たら・れば・はないけれど・・・ | モータージャーナリスト・中村コージンのネタ帳

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モータージャーナリスト中村コージンが、日々乗ったクルマ、出会った人、趣味の世界を披露します。

世の中、いたるところで「たら」と「れば」が蔓延っていて、そいつをいろいろ考えるととても面白いわけであります。でもって、今回のテーマはこいつ↓

このクルマはボルボ・ツンドラという名前のコンセプトカーです。これ見て「えっ?」って思う人もいるでしょうし、「知ってるよ」って思う人もいるでしょう。ボルボはベルトーネに依頼して、ボルボ340シリーズをベースにコンセプトカーを作らせました。結果出来上がったのが、このツンドラ。しかし当時のボルボは多分、まだまだ保守的なブランドだったのだと思います。なにせ、1979年といえばラインナップには240シリーズしかなかった時代ですから、特にデザインに関しては保守的だったでしょうね。

結果ボルボは何と言ったかというと、「これはモダンすぎて販売が難しい」と。

で、ベルトーネはどうしたかというと、「そうか、モダン過ぎるか。じゃあ、モダンなデザインが好きなところへ持ち込めばいいわけだ」と考えたのか、ほぼ同じアイデアをとあるメーカーに持ち込んだというわけです。もうお分かりですよね。

こいつが、↑⇒↓

こうなったわけです。

シトロエンBXは、個人的にはヒット作だったように思います。もちろんその背景には、例のハイドロニューマチックという革新的サスがあって、それがこの革新的デザインにマッチしたから、という側面もあるでしょうね。もしボルボがこれを、ボルボ340の後継車として販売していたら、多分失敗に終わったでしょうね。何しろ、メカニズムは相当に旧態依然としていましたし、そもそも340シリーズって、こんな形でしたから↓

これ見ると、ツンドラのスタイルがモダン過ぎるって、わかる気がします。シトロエンに収まって、よかったよかった・・・・