永遠の0 | 花鳥風月文々草紙

花鳥風月文々草紙

独身女と愛しの文鳥との平和でのほほんとした日々と、料理や好きな手芸や音楽と言った趣味のブログです。

お出かけした後、時間があったので観て来ましたニコニコ

ちょうどポイントもあったしね。


あの長い原作を良くまとめたな、と言うのが印象。

ただ、あの時代の背景とか、戦争の流れとか、

知らない人にはわかりにくかったかも・・

でも、人が人を思うと言うのはいつの時代も

変わらないのだと思いました。


 司法浪人の健太郎は、祖母の死後、

 祖父が実の祖父ではなく、本当の祖父は

 宮部久蔵という零戦乗りだったと知らされる。

 終戦間近に志願して特攻に出撃したと言う宮部。

 写真一枚残っていないその人を知りたい、

 そんな思いから姉と供に調べ始める。

 宮部久蔵を知っている、と言う人を訪ねて回るが、

 聞かされるのは、天才的な技術を持ちながら、

 生きる事に執着し、海軍一の臆病者、卑怯者と

 ののしる声ばかり。

 あの時代、ただひたすら生きようとしていた宮部久蔵。

 健太郎は、やがてその生き方の真実を知る・・





 宮部さんは特攻に出撃していくけど、

 そのまま行けば生きられたのに、

 どうしてそうしなかったんだろう・・


 その気持ちはきっと宮部さんにしかわからない。

 

 特攻に出撃すると言っても、その大半は

 敵戦艦に到達する前に撃ち落されてしまう。

 死んで行くのは、皆自分の教え子であり、

 供に笑い合った者達で、その死をただ見ていなくちゃ

 ならない悲しさと悔しさ。


 そんな中、自分だけが生きていると言う事は

 申し訳ないという気持ちになるのではないのか。

 あの時代、戦死する事が最高の名誉だった時代、

 生きようとする事は並大抵の覚悟では

 できなかっただろうし、それを貫いた宮部さんは

 誰よりも強かった、と話した元戦闘機乗りがいた。


 

できれば原作を読んでから観て欲しい。


当時の状況、戦争の流れ、

その辺を知って観るのと知らないのとでは

雲泥の違いがあると思うから。


零戦の飛ぶ所や空戦がとってもリアルで、

これだけでも見る価値があると思う。


人が人を思う尊さ。

最愛の妻子の元へ帰ろうとしていた宮部久蔵の思い。

あまりにたくさんの死を見過ぎたために

生きている事が苦しくなってしまったのだろうか・・


それでも生きて帰って欲しかった、と思う。

生きる事の大切さを誰よりもわかっていたのだから。

苦しくても、その後の人生を妻子と供に生きて欲しかった・・


宮部さんの思いはたくさんの人の人生に影響を

与え、その後の人生に反映されていきます。

その思いが奥さんの松乃を救い、

やがて孫の健太郎へと繋がっていくのだけど。


特攻を自爆テロという声があるけれど、

知れば知るほど違うと言う気がする。

飛び立って行った人達は、自分がこうする事で

大切な誰かを守るのだ、国を守るのだ、

そう思いながらだったと思うから・・


だからと言って肯定はしない、絶対にしない。

絶対に繰り返してはならないと思う。


宮部さんがどうして出撃していったのか、

それを思う事こそが大切なんじゃないか、そう思いました。



毛皮反対の絵本です、読んで下さい
http://moru.art-studio.cc/art/book.htm




 


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