ひろし
「 宮川泰先生 」
エッセイ タダノマサヲのムネノウチ
歌謡曲の作詩を勉強していた 三十年以上も前
ひろし
音楽家の宮川泰先生と お酒の席でご一緒する機会があった
宮川先生は ザ・ピーナツさんの「恋のバカンス」
「ふりむかないで」 西田佐知子さんの「涙のかわくまで」
そして ささきいさおさんの歌った「宇宙戦艦ヤマト」を作曲した
日本の芸能史に残る歌の作曲家である
ウイスキーを一杯 二杯と飲み干し 宴もたけなわ 僕は
宮川先生と一緒のお酒が飲める嬉しさのあまり
事もあろうか フォークギターを手に スリーコードで
あの「宇宙戦艦ヤマト」を 声も高らかに
歌ってしまったのだ 歌い切ったのだ
酔いが醒めた次の日 僕は「なんと無礼な事をしてしまった
のだろう！！」と 随分と後悔をした
今でも時折
酔いが醒め しらふに戻り 夕べの出来事を思い出し
愕然とする あの時の自分を想い 恥ずかしくなる
時がある
二十歳を過ぎたばかりの 若い僕の暴挙を 笑顔で
受け止めて呉れた宮川先生に ただただ感謝
するより無い
残念ながら あの時の非礼を詫びる事の出来ないまま
先生は２００６年に 天国へと旅立たれてしまった
あきら
ちなみに音楽家の宮川彬良さんは 宮川先生の
御子息でおられる
八面六臂にご活躍なさっている姿と その音楽的な
才能に 「さすが 宮川先生の御子息！！」と祝福
の気持ちが湧き上がって来るのだが
その想いと同時に 当時僕が毎晩毎晩 夜の巷で
飲んだくれていた頃 比べるべくも無いのだが
先生のご子息は 芸術に関して日本トップクラスの
いそ
大学で勉強に勤しんでおられていたのだなあと
思うと 過去もそして今も 自分の不甲斐なさに
またしても 哀しくなってしまうのである
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