最後の将軍
¥476
株式会社 ビーケーワン

「慶喜は政治家である」

筆者もこう語っている。

全くこのような慶喜をイメージしたことはなかった。

もっと、大奥の延長上のようなイメージだった。



それは私が勉強不足であったためでもあるわけだが、

読んでみると非常に面白い。

慶喜は雄弁なわけだが、

よくしゃべるリーダーというのは

歴史の中にあまり出てこないけど、

現代のリーダーに必要な資質のような気がする。



大政奉還の前後というのは

世の中の変化のスピードが激しくて、

今の気分に近いものがある。

慶喜が大政奉還後に隠居に入ったのは

まだ30代前半だったのも今に近いような。



慶喜の成し遂げたものというのは

もっと評価されるべきだと思う。

ものすごく難しい政治をした。

政治だからわかりづらいところとか

ハッタリとかも結構ある。

現代の政治家となんら変わらない。


この本の値段は476円。

あわせて79711円の節約人になりました。




ゆれる/西川 美和
¥1,260
Amazon.co.jp

自分には兄弟がいない。

子供が二人いる。

私はこの本を読んで子供の教育の難しさを感じたりする。


つり橋でおきた事故。

一人の女性の死と、その女性の幼馴染の兄弟。

いや、田舎町の幼馴染は幼馴染以上の意味を持つ。

そしてその父、その叔父など。


妻に先立たれたのは気の毒だが、

長い目で見ると父である早川勇の精神性が

災いのもとであると私は感じている。

父と叔父の兄弟関係、

父と息子たちの親子関係。

犯罪者となって初めて見せる兄の本性。



生きるということを考えるときに

身近な人への影響というのは

よく考えていないといけないと

改めて思った。


筆者は心の暗部の描写が非常にうまいと思う。

きれいごとじゃない部分、

泥沼にはまっていって本性を見せていく部分、

非常に上手なので、

読んでいるうちにのめりこんでいって、

微妙に背筋が寒かったりした。



この本の値段は1260円。

あわせて79235円の節約になりました。


超バカの壁/養老 孟司
¥714
Amazon.co.jp

「たたきこむことの大切さ」とか

若者が抵抗しがちなことが結構書いてあるのだが。


丁度自分が仕事で部下を持つ立場になったときに、

部下に感じていたことが色々書いてあった。

「たたきこむこと」は大切だし、

「目の前の穴を埋める」ということは

とても大切だと思う。



別の本で誰かが

「自分探しの旅はもうやめよう」と若者に言っていたけど、

「目の前の穴をとりあえず埋める」も同じで、

人生経験を重ねる前に

そんな自分にぴったりの生き方を見つけるなんて

できるわけないと思うのである。



中には本当にやりたいことじゃないから、

無駄な経験をする時間がもったいないという表現をする人もいるけど、

その人がうねうね悩んでいる時間よりも

目の前の問題に取り組んでいる人のほうが

貴重な経験ができて成長できていたりする。


本はこの問題以外にも

全般的にナイーブになりすぎた日本の人々に

著者が近すぎず遠すぎず、

熟年者の絶妙の間で回答してくれている。



僕がいっても

「いや、やっぱり時間がもったいないじゃないですか!!」

という若者はいるかもしれないけど、

著者ほど人生経験のある人が言っていたら、

説得力があるんではないだろうか。

無駄ではないと、いろいろと。



この本の値段は714円。

あわせて77975円の節約になりました。

座右のゲーテ
¥700
株式会社 ビーケーワン


ゲーテに感銘を受けた筆者が

トピックスごとにゲーテの言葉を解説していく本。


「抽象的な思考に嵌まり込んでしまい、身動きが取れない状態に陥っていた」時に

筆者にはゲーテの言葉が飛び込んできたとの事。


確かに、実学的というか、実践的というか、

日常生活の中でも生かしやすい事が色々と書いてある。


人間というのはわがままなもので、

この本は非常に読みやすいのだが、

さらっと読めてしまうので、

一回じゃ印象に残らなかったりする。


さらっと読める本だけど、

さらっと読まずにじっくり読まないといけない。

もしくは、何回か繰り返し読むべきだと思う。



ゲーテも言っているようだが、

結局、回りのせいにして現実のいやなことから逃げる前に、

目の前の基本的なことを確実に積み重ねることが

大切なんだと思う。


というか、逃げられないんだよね色々と。

向かい合って、ダメだと思ってから逃げてもいいんだから。

とにかくいやな事も向かい合おう。


意外と何とかなることも多いから。



この本の値段は700円。

あわせて77261円の節約になりました。

山田 宗樹
嫌われ松子の一生

大学卒業後、中学教師となった主人公松子が

本当に些細なでき事をきっかけに

糸の切れた凧がくるくる回って飛んでいくかのように、

転がり落ちていく話。


出会う男たちに裏切られ、

それでもまた男を待ち続けたり。

ただ、基本的には自己中心的であるためなのだが、

その辺は気づかない。


世の中には気づいてない人は多いわけで、

人との出会いが大切なんだと思う。

ただし、出会っても気づかなかったり、

本当に大切な人を裏切り、

ダメな人間を選んでしまうことも多い。

その辺はよく精進しなくてはいけないと思うのだが…


松子は見事なまでにダメなほう、ダメなほうを選択していく。

素晴らしい人にも出会ってはいるのに…



物語は松子本人の語りと

甥にあたる笙が現代から松子の人生を探っていくという

二つのストーリーが組み合わさってできている。

二つのストーリーは最初と最後でクロスする。


それは松子の死。

事件性を持った死。

サスペンスでもあるのである。

いきなり死んでいるわけで救いが無いわけである。

そして、最後も救いが無い側面がある。




本当に面白い小説を読んだ。

二つのストーリーで進んでいくのだが、

そこの絡みかたが絶妙で変な頭の切り替えが必要じゃない。

この展開のおかげで松子の主観的な思いだけにはなっていないので、

話が薄っぺらくなっていないんだと思う。


そんな奴いないだろう!と突っ込みたくなるような人間を

リアリティを持って描いて物語に引き込んでいる。

感情移入しつつも松子には常に突っ込みを入れていた。

「そっちじゃないだろ」と。

とにかく話しに引き込まれっぱなしだった。



中谷美紀はどんな松子を演じているのだろうか。

ビデオも見たくなった。

それぐらい面白い小説だった。


この本の値段は1000円。

あわせて76561円の節約になりました。

吉田 修一
初恋温泉

温泉に出かけた5組の男女の物語が

5つの小さなストーリーで描かれている。


5つの話は、離婚しそうな夫婦、若いカップル、初めての浮気カップル、

喧嘩して夫だけ温泉にきた夫婦、そして高校生カップル。


ほかの本でもこの著者の本はそういう傾向があると思うけど、

今回の話も最後までは描ききらない、

ある部分は読者の解釈に任せているところがある。

その辺の余韻を楽しむのが

こういうショートストーリーの醍醐味なんだろう。


個人的には最初の話、離婚しそうな夫婦の今後が気になる。

離婚しそうな、というより嫁に離婚を切り出された夫の話なので。


高校生のカップルの話は

自分にはなかった青春なのでむかつきました。


この本の値段は1300円。

あわせて75561円の節約になりました。


竹内 薫
99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方

出張で飛行機に乗る前に読んでいたら

「飛行機がなぜ飛ぶかのかは実はよくわかっていない」という

ショッキングな文章が目に入ってきた。


作者は東大理学部出身の科学者なのだが、

話はどんどん哲学的になっていって面白い。

ガリレオの話とか扱うテーマは科学なのに。


なるほど!とおもったのが科学と数学の違い。

数学は概念だから証明できる。

科学は物理世界と一致しないといけないから、

科学においては完全な証明は永遠にできない。

これが科学と数学の違い。


科学の世界は、理論は全て仮説。

ある日突然ひっくりかえることもある。

その例としてロボトミーの話とかが出ている。


「千円札をひろうな」にも

時代が変わって、常識も変っているみたいな話があった。


ビジネスでもなんでも

100%の正解はこの世の自然現象の中にはないということ。

柔軟に考えないといけないなあと、改めて思いました。


相対性理論の話の前の

共約不可能性の話が面白い。

「あの人と話が通じない科学的理由」は

男と女(特に夫婦か?)の喧嘩が絶えない理由の説明になっていると思う。

そして、「諦めた人だけが相対性理論がわかる」なんていうのも

まさに夫婦っぽいと思うのだが。


ただ、やはり最後の最後で難しくて理解し切れていないようだ。

あとがきにある著者の最後の問いの答えはわかっていない。

(というか頭が疲れてしまった。)


でも、この本面白いですよ。

虚数とか相対性理論とか空想的に感じて難しいところ

(当然僕も理解はできていないんですが)が、

実生活の問題(夫婦喧嘩とか)に結びついてきそうなとこが

興味をそそります。



この本の値段は700円。

あわせて74261円の節約になりました。




安田 佳生
千円札は拾うな。

時間、お金、人材(教育)について

常識にとらわれず、

先を見て行動するための話が書いてある。


内容自体は、

ほかの自己啓発本と特別違ったりはしないと思う。

ただ、時代が変わっているから、

考えもそれにあわせて変えていこうという点が

強く出ていると感じる。


昨日の正解は明日の間違いかもしれない。


印象に残る話は

「本郷猛を鍛えてはいけない」という話と

「本質とトレンドを見誤らない」という話。


常識にとらわれるなと言われると、

なんでも好きにやればいいという風に解釈してしまいがちだが、

本質は受け継ぐべきだということ。


この本の値段は1200円。

あわせて73561円の節約になりました。




浜口 直太
あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール

わかってそうでわかってないことも多い、
仕事の仕方について書いてある本。
本文中に話は短くとあるように、
各テーマについて見開き2ページにまとめられていて
非常に読みやすい。


内容は、いわれてみればそうだよねというような
細かいテーマもきちんと設定されていて
非常にためになる。
特に新入社員には読んでほしいし、
新入社員をもつ上司にもよいのではないか。



親野智可等氏の本に、
子供の教科書を親がしっかり読んでおくといいと書いてあったのと同じように、
この本は上司が読んだほうがより効果があるかもしれない。
ある意味、社会人の教科書的なところもある。
しかも基本中の基本。



思えば、昔はこういうことは先輩が怒って教えていたのかもしれない。
しかし、今の日本企業の中堅社員は
そういう余裕を時間的にも精神的にも持っていないのだろう。
(それが良いのか悪いのかはわからないが)



だからこういう本が役に立つ。
教わろうという人も、
教えようという人も、
やる気があるならば読むべきだと思う。

読むのには時間はかからない。
が、暗記するくらい何度も読むべき。
自然と行動が起こせるようになっていればよい。



この本の値段は998円。

あわせて72361円の節約になりました。

真保 裕一
栄光なき凱旋 上
真保 裕一
栄光なき凱旋 下


あわせて1259ページの長編。

内容は第2次世界大戦を生きる日系人の若者の物語。

ジロー、ヘンリー、マットの3人の日系人の若者が、

常に人種問題を背負いながらも、

恋に落ち、裏切りにもあい、戦場に出て行くというもの。


読み応えは十分。

「面白くて読み始めたらすらすらと~」みたいな本ではない。

読み終えたときは疲れていました。

スポーツの後のような読後感。

それだけ内容が充実している。



日系人の立場の苦しさから

人種問題の意見が交わされることが多い物語。

実際日系人はいわれの無い迫害を受けているの。

それぞれが思想をぶつけるようなシーンは

読み応えがある。


日系人の立場は確かに苦しく、

不遇な身を嘆かずにはいられないと想像できる。

ただ、そこで弱い立場を運のせいにして、

何もかも人のせいにして、卑屈になり、妬むのは

厳しく言えば見苦しい。

しかし、多くの人はそんな自分に気づいていない。

もしくは、現実から逃げようとする。


これは、現代でも言えることである。

自分がついていないなあと思った時には、

自戒しなくてはいけないことである。


三人の主人公のうちの一人、ヘンリーは

そんな周りに嫌気がさし、プライドをもって生きていこうとする。

ヘンリーは戦争勃発まではエリートとして育っている。


戦場で、ヘンリーは自身のプライドの高さで

信頼を失っていくことになる。

卑屈な仲間と自分は違うと思いすぎることは

新たな差別を生み出していることに他ならない。

そして、気がつけば逆に仲間の心は離れていく…。


常に周りの目を意識して頑張っているのだが、

自然体では無いヘンリー。

見た目にも理屈が先行して、行動が伴わないヘンリー。

このため、仲間と意見がずれていき、

時として判断を誤る。



自分も含め、

社会に出たての若者にはこのパターンの人間が多い。



ヘンリーも戦場の中で何かを掴んでいった。

戦場は何かを掴むにはあまりにも過酷だが。


現代に生きる我々は身の危険はないわけだから、

少なくとも社会という現場に身を投じて

多くを肌で感じて学ぶべきだろう。



3人の主人公がいるので、

3つの視点でストーリーを解釈することができる。

僕はヘンリーの心理がわかりすぎて

自分が断罪されているようで読むのが辛いシーンもあった。



この本の値段は上下で3990円。

あわせて71363円の節約になりました。