山田 宗樹
嫌われ松子の一生

大学卒業後、中学教師となった主人公松子が

本当に些細なでき事をきっかけに

糸の切れた凧がくるくる回って飛んでいくかのように、

転がり落ちていく話。


出会う男たちに裏切られ、

それでもまた男を待ち続けたり。

ただ、基本的には自己中心的であるためなのだが、

その辺は気づかない。


世の中には気づいてない人は多いわけで、

人との出会いが大切なんだと思う。

ただし、出会っても気づかなかったり、

本当に大切な人を裏切り、

ダメな人間を選んでしまうことも多い。

その辺はよく精進しなくてはいけないと思うのだが…


松子は見事なまでにダメなほう、ダメなほうを選択していく。

素晴らしい人にも出会ってはいるのに…



物語は松子本人の語りと

甥にあたる笙が現代から松子の人生を探っていくという

二つのストーリーが組み合わさってできている。

二つのストーリーは最初と最後でクロスする。


それは松子の死。

事件性を持った死。

サスペンスでもあるのである。

いきなり死んでいるわけで救いが無いわけである。

そして、最後も救いが無い側面がある。




本当に面白い小説を読んだ。

二つのストーリーで進んでいくのだが、

そこの絡みかたが絶妙で変な頭の切り替えが必要じゃない。

この展開のおかげで松子の主観的な思いだけにはなっていないので、

話が薄っぺらくなっていないんだと思う。


そんな奴いないだろう!と突っ込みたくなるような人間を

リアリティを持って描いて物語に引き込んでいる。

感情移入しつつも松子には常に突っ込みを入れていた。

「そっちじゃないだろ」と。

とにかく話しに引き込まれっぱなしだった。



中谷美紀はどんな松子を演じているのだろうか。

ビデオも見たくなった。

それぐらい面白い小説だった。


この本の値段は1000円。

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