青井陽治さんが亡くなられた。享年69。

 

私が、青井陽治さんのお名前を知ったのは、80年代初頭だっただろうか。『ラ・カージュ・オ・フォール』日本初演の演出家。『ヘアー』『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』『ゴッドスペル』『アップル・ツリー』などの、B級カルトミュージカルと言うか、オフブロードウェイミュージカルや、『トーチソング・トリロジー』『真夜中のパーティー』など、まだ日本では認知されにくかったゲイを描いた作品を、日本の演劇界に運び込んできて下さった、功労者。王道の大作ミュージカル『ピーターパン』『42nd ストリート』や…まだまだまだまだあるけど…。

 

青井陽治さんのウィキペディアを見てみたら(作品一覧を見ようと思って)、翻訳作品の一部が掲載されているだけで(こんなに少ないはずは無いでしょう…)、演出作品は ひとつも載っていない。どうして???

 

ビッグネームなのに、あちこちの劇場のロビーや客席でお見かけする感じは、おだやかで、腰の低い、気さくなおじさま、だった。もっと、偉そうにしてもいいのに(許されるのに)。いろんな劇場で お見かけしたという声が、SNS上に多く見られるのは、本当に、毎日のように、芝居やライブを観に行かれていたということですよね。すごい。

 

新納慎也さんのブログより。

https://ameblo.jp/shinya-niiro/entry-12307166238.html

青井陽治さんの存在なくして、今の自分は無い、と言う役者さんが、役者さんのみならず演劇人が、どれくらい いらっしゃるのだろう。唯一無二の人を失ったのだな、日本の演劇界は。

 

改装中のパルコ劇場。リニューアルした新劇場でも、『ラブ・レターズ』(青井さんが翻訳・演出。日本初演から26年携わった)は、ずっとずっと、上演し続けてほしい。

 

ご冥福をお祈りします。合掌。