・・・カイジも偶然推察が的中したのをいいことに、反論できない相手を蹂躙しているようにも見える。カイジの印象も落ちてしまう。

 

↓社長の言葉を借りるならコレ

しかし!

しかし・・・です。

現状について推察できることを出来るだけ暴露し、和也にプレッシャーをかけているのでしょう。戦略的に有効に作用しうる以上、全く不要な過程とは言い切れない。

 

もう少し和也の失態があからさまな物ではなく、それに対するカイジの追及が理詰めであれば・・・ラストのドロップ狙いへ繋がる展開としては完璧に近かったのではないかな。

でも、ここの描き方は少し考えただけでもかなり難しい・・・。だからこそ、福本先生であれば風通しの良い・・・華麗な方法を見出されるはずと、期待してしまうのですが。

 

今回で和也がオープンかドロップか、十分に煩悶するだけの圧力は描き切ったことと思います。

そろそろ画的にも動きがないとキツいですし、ラストスパートの盛り上がりに期待したいですね。

 

 

※余談ですが、先日CSの番組でケンドーコバヤシさんがヤンマガ編集部に潜入取材する企画が放送されました。

その中でカイジの引き延ばしについても言及されたのですが、何と編集長の口から「ほとほと困っている」との回答が・・・(°д°;)

組織内のトップの発言としては弱すぎない・・・?どこか他人事ですし、改善策などは特に講じていないという事ですよね・・・。

こちらもアカギに対する竹書房同様、強く口出しできない状態なのかな・・・。それで編集の意味を成しているのだろうか。

 

しかも先日完結しました人気作、「僕たちがやりました」については「つまんなくなってもいいから引き延ばしてほしかった」とのこと・・・。

まさかそんなスタンスだとは・・・正直幻滅した。

引き延ばしを黙認するどころか、むしろ助長、推奨しているとはね・・・

 

確かに近年の出版業界は不況と叫ばれていますから、人気作を手放したくないのは分かります。しかし・・・故意に作品の質を落とすような措置は、方法として間違っていると思う。

というか、仮にそれが業界で当たり前だとしても・・・口に出してほしくなかった。せめて時効となった後ならまだしも、今ならカイジではありませんが戦争、批判を浴びるのは当然。知りたくなかったな・・・。

 

んもう・・・アカギの件もありますし、ポジティブな話題に触れたいのに。

 

・・・あ、一つだけあった。

新刊が3/6に発売されます。

内容は恐らく218~227話、隠しボックスを発見したカイジの逡巡とレイズ合戦の中盤まで。

ワンポーカー編は全何巻となるのでしょうね。