今のところ、私がたどり着いた結論です。
夕方のニュースをなるべくみないようにしています。
モンスターペアレンツだの、オタクだの、
ネット書き込みだの、学校裏サイトだの、
扱うネタと演出方法が 明らかに視聴者の怒りを助長する
よう仕向けられているからです。
観た後、どっと疲れる、いやな気分になる。
これって、じつは20年ぐらい前、
「女性自身」や「女性セブン」で毎週掲載されていた
「実録!ヨメしゅうとめ戦争」と同じノウハウで
作られているのです。
会見で言い訳する役人のうすら笑いを
スローでリピートしたり、
ネットの書き込みには オタクっぽい気持ち悪い口調の
ナレーションが当てられたりと、とにかく、視聴者・読者の
「怒り」「不快」といった感情を刺激する、
いわば「負の演出」が多用されているわけです。
ダウンタウンの松本さんが毎週土曜日の夜に東京FMで
オンエアしている「放送室」という番組があります。
この番組、おそらく5回に4回ぐらいは、
まっちゃんが怒っています。
やれタクシーの運転手、不便な家電、音のうるさいバイク、
トイレでやたらとうるさい音を出すヤツ・・・
ちょっと怒りすぎでしょう、と思いつつも
これはこれで面白いので、毎週欠かさず聴いています。
さて、唐突ですが、表題にもある「神の国」の話しをしましょう。
私の言う「神の国」とは何か?それは、
全ての人が清く正しく道徳的で、ルールを守る国のことです。
電車の車内がわかりやすいので例に挙げて説明します。
電車に乗って車内を見回してみましょう。
イヤホンから音楽がガンガン漏れているおにいちゃん、
口をあけてマスカラ塗っているおねえちゃん、
デカイ声で携帯で通話しているおっちゃん、
シルバーシートを占拠してお年寄りに席を譲らないオタク、
シートの隙間にゴミを捨てるおばちゃん・・・
じつに不愉快な人たち、ルールを守れない人たちで
溢れています。
その対極として、みんながルールを守って道徳的で
お行儀よく電車に乗っている。それが神の国の姿です。
でも実際にそんな電車内の姿なんて
想像できますでしょうか?
そんなこと期待できますか?
無理です。
ここで言う電車内のルールとは、
別に法律のことではありません。
ただの相互期待です。
でも思うに、この相互期待、近年増幅傾向にあるような
気がします。
ちょっとイヤホンから音が漏れていれば不愉快、
床に直に座っているヤツがいれば不愉快、
携帯でちょっと通話すれば不愉快・・・
そろそろ、結論をいいます。
みんながみんなルールをきっちりと守るなんで無理です。
必ず誰かしらがルールから外れます。
それにいちいち腹を立てるのをそろそろ止めませんか?
私もかつては、メールしながらトロトロ歩いているヤツだとか
信号待ちでタバコ吸ってるヤツだとか、
いちいち腹を立てていました。
でも、こう考えるようになりました。
「人が10人ぐらい居て、そのうちの1人、2人ぐらい
ちょっとルールから外れる例外がいても許してやろう」と。
あんまり、ルールでがんじがらめだと息が詰まるんです。
しかもこのルールがまたあやふやなんです。
電車に乗っていると気が付くことがあります。
それは車内アナウンス。
携帯の通話はお控えください。
優先席付近では電源を切りましょう。
ゴミは持ち帰りましょう・・・
私はここに問題があると思います。
・鉄道会社が「携帯」だ「シルバーシート」だと
細かいルールを作る。それをアナウンスする。
・乗客がそれがルールだと認識する。
・ルールから外れた人を不快に思う。
これが、問題なんです。こんなルール、鉄道会社が勝手に
アナウンスしているだけなんです。
それを大義名分にして、ルールを乱した人間に対して
いちいち怒りを覚える必要も、権利もないんです。
「人が10人ぐらい居て、そのうちの1人、2人ぐらい
ちょっとルールから外れる例外がいても許してやろう」
そう考えるようになってから、私は以前より
腹が立たなくなり、ずっと楽になりました。
全員が全員、道徳的で礼儀正しい社会なんて
おそらく住みづらいし、無理です。
でも、注意しなければならないのは、
「10人のうち、1人2人」。
この比率は死守したいです。
これが「10人に5人」ぐらいになったら
目も当てられませんから。