空はどこから/猫の長靴 -138ページ目

空はどこから/猫の長靴

日記は苦手だけど、何があって何を思ったのか、あんまり分からなくなるのもねぇ(´Д`)
だからちょっとだけ、記録を残します。

predia 5thシングル『Hey Now!!』

避暑地の日だまりの匂いがする。



そして、私はカップリング曲

『Cherry Love』をヘビロテしている。

とにかく、この曲が好きでたまらない。

るーちゃまの甘く伸びやかな声
あかねんのパンチの効いた声
二人の声が高め合い、重なり合う。
ボーカルのみの歌声に絞ったシンプルな作り。

ハッピー尽くしの恋の歌。


この曲、一言で言うと……懐かしい

その感情を辿っていくと、健康な時代の思い出──私が好んで観てきた
「ミュージカル映画」への郷愁に行き着く。

私にとってのミュージカル映画は、明朗で脳天気で、豊かな感情を楽曲に盛り込んだもの。
娯楽の中の娯楽……つまり、ザッツ・エンターテインメント。


『Cherry Love』をアルコール片手にヘビロテしていると、脳内がトリップし、こんな映像が浮かび上がる──

青春ミュージカル『Cherry Love』


♪♪♪♪♪


舞台は避暑地に近い大学の女子寮。

ヒロイン「るーちゃま」はちょっとわがままで鼻っ柱の強い女のコ。
ルームメイトはガラッパチな「あかねん」と、慌てん坊でお人好しの「ルナ」



登場シーンはこんな感じ。
るーちゃまが部屋に帰ると「単位落とした~」とあかねんがシャンパンをガブ飲みして荒れている。
アルコールを飲めないルナはシャンメリーでお付き合いしながらオロオロしてる。


寮長の「テルミン」はぽわ~としてて寮生たちにナメられているけど、いざ誰かが困った時は毅然として面倒をみる。
一見、頼りないが芯がある。





この3人組の憧れの先輩が、ファッションモデルの「めぐしゃん」と敏腕プロモーターの「玲ちゃん」

このふたりが男子を落とすテクニックを伝授する。

玲ちゃんは「フェロモン法」
めぐしゃんは「ギュンギュン法」

それを真に受けて、るーちゃまとルナは実践し、当然失敗する。


逆に3人組を姉御と慕う年下のちびっちょ2人が「けいたん」と「桜っちょ」



前半のクライマックス。
避暑地のカフェで3人組と妹分2人が恋バナを咲かせている。

恋の予感を語るるーちゃまが歌い出し、あかねんがデュエットする。

『Cherry Love』

他の3人がバックで踊る──
と、ルナがカフェで働くお姉さんを踊りの中に引っ張り込む。
これが「アッキー」



一見チョイ役のようだけど、重要なワンシーンが用意されている───

ひとり悄然とカフェに座っているヒロインに、とびきりのスイーツをすっと差し出す。
そして悩みをニコニコして聞いてあげる。

ヒロインの気持ちが切り替わる、ターニングポイントのシーンだ。


さて、ラブコメディだから、相手役が必要だけど、コンセプト上そんなに重要じゃないから、清潔感のあるクセのない男優さんがいい。

この彼氏には、既につき合っている彼女がいた。

それが「マイマイ」



敵役なのだが、これがふわっとした良い娘で憎めない──この辺はベストフレンズ・ウェディングのキャメロン・ディアスをイメージしてる。

敵役なのに憎めない、だからヒロインは悩むのだ。
意地悪をしかけて、自分は嫌な奴だと落ち込むことになる。


このままではスパイスに欠けるから「ゆったん」に一肌脱いで貰いましょう。
彼氏のお姉さんで、何かとヒロインに嫌みを言う。
でもちょっと抜けていて、愛嬌のあるお局様。



クライマックスは、誤解も解け、和解した11人が、避暑地のステージで
『Hey Now!!』
を踊る。



会心の笑顔と大歓声でドラマは終わる。

エンドロールとともに流れるNGシーン──


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かつて、エルビス・プレスリーの音楽映画が世界を席巻した。
単純明快なストーリーにプレスリーの歌が散りばめられている。

観客は歌い、踊り、演技をするプレスリーを堪能し、一服の清涼感を味わった。

prediaミュージカル『Cherry Love』はそんな映画だ。

挿入されるナンバーは8曲くらいは欲しい。

ストーリーとの整合性は気にしない。
「妄想シーン」の設定にしちゃえばいいのだ。

名作『パリのアメリカ人』がその典型。
ストーリーなんて無きに等しい。圧倒的なパフォーマンスで押し切ってしまう。

年齢とか、リアル感とかも気にしない。
『グリース』のトラボルタとオリビア・ニュートン・ジョンは30過ぎで高校生役をやり切った。
最初、さすがにこの設定は……と頭をよぎるが、すぐにノリノリになって、細かい事なんてどうでもよくなる。


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挿入歌は、例えば──


男を奪い取ってやる!と激しく踊る
『Crazy Cat』

その中にマイマイが混ざっていても一向に差し支えない。妄想シーンなのである。


灰色の雨が降る中、バラードの
『シルキー・レイン』
を年長組が踊る。




ちびっちょ組をメインに菜の花畑で
『ハニーB』を歌う。




夕焼けの海辺で踊る
『Sunburnd Heart』
───耳に当てた貝から聞こえる潮騒の音。
めぐしゃんをメインに(私のこだわり)





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ミュージカル映画は、音楽がドラマに優先する。

多少のストーリー破綻があっても、歌と踊りで感情を爆発させれば良いのである。


元々、ビジュアルは申し分ない。

prediaのパフォーマンスが本物なら、この映画は当たる!

というより……

私が観たい!!!










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ベットで昼寝していたら怪しい物影


ん?





んん?





なんか、賢治童話の挿し絵みたいだ






登りだしたよ






目的地はここ?






満足出来なかったみたいで、さらにウロウロ……





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ふぁい・みるの幼い頃、北海道の家は煙突が屋内にむき出しだった。
チビ達はその煙突の上を伝って歩いた。

円筒の上をトコトコ歩くんだから、猫って忍者だな~


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とは言え
アッキはこれを楽しんでいたのかどうか……


「家庭内ノラ」という言葉がある。

家の中に閉じ込められ、エサも食べるけど、後はどこかに隠れている。
人間は家猫のつもりでも、決して懐いていない「ノラ」


膝や背中にピョンと乗ってきて、香箱座りをする──いつになることか……


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その頃、ケイタは──



網戸を掻かないように板を当ててたら、その間に入り込んだ。
出られなくて困っている。

こちらは頭の平らな「ギャオス猫」……







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火曜日の昼、妻からLINEが入った。

「病院行ったよ。去勢も済ませたよ」

──そうか、やったか

裏庭でエサをやってた頃、雄猫が数匹、徘徊し、チビ達用に穴を開けて作ったコンテナの寝床に小便をかけていった。

縄張りを示す匂い付け。
月子たちは無抵抗だった。
妻は水鉄砲でヤツらを撃退した。


アキ・ケイを家猫にするということは、子どもを作れなくして、彼らだけの生命を守る、ということを意味する。

月子が寿命を削って産み育てた遺伝子を、私たちは断ち切った。


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かつて──
ふぁいの去勢のタイミングは測りかねていた。何しろまだ小さかった。

ある日、見知らぬ猫と並んで近所の家の庇にうずくまっているふぁいを見かけた。
妻が言うには、性器からオレンジ色の液が染み出していたらしい。

妻は慌ててふぁいを獣医に連れて行った。
もともと図体が大きく、色気づき始めていた雄猫の「みる」も、とばっちりを受けた。

そして、2匹は去勢された。
オスは出っ張ったモノを取るだけだが、メスはお腹を切るからつらい。

傷口を舐めないように、妻はふぁいのレオタードを作った。
私の防寒タイツ(レギンスみたいなもの)の足裏に掛ける部分を2つに切って、ふぁいの肩掛けにした。
ヨモギ猫のふぁいに、グレーのレオタードは悲しいほど似合っていて、愛らしかった。

麻酔が醒めかけた頃、ふぁいはヨロヨロと身体を引きずってトイレに向かい、トイレの中に嘔吐した。

このコはレディだ、と思った。

「ふぁいちゃんごめんよ。パパも子どもは作らないからね……」
「なに言ってんの」妻は笑った。


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暴れるアッキを、妻は洗濯用ネットに入れたまま病院に運んだ。
車から降ろす時、地面に取りこぼした。
ネットに入ったまま走り出した──その姿は「たたり神」のようだったとか。

診察台に載せられた時は、もう恐怖で声もなく、瞳孔を見開いて硬直していたらしい。


私が帰った頃、チビ達はゲージの中に納まり、相変わらず文句を言っていた。

思いの外、元気だった。
やっぱりオス猫は簡単なんだな。
玉のあったところは今もぷっくり膨れている。何でもサヤのような物があって、いずれはしぼんでいくんだとか。

こいつらの玉だけ取って、申し訳ないから、オレも取っちゃおうかな、どうせもう使わないし……
と言ったけど、妻には相手にされなかった。


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その夜──
アッキが脱走した。

何やらガチャガチャ音がするとは思っていた。
ゲージの格子をくぐり抜け、網戸をガタガタいわせてやっと開いた隙間から外に這い出した。
その幅、わずか3センチ──こいつの頭はどんだけ平らなんだ!?




ケイタはゲージのそばでキョトンとしている。



兄弟でこんなにも骨格が違うのか
そして性格も──
アッキはどんな恐怖感でこの格子を抜けたのか。

そりゃ恐怖だろう。監禁され、ネットに詰め込まれ、玉まで取られた。

もう戻ってこないかも知れない。


妻は庭にエサを置こうと言い出した。
他のオス猫にもエサをやれば、アッキも再び油断するかも知れない。
いっそ近所のオス猫を全部捕まえて去勢してしまおう──
なんだか無茶苦茶である。


身重の月子は、相変わらず一日2回のペースでエサを食べにくる。
もう出産間近。
アキ・ケイの行く末を気づかう余裕はない。
もちろん、私たちには懐かない。
近づくとフーッ!と威嚇する。



あの恐怖が、アッキにどれほどのトラウマを与えただろう
……と思っていたら、呆気ないほど早かった。
翌日には姿を現し、その次の日には再び家に閉じ込めた。

楽に食料を得ることを覚えてしまったから?

恐怖よりエサ……猫って愚か?

それって「人間」より……愚か?


とは言え、やっぱり懐かない。
外に出ようとして、ガラス戸に飛びつく──ガラスは肉球から染み出す脂まみれだ。



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土曜日、私たちはペットショップとホームセンターをハシゴした。

ふぁいのお古しかなかったカゴをもう一個買い足し、流水タイプの水皿にパンチング出来る猫オモチャ。

妻はホームセンターで格子板をごっそり買い込んだ。
これで窓から逃げ出さないよう、工作するんだとか。


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かつて──
京都から札幌のマンションに引っ越した時、
「ふぁい・みる」に外の空気は嗅がせたい、でも隣のベランダに入り込んだり、柵から落ちたりしてはまずい
というので、隣との隙間を目張りし、ネットでベランダを覆った。

入居の挨拶廻りの時
「ベランダに細工してますが猫のためです。怪しい者ではありません」と説明した。


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今、チビ達は家の中を自由にうろつき廻り、時々窓際で網戸をガリガリと引っ掻く。
私たちが近づくと振り返りながら逃げる。

でも逃げるスピードは次第に緩慢になってきている。
時折、アッキですら背中を撫でさせる。

チビ達の気持ちはどうあれ、私たち人間は勝手に決めている。


ずっと一緒だよ










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