一口に「電車」というけれど・・・ | ぽっぽやいそじの「ひとりっぷダイアリー」

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鉄道で走っている車両を、特に大都市圏に住んでいる人は何から何まで十把一絡げにして「電車」と呼ぶことが多いですが、趣味的な捉え方からはもちろんこれは誤りです。


趣味的な捉え方でいう「電車」とは、その名の通り電気を動力源として走る車両のことで、日本全国で走っている通勤通学用から新幹線まで千差万別です。


新潟県の上越地方と下越地方を結ぶ特急「しらゆき」用のE653系1100番代。在来線の特急用車両は最高速度が130km/hになっているものが多いですね。


逆に短編成で走る電車と言えば、1両で走るのも当たり前にこなす路面電車でしょう。昔は全国各地で走り回っていましたが、道路交通のジャマになるという理由で昭和40~50年代に廃止が進み生存が危ぶまれたものの、最近になって環境面から見直しもされ、昨年夏には宇都宮市と芳賀町を結ぶ宇都宮ライトレールが完全な新規路線として開業し人気になっているのはご存知の通りです。


こちらは非電化区間を走る車両で、一般的には「気動車」と呼ばれ、動力源は床下に装備されたディーゼルエンジン。ここで発生した動力を推進軸で車輪に伝えて走ります。


こちらも最近は技術の進歩が目覚ましく、2つの動力源を併せ持つハイブリッド車も続々とデビューしています。画像のHC85系はJR東海の特急「ひだ」「南紀」に使われる車両で、エンジンからの動力で発電機を回し、発生した電気でモーターを回して走るほか、別にバッテリーからの電気で走ることも可能なシリーズハイブリッド方式を採用しています。


こちらはJR東日本のハイブリッド気動車HB-E300系。こちらも基本的な動力システムはHC85系と同じ、シリーズハイブリッドシステムになっています。


こちらは同じJR東日本の気動車ですが、ハイブリッド気動車ではなく電気式気動車と呼ばれるGV-E400系。この2つがどう違うのかというと、後者は動力源としてのバッテリーの搭載がなく、動力はエンジンで発電機を回して得られた三相交流で、これをVVVF制御で動力台車の交流モーターを回すというもの。大容量のバッテリーの搭載する必要がなく、動力システムに電車の技術を利用できるのが最大のメリットです。

気動車を運転するためには従来「内燃動車」の免許が必要でしたが、JR東海のHC85系は電車の操縦免許でも運転できるそうで、乗務員の有効活用にも役立ちそうです。現在でこそ電車と気動車はほぼ別個のシステムの車両となっていますが、近い将来にこの2つの垣根はなくなってしまうのかも知れません。