先週、知人が他界した。SNSで知り合い、劇場でお目にかかることも度々あった。お茶飲んだりゴハン食べたりはしていなかったが、10年来の知り合い。5年前から病と闘っていて、昨年には余命宣告を受けた、ということは、ご本人が投稿されていたので、ああ…その時が訪れたのか…と、受けとめた。

 

直接お目にかかったのは、トータルで10回ぐらいだと思うが、彼は いつも笑顔だった。優しい柔らかい語り口で接してくれた。

お互いのSNSの投稿に反応したりもした。観劇絡みでない、政治的な投稿(現政権への不満・不信をつぶやいたもの)にも、お互いに反応していた。私は、彼の笑顔しか見たことはないけれど、こういう時は怒った顔をしているんだろうなと想像していた。強い激しい口調で喋る彼は、まったく想像できないが、近しい間柄の方々には、そういう面も見せていたのかなあ。

 

SNSを始めて十数年。SNSきっかけで知り合い、実際にお会いした方々、SNSのやりとりはあるけれど、一度もお目にかかったことの無い方々、さまざまだが、幸い、私の場合、直接 会ってみて がっかりしたということは無く(相手方は どう感じてらっしゃるのかわからないが)…。SNSを介して知り合う方々が皆無の世界に比べれば、本当に有り難い、充実した世界だと思うのです。

 

お仕事に、お酒(&お食事)に、観劇やライブに、人生を楽しんでいた●●さん。闘病しながらも、お仕事も観劇も楽しみながら、最期まで生き抜いた彼に、合掌。安らかにお眠り下さい。出会ってくれて、ありがとうございました。

昨夜は、随分前から(4月末?)告知されていた、フジテレビ系『オールスター合唱バトル』を視聴。半年に1回ぐらい放送されているのかな?今回は第4弾。演歌合唱団や、ものまね合唱団のパフォーマンスが、いつもインパクトが強いが、今回の注目は、ミュージカル合唱団。そうだよね、何で、今まで、ミュージカルチームを参戦させなかったんだろう。この企画には、うってつけですよねえ。

 

メンバーは、伊礼彼方さんをリーダーに、阿久津仁愛さん、梅田彩佳さん、小野田龍之介さん、河西智美さん、加藤諒さん、神田恭兵さん、岸祐二さん、香寿たつきさん、鈴木蘭々さん、田中秀哉さん、中井智彦さん、中別府葵さん、長谷川初範さん、遥海さん、藤森蓮華さん、増田有華さん、松原剛志さん、MARIA-Eさん、宮澤佐江さん、唯月ふうかさん(五十音順)。他の6チームは20人なのに、ミュージカルチームだけ21人なのは、なぜ?人数は同一にすべきだと思います。

20~30年のキャリアを持つ方も少なくないのに、たった1つの作品名だけをお名前の上に乗せる(レミゼとか、エリザとか)のは、何だかなあと思ったが、名前のみのクレジットよりは、わかりやすくていいのかもな。お目当ての香寿たつきさんには、〔元宝塚歌劇団星組トップスター〕の肩書が。元ジェンヌのなかでは、たったお一人の登壇、ひときわ輝いていらっしゃいました(贔屓目あり)。

 

1曲目はKing Gnuの“白日”、2曲目は尾崎豊さんの“I LOVE YOU”。“I LOVE YOU”は最高得点の500点満点!リーダーの伊礼さんも仰っていたが、やはり、お芝居のチカラ、言葉を(日本語を)伝えるチカラが、ミュージカルチームの強みなのだなあと感じた。歌い出す前の顔の表情だけで、今から舞台が始まる、という雰囲気が感じられるのだもの。

1曲目の終了後には、司会の松井玲奈さんが、「このステージが帝国劇場になりました!」と仰っていたが、大げさではなく、そう感じられた。

 

ミリオン再生合唱団の2曲目“浪漫飛行”も、500点満点を獲得!全体を通して、“YAH YAH YAH”、“がんばりましょう”、“バンザイ~好きでよかった”など、1990年代の、いわゆる〈元気が出る〉楽曲が多く、観ていて聴いていて気分がアガった。

過去の放送では、もっと、練習風景が紹介されていたけど、今回は少なめ。もうちょっと、映してほしかった。

 

伊礼さんのリーダーシップが素晴らしく、ボーカルキャプテンを務める中井さんのサブリーダーぶりも頼もしい。振付は藤森さんで、『ムーランルージュ』出演組が まとめ役となったが、私が来週『ムーラン』観劇予定の回には、3人とも出ていらっしゃらないという…ご縁が無くて残念。

 

見逃した方は、TVerやFODで視聴できますので、ぜひ。

 

 

東京宝塚劇場の支配人・小川甲子さんが、7/7に千秋楽を迎えた月組公演をもって、職を退かれたそうだ。

私がそのことを知ったのは、宝塚ОGさんのX(twitter)投稿。大先輩の甲にしき(小川甲子)さんの退任パーティーに出席したという内容。小川甲子さんのお誕生日が7/8と知って、あ!と思い当たった。それ以前に目にしていた別のOGさんのインスタ投稿で、お世話になった方のお祝いの席で…という写真。HAPPY BIRTHDAYの文字が飾られ、ケーキも置かれていた。しかも、私と同い歳(今年はキリのいい年齢なのです)のOGさん4人のショットで…何かウレシイ。そして、その写真に写ってらっしゃる別のOGさんも、甲にしきさんの支配人様ご退任お疲れ様会に出席した、と、投稿して下さった。

 

宝塚花組のトップスター(1970年~1974年)として活躍された甲にしきさん。私は、現役時代の舞台はまったく拝見していないのだが、甲にしきさんが表紙のプログラムは数冊保持していて(古本屋で購入)、当時の花組生のお写真を眺めたり、脚本をじっくり読んだり(お芝居の脚本はもちろん、ショーの脚本も、配役表と照らし合わせて見ると、こういうショーだったんだなあと想像できて、楽しいですよ)してきた。

劇場で、小川支配人のお姿を見かけると、話しかけてみようかなあという気持ちも湧き上がるが、何を話せばいいのかわからなくて、結局、一度もお話しできず。無言で笑顔で会釈すればよかったかな。いちばん無難なアクション。

 

今年2月、東京會舘で『越路吹雪トリビュートディナーショー』を楽しんだ終演後、私は小川支配人に遭遇した。例によって、話しかけてみようかなあ…とチラッと思ったものの、何もできず、会場(3階)から1階まで、エスカレーターで私の後ろにいらっしゃる(至近距離!)小川支配人のお声(会話)に耳を澄ませるのみだった。

 

小川甲子さんが東京宝塚劇場の支配人に就任されたのは、リニューアルオープンした2001年から(旧・東京宝塚劇場は1997年に閉館)。杮落としは月組公演だったな。真琴つばささんのサヨナラ公演から、月城かなとさんのサヨナラ公演まで、23年半。背筋をピンとはり、ちょっとしゃがれた(すみません)よく通るお声で、長きに渡り、ロビーに立ち続けた、上品で華やかでカッコいい支配人様。本当に本当に、お疲れさまでした。