夜になって、チビ達が裏庭に顔を出した。
ケイタはご馳走(練りエサ)ですぐに家に入った。
アッキは手こずった。
妻が20分粘って家に入れた。
▷▷▷▷▷
ふぁい・みるが幼い頃、割と自由に外に出していた。
と言うよりも、外に出るのを防ぎ切れなかった。
2階からでも、庇に飛び下りて出てしまうのだ。
網戸も開けてしまう。
みるは開けるどころか蹴破った。
私たちが寝ていると、夜明けに外で呼んでいる。
「開けろやい!」と鳴いている。
歳を取ってからも、隙をみては外に出ようとした。
外に出ると、私たちは鰹節でおびき寄せた。
上手く逃げたら賞品は鰹節──
それはチビらのゲームだった。
▷▷▷▷▷
でもねえ……
ケイタよ、アッキよ
おじさん、おばさんはまだ不安なんだ。
だから
ゲームは程々にしておくれ
▷▷▷▷▷
因みに……
ふぁい・みるの時、私たちは「パパ・ママ」と呼び合った。
今度は月子ママがいる──
だから私たちは「おじさん・おばさん」と呼び合っている。
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月子は一日ー回のペースで裏庭に現れるようになった。
出産後のお腹はペシャンコで、皮が垂れ下がっている。
敷居を跨いでおそるおそる入り込み、上目づかいにエサを掻き込むと逃げていく。
扉の向こうからチビ達の呼ぶ声が聞こえても無頓着だ。
チビ達は母親の気配を感じると恋しがって鳴く。
親の方はとっくに子離れを済ませている。
新しい乳呑み児を抱え、気遣う余裕はない。
妻は、月子が新しい子猫たちを連れてくる日を心待ちにしている。
アッキもケイタも男の子。
新しい子の中から女の子を摘んで、後は里親探しをしようと考えている。
こんな「子捕り」を企んでいるんだから、月子が人間を信用しないのも当然だ。
猫は妊娠を繰り返すと3年で寿命が尽きる、という説がある。
だから、子捕りを済ませたら、月子も捕獲器で捕まえて避妊手術をするつもりらしい。
長生きするのはいいことだ──
妻の信念には揺るぎがない。
私は天然(野生)を喪失させるということに、躊躇する。
迷う人間は確信を持つ人間に引きずられ、事態は進行していく。
▷▷▷▷▷
動物が一度に産める子供の数は、乳首の数で決まるという。
ふぁい・みるを拾った時は8匹兄弟だった。
不可能ではないが、8匹も無事に育つとは信じ難い。
実は母親が2匹、つまり2組の兄弟なのではなかったかと想像している。
実際、毛並みで2パターンに分けることが出来た。
ふぁい系~つまりヨモギ・キジトラ系が4匹
みる系~つまり白黒・モノトーン系が4匹
私たちは、この子猫たちに名前を付け、札幌のフリーマーケットのそば(フリマは生物を扱えない)で里親を募集した。
妻の同僚の女性2人が手伝ってくれた。
チビ達は首に名前を書いたリボンを巻かれ、大きなダンボールの中で好奇の目に晒された。
片隅で怯え続けた ふぁいには里親がつかなかった。
物怖じしない みるは4人家族が大喜びで貰っていったが、連休が明けると、うるさいからいらない、と返された。
結果として、2匹手元に残った。
この成り行きに、意図的なチョイスはなかった。
あの時、あの場所を偶然通りかからなければ、ふぁい達に出会うことはなかった。
8匹が2匹になった時も、どの子を残すか決めていない。
「どの子と暮らすか」という点において、私たちは『選択』していない。
ただ、「転勤族の身でも猫を飼い続ける」という『覚悟』をしただけだ。
私たちにとって、あの子達は「授かりもの」であり「舞い降りた天使」であった。
▷▷▷▷▷
猫ってそんなに性格が違うの?
と、猫好きじゃない人に訊かれることがある。
違う。
ふぁいとみるも
アッキとケイタも
そのキャラは驚くほど違う
次回、筆が進めば、ふぁいの兄弟の銘々伝を書くつもり───
↑ふぁい、生後一ヶ月半(推定)
一匹だけ残った頃
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出産後のお腹はペシャンコで、皮が垂れ下がっている。
敷居を跨いでおそるおそる入り込み、上目づかいにエサを掻き込むと逃げていく。
扉の向こうからチビ達の呼ぶ声が聞こえても無頓着だ。
チビ達は母親の気配を感じると恋しがって鳴く。
親の方はとっくに子離れを済ませている。
新しい乳呑み児を抱え、気遣う余裕はない。
妻は、月子が新しい子猫たちを連れてくる日を心待ちにしている。
アッキもケイタも男の子。
新しい子の中から女の子を摘んで、後は里親探しをしようと考えている。
こんな「子捕り」を企んでいるんだから、月子が人間を信用しないのも当然だ。
猫は妊娠を繰り返すと3年で寿命が尽きる、という説がある。
だから、子捕りを済ませたら、月子も捕獲器で捕まえて避妊手術をするつもりらしい。
長生きするのはいいことだ──
妻の信念には揺るぎがない。
私は天然(野生)を喪失させるということに、躊躇する。
迷う人間は確信を持つ人間に引きずられ、事態は進行していく。
▷▷▷▷▷
動物が一度に産める子供の数は、乳首の数で決まるという。
ふぁい・みるを拾った時は8匹兄弟だった。
不可能ではないが、8匹も無事に育つとは信じ難い。
実は母親が2匹、つまり2組の兄弟なのではなかったかと想像している。
実際、毛並みで2パターンに分けることが出来た。
ふぁい系~つまりヨモギ・キジトラ系が4匹
みる系~つまり白黒・モノトーン系が4匹
私たちは、この子猫たちに名前を付け、札幌のフリーマーケットのそば(フリマは生物を扱えない)で里親を募集した。
妻の同僚の女性2人が手伝ってくれた。
チビ達は首に名前を書いたリボンを巻かれ、大きなダンボールの中で好奇の目に晒された。
片隅で怯え続けた ふぁいには里親がつかなかった。
物怖じしない みるは4人家族が大喜びで貰っていったが、連休が明けると、うるさいからいらない、と返された。
結果として、2匹手元に残った。
この成り行きに、意図的なチョイスはなかった。
あの時、あの場所を偶然通りかからなければ、ふぁい達に出会うことはなかった。
8匹が2匹になった時も、どの子を残すか決めていない。
「どの子と暮らすか」という点において、私たちは『選択』していない。
ただ、「転勤族の身でも猫を飼い続ける」という『覚悟』をしただけだ。
私たちにとって、あの子達は「授かりもの」であり「舞い降りた天使」であった。
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猫ってそんなに性格が違うの?
と、猫好きじゃない人に訊かれることがある。
違う。
ふぁいとみるも
アッキとケイタも
そのキャラは驚くほど違う
次回、筆が進めば、ふぁいの兄弟の銘々伝を書くつもり───
↑ふぁい、生後一ヶ月半(推定)
一匹だけ残った頃
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