空はどこから/猫の長靴 -139ページ目

空はどこから/猫の長靴

日記は苦手だけど、何があって何を思ったのか、あんまり分からなくなるのもねぇ(´Д`)
だからちょっとだけ、記録を残します。

ちび達を閉じ込めた夜、寝室は大騒ぎだった。
窓枠に取り付いて、とにかく脱出しようとする。

アッキは何故か、ケイタの身体の下に何度も潜り込もうとする。
外に逃げたい、でも身を隠したい、という思いなのだろうか。



潜り込まれたケイタは、持ち上がってドスンと下に落ちる──カブトムシの喧嘩かっ!


ガラス戸の上に行けば、抜け穴があると思っているのだろうか。
何度も伸び上がり、ジャンプする。



この写真──ミーアキャットかっ!?


パニックは一晩中続く。

私は悩む。


妻は家猫にする事はいい事だ、と信念に揺るぎがない。
「安心して、猫エイズにも掛からず、長生きするのは良いことに違いない!」

私は監禁して調教まがいのことをすることに心が咎める。

この件は、話し合うたび揉める。

▷▷▷▷▷

かつて「ふぁい・みる」は生後1ヶ月(獣医の見立て)で親から離され、捨て猫になった。
最初から、私たちにすがりついてきた。

アキ・ケイは月子の「野良猫教育」を受け、私たちを受け入れていない。
頼られていないことは、淋しい。

火曜の朝、妻は獣医に連れて行くと言う。
健康チェックと予防注射とノミ取り。


ふぁい・みる達(その時は8匹いた)を拾った時、獣医に連れて行くという発想はなかった。
しかし、まもなく3匹が死にかけた──特にふぁいは危なかった。意識がなくなった。

妻はティッシュの箱にふぁいを入れて獣医に駆けつけた。
その時のふぁいはティッシュの箱の半分の大きさしかなかった。

虫下しの薬を飲ませたが、虫は出なかった。
でも、生命は取り留めた。
やがて回復した。

結局、原因は分からない。
ストレスから解放され、牛乳(子猫は消化不良を起こすらしい)をがぶ飲みしてショック状態になったのかも知れない。

ふぁいは8匹中でひとつだけ、一回り少さかった。
野生の状態なら真っ先に死んでいただろう。

でも、一命を取り留めた。

死なせるもんか!
と私たちは思った。

だから、思いをこめて「ふぁい」という名前をつけた。

名前の由来──イギリスの動物小説でアニメ映画にもなった『ウォーターシップダウンのウサギたち』に登場する未熟児のウサギの名前「ファイバー」

数の中にも入らない弱い者に付けられる名前。
でも、予知能力を持ち、ドラマで重要な役割を担う。

──ふぁいの話をすると、つい熱くなってしまう。


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病院に連れて行く朝。

ケイタはすんなり籠に入れられたが、アッキは苦労した。

殺されるとでも思ったのだろう。
シャーッ!と威嚇しながら、必死で逃げる。
無理に捕まえると、親指の付け根をがっぷり咬まれた。



冗談抜きで、テトに咬まれたナウシカの心境だった。
「怖くない、怖くない……」
と言っても無駄だった(-_-;)

そのままブラ下がりそうなほどの咬み方で、ナウシカの心に打たれるテトとは全然違う。
言うまでもないが、私とナウシカも全然違う( ̄。 ̄;)

結局、毛布を被せて押さえつけ、洗濯用のネットに詰め込んだ。

アッキにとっては殺されるほどの恐怖
私たちにとっては愛情、のつもり……


▷▷▷▷▷


以下、どうでもいい話──

傷だらけの手で職場に行ったが、誰にも理由を訊かれなかった。
夕刻、「子どもがいるから早く帰るね」と咬まれた話をすると、皆ほっとした顔をした。
上司にも「彼の手はどうしたのかね?」とコッソリ訊かれていたらしい。

だからさ
直接訊けばいいのにσ(^◇^;)









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なし崩し的に事態は進んだ。

エサ皿は徐々に寝室から茶の間に移し、TVを見ている私の近くでも食べるようになった。
もっとも、こちらが動いたら、いつでも逃げられるよう、上目づかいは変わらない。
それでも、徐々に腰を落とした寛いだ姿勢になっていった。






身重の月子は動くのが大儀そう。



そして子離れが始まった。
アッキやケイタが近づくと、唸り声をあげ、時には手を上げて追い払う。


月子は良い母親であった。
そしてその「野良猫教育」よろしく、子どもたちは人間を怖れる子になった──
今日に至るまで、月子は人間からどんな迫害を受けてきたのだろう。



今、2匹の子猫は母親の変貌ぶりに戸惑っている。

人間への警戒心は次第に薄らぎ、家の中を探検するようになった。
もっとも、こちらが動くと大慌てで狭い所──ソファの影やTVの裏に隠れる。


猫は毛の柄で性格が分かれるという説がある。

トラ猫のケイタは大胆だ。
家の中にも平気で入りこむようになり、
背中を触ることも出来るようになった。



前回、捕まえた時は一晩中パニックで、無理に抱き上げようとした私の鼻を引っ掻いた。

職場では、鼻の頭の傷のことを誰も尋ねなかった。聞くに聞けなかったらしい。
私が猫にやられたと言うと、皆ほっとした表情になった。
濡れ衣は妻が着せられていたらしい(笑)



ヨモギ猫──黒白のシマ猫を「ヨモギ」と呼ぶのは私の地方の言葉らしい──のアッキは臆病だ。



ケイタが茶の間にのしのし入って行く姿を、ドアの向こうからのぞき込んでいる。

初めて茶の間の奥まで入って来た時は、私が動くとパニクって逃げ回り、ガラス戸と網戸の間に入りこんでハメ絵の様になって上下した。

何を怖がることがあるんだ!?
と私たちは苦笑する。
これだけマメにゴハンをあげている私たちを、何だと思っているのだろう。


お盆に5日間、家を空けた時、妻はペットシッターを依頼した。
1日2回訪問し、この3匹が裏庭に居たらエサをあげてほしい。
他の猫がエサを取りに来ないよう、食べている間は見ていてほしい。
それが妻の依頼内容だった。

シッターさんから、毎日報告メールが来る。
初日「私の顔を見てギョッとしてましたが、無事にエサは食べました」
月子たちは毎日顔を出した。
シッターをしているくらいだから、この人も猫好き。
子猫と遊ぶのも仕事の内と考えていたようだが、やはりちび達は懐かない。
毎日こんなメールが続く
「今日もケイタ君はギャッといって逃げました……」



私たちはタイミングをはかっている。
このコたちを「家猫」にする時を。
妻はネットで評判の良かった2階建てのゲージを取り寄せた。
まずは捕まえて、閉じ込める。
そして人間との生活に馴らす。

ケイタはすでに手が届きそう。
でも、アッキの警戒心が強い。

妻はケイタだけでも先に、と言ったが私が却下した。

ふぁいを例に引くまでもなく、私たちはヨモギ猫が好きなのだ。
ケイタだけ捕まえて、もしアッキが怖がって来なくなったら……

捕らえるなら、2匹同時に……
「本丸はアッキ」
それが合い言葉。

でも、ケイタが家の奥に入っている時、アッキは遠慮するのか、近づかない。

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そして9月2日、月曜日の昼頃、
妻からLINEが入った。
「捕まえた!2匹いっしょ」


かくて、私は覚悟を決めた。
十数年、あるいは二十年
こいつらに責任を持つ──


アッキ、ケイタ

さあ、ウチのコになりなさい!











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これは金曜日、秋葉原でのリリイベ。
この日のMC、あかねんがクレヨンしんちゃんの真似をして、るーちゃまがネネちゃん、テルミンがまさおくん、ゆったんがみさえということになった。
だからファイミルの顔もそれっぽく加工した。


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そして日曜──リリイベ最終日が終わった。


連日盛況、CDは完売。
集客数も以前の倍近かったのではないか。

イベント内容も『Crazy Cat』に比べて踏み込んだファンサービスが図られた。

新星堂は店舗内のステージでトークショーのみの予定。
それが1部で3曲、2部で4曲のパフォーマンスの披露があった。

お立ち台のような狭いステージ。
メンバーは身を縮め、身体を擦り寄せるように踊る。
それでもレッスンを積み重ねてきたダンスには破綻がなく、オモチャ箱のような愉しさがあった。

用意されたCDは早くに完売し、予約券に切り替わってからも売れに売れた。

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2部のショーの終わり、恒例となっている、めぐしゃんの告知。
笑顔でしゃべり出しためぐしゃんの表情がみるみる歪んでいった。
涙で詰まってしどろもどろになる中。
口をついて出た言葉

──新宿BLAZE──

それで分かった。
これは嬉し涙ではない。

昨年の4月、彼女たちはこの会場を観客で埋めることが出来なかった。
それから、1年を遥かに越えている。

決意の涙。
目標に手が届きかけている!
──闘っている人の雪辱を誓う涙。


私は女の子の感傷の涙には感動したくない。
闘うアーティストとしてのprediaを応援したいのだ。



イベントのラスト。
ファン有志によって花束と記念品が贈呈される。

メンバーの前に花束を持った11人の女性が並ぶ。

「女の子!」メンバーから声が洩れる。
かつて、数えるほどしかいなかった女性ファンがこんなに増えた!

サプライズ──と言うより、恒例になっていて予定調和──の花束贈呈にメンバーが涙ぐむ。

しかし、私は泣いていないコの顔を探した。
るーちゃま、ルナ、テルミン……
その瞳は力に溢れていた。


このお祝いを企画した人達は、どうすれば彼女たちを喜ばせられるか、励ますことが出来るかを、一所懸命に考えている……中には、泣かせるのが楽しみ!という人もいるかも知れないが。


私は想像する──彼らもジレている。
「predia!なぜこんなところで滞っている。
早く俺たちの手の届かない所まで駆け上がってくれ!」


私の場合、
prediaの飛躍を祈りながら、胸の奥には──
この先、彼女たちの夢がどんな展開を見せようとも、
この内のほんの何人かは「ファイミル」と名乗る初老のファンがいたことを忘れずにいてくれるだろう
──そのタイミングに間に合った!
という愉悦がある。

私は後ろ暗い人間である。


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私は思っている。
かつて、アイドルは偶像──崇拝するもの──であった。
今、アイドル乱立となり、握手会で入場料以上の日銭を稼ぐ商売となっている。
アイドルは偶像から「愛玩物」になった。
ファンは好みのコに入れあげ、気に入らないことがあれば別のユニットに乗り替える。

一人で何十枚、あるいはそれ以上のCDを買って、どう処理するのだろう。

私はヌーカフェで、見ず知らずの若者から、「お願いします」とアイドルのCDを渡されたことがある。
彼は紙袋一杯のCDを持っていた。
彼がこのアイドルユニットを応援する気持ち、汚れてはいない。

かく言う私も『Crazy Cat』のCDを持て余した。
微かに面識のある音楽業界のOさんに託し、知り合いの方に配ってくださいとお願いした。
「CDとは魂の籠もったもの。こんな風に大量買いするなんて…」
と言う私を、Oさんは諭した──
「これが彼女たちの業界が成り立つシステムになっている以上、理解してあげないと」


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悲願の新宿BLAZE完売。
それは800人以上の観客動員を意味する。

そしてそれは、地方遠征、メジャーデビューへのワンステップを意味する。


かつてルナは、例の意気込んだ口調で私に言った。
「ファンの人たちがいる地方を全部廻りたい!日本中でライブがしたい!」
……その「地方」の中に、上野まで30分の私の居住地まで入ってることには苦笑したけれど。

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握手会で、真っ先にめぐしゃんの所に行った。

「合い言葉は『BLAZE!』だね。
俺は見届けるよ」

微笑んだめぐしゃんの胸の奥。
しょせん私には理解出来ていない。


でも、
めぐしゃんの涙
泣かなかったテルミン

そこには、
Гこんなところで立ち止まってたまるか!」
という気迫がある。

それは……確かなこと。


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さて、prediaの記事が続く中、
私の家では大事件が起きていた。

次回は久々に『猫の森』続編──








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