アルカディア製 1/24 メガゾーン23の主役メカ 「ガーランド」です。

8/1に発売された物の、余りレビューらしきものも見当たらなかったので、ようやく手元に届いた勢いで立ててみました。



『メガゾーン23』は、1985年3月9日に発売された日本のOVA作品。製作は株式会社あいどるビクター音楽産業。アニメ制作はアートランド・アートミック。

この世界の秘密を握る情報端末マシン、それがガーランド。バイクからロボに変形し、ある程度の情報収集と情報操作が可能な電子攻撃機。自衛のため、肉弾戦やオーブガンによる武装を施されています。



写真はパッケの斜め前から。
大体横A4サイズで厚みが5㎝位の、大型MSのHGサイズです。



写真はパッケの斜め後から。
設定画を参考にしたイメージカットと、さりげないプレイバリューアピールが過不足無く紹介されています。



なので、今まで発売された本やら映像パッケと同じ本棚に並べて飾る事が出来ます。トータルデザインが当時の空気感と今風のハイブリッドな感じでカッコいい。



写真はパッケージ内訳。他は変形手引書とネジ隠しシールのみの、極めてシンプルな内訳です。
全塗装故に剥げやすいから注意の紙も入っています。



初回生産分だけしかに付かないのが勿体無いブックレットです。

ハイレベルなパッケ絵担当のことぶきつかさ氏による前日譚漫画(MZ版 デイアフタートゥモローみたいで面白い)と、メカ設定画によるマニューバスレイブ系譜が主な内容。



80年代中半のバイクブームと、AKIRAバイクの影響の下で産まれたバイク変形主役ロボ。

個人的に荒牧氏によるガーランドは、VF-1バルキリーに匹敵するデザイン&変形機構だと思います。

ちなみに所々登場するミクさんは、本作に登場するVRアイドル「時祭イブ」の代理人。



パッケージ&内部紹介も終わった所で、同じ1/24で、形から機構から何から何までやまと版そっくりなアオシマのプラモと比較しながら紹介していきたいと思います。

ちなみに、アルカディア版の省吾人形は、アオシマ版に違和感無く座らせられます。



まずは「マニューバクラフト(以下バイク形態)」から。左がアオシマのプラモ、右がアルカディアのトイとなります。

※プラモの作り方が雑なのと、ノーマル&プロトのキメラになっているのはご了承下さい。



手の中に入るサイズで程々の重さ。保持力は抜群で、撮影時は全くストレスはありませんでした。



大きさ比較のため3面撮影を行いましたが、ご覧の通りアルカディアの方がかなり大きいです。





縮尺的にはアオシマの方が正確。なので、同じ1/24スケールのミニカー等と絡めるとアルカディアの方が違和感(ガーランド、デケエ!)を感じてしまうのが残念なところ。
ですが塗装が上品なので、質感はミニカーと比べても負けていません。

大きさ比較にはなりませんが一応斜めからも。



では変形させていきます。

ガーランドの変形の要その1。斜めに設置された股関節可動アーム。

従来、強度・まとまり・精度の面から、基本水平線に対し平行or垂直に設置される可動軸を、あえて斜めに設置する事で、最低限の可動で両形態でのまとまりと強度を確保。こんな状態でもぐらつきません。

剥き出しの構造物が、リアルロボとしてのデザイン上のアクセントにもなっています。
ライト部やウィンカー等、細かいところまで透明パーツ化してくれているのも嬉しいポイント。



ガーランドの変形の要その2。2つの可動軸でZ型の蝶番構造にした胴体部。
バイクのタンク&エンジン部を中心とし、前部と後部でバスタブを形成。ライダーを包み込むように変形します。

写真は構造を解りやすく見せるためにそこだけ抜き出したアオシマのプラモ。バイクとロボの齟齬を解決するため、ここで一気にねじ伏せた感が好き。



アオシマは省吾人形を載せたまま変形できるクリアランスがありますが、アルカディアにはそのクリアランスが無く、上半身のみの人形に差し換える事になります。

その効果で前部の長さと厚みが抑えられ、中のタンク&シートは大型化。両形態のバランス良化に繋がっています。



ガーランドの変形の要その3。軸&回転可動が集約する肩関節可動アーム。

デザイン時から細かい変形が集約した「細い・狭い・複雑」の三重苦を抱えた最大の難所。



でもアルカディア版はどの形態でも保持力が高くストレスフリー。負荷部に金属を用いた変形機構も含め、安心して存分に目で見て触って確認できる立体物ならではの楽しさが、このガーランドにはつまっています。





という事で「マニューバスレイブ(以下ロボ形態)」。

柿沼氏による流麗な設定画再現を目指した本商品に敬意を表して撮影を頑張りましたが、足首パーツの角度を変え忘れる痛恨のミス。



こちらも左がアオシマのプラモ、右がアルカディアの玩具となります。





…って、もう別モンじゃねーか!



ロボの時はここが3mm穴となっているため、
他社のスタンドが使えます。
ちなみに指は、このサイズでPG並みにフル稼働!表情付けに大きな役割を果たしてくれます。

気を取り直して以下、可動確認も含めて何枚か。







当時のリアルロボットブームの最先端を行くイメージは、現在は漫画家の宮尾岳氏によるイメージボードで既に提示されていました。

胸中央が極端に飛び出た80年代ロボでも正面構えが出来る程の稼働範囲。

そのスピード感・パワー・リアルな世界に突如現れた異形さを、手元に置いておける喜びは測り知れません。



充足感を得られる満足な出来でした。ただ変形時の力加減によるポロリには注意。

最後に、大人の事情は充分分かっているけど言わせて欲しい。
ハーガン実現のために印刷物で購入を煽るなら、ネットや店舗予約で上限数を決めたり、早々に予約を締めないで欲しいです…多々買う準備は出来てるんですから。



レビューは以上となります。ありがとうございました。後はハーガンとイクサーロボが出れば、OVAロボは満足です。

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ここまでご覧になった方の中には「あれ?どこかで見たことある…」と思った方もいるかもしれません。

実はこれ「ふたばちゃんねる」の「模型裏」に、私自身が立てたスレが基となっています。

スレも落ち、保管している場所も無さそうなので、良い機会かと思いブログの初ネタにさせて頂きました。

今回は当初のイメージでひたすらレビューに徹していますが、実際のスレでは私の中では数少ないメガゾーン祭で、まとまりの無いまとめ方になってしまいました。その節は申し訳ございませんでした。

それでも、貴重なメガゾーンの資料が惜し気もなくアップされ、知らなかった話で盛り上がれたのは嬉しかったです。その節はありがとうございました。

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以下、蛇足となります。


…ええ、分かってるんです。

まとまりの無いスレになってしまったのは、ついつい小ネタを仕込んでしまい、焦点がブレてしまったから。

自分は「TOY&模型」を飾る際、何かしらの関係を見いだし「別の物と一緒に」飾るのが好きなのです。
そこに飾った人の意図や、ドラマ性が滲み出てくる所に、限りない面白みを感じるからなのですが…。



例えばこれ。
写真は1/24スケールとしての大きさ参考。
ガーランド、デケエ!が実感出来ます。





写真は立体物としての大きさ参考。
HGの標準MSサイズとの比較。

理屈では分かっているのですが、開いて伸ばす変形なので当然体積は増すはず。でも実際に変形させて体感すると、やっぱり理屈抜きで面白いのです。

…にしては、この差異は有りすぎると思う。何でHG Gファイターで遊んでいたはずなのに、変形させたらMG グフになるんだって位ボリューム感が変わります(個人的体感値)。



写真のハーガンは、これまた今は亡きアトリエ彩から出ていた、いわゆる「消ゴム人形」。

ノーマルも所有していたのですが、全塗装を施すという野心的処理がアダとなり、塗装がベタつき原形を溶かしてしまい泣く泣く処分。

結果、成型色で構成されていた(一番手を抜かれていた)ハーガンが生き残った次第。



これは小芝居になってしまうのですが…。

ガーランドは、搭乗者の専用バイザーに付属したインカムでの口頭命令で、ある程度の自立行動が可能なようなので…。呼んだら来る忠犬的なロボって、良いよね(チェインバーとかザカールとか)。

「おっ、来た来た!」

「…その可愛いバイクは何ですか?7Gのオペレーター」



写真の原チャリは、収納出来るバイクとして有名なモトコンポ。メガゾーンの舞台となった1985年まで実際に生産されていた代物です。

バイク搭乗形態の省吾だけが余るのが忍びなく、エフトイズの1/24シリーズで省吾が乗りそうなバイクの選択に悩んでいた所…

まるで申し合わせたかのように発売されました。発売元はプラモ版ガーランド発売先のアオシマと、これまた狙ったかのような因縁が。しかし腕が動かずまともに乗りゃしねえ。



やまと版とアオシマ版は、バイク時にオーブガンを腕と腕の間に収納する事が出来ました。

このパない大きさ&重量を、バイク前部のウェポンスペースに搭載している訳です。



今回のアルカディア版ではそのギミックはカットされてしまいましたがスペースは残っておりまして…ひょっとしたらガーランドにはモトコンポが収納可能?と思い試してみたのがこれ。

惜しい。これで自宅と駐車場が離れていても問題無いかと思ったのに。



まあそうなると、武装解除しただの原チャリ移動マシーンと化してしまうガーランド in the City。これにはB.D.も苦笑い。

…ああ、湘爆がやってたポーズってマッドネスだったのかと今更気がつく夏の日のメモリー。



レビューの最後の写真のプロトガーランドは、WAVEの1/32プラモ。造って楽しい良く出来たモデルなのですが、アオシマ同様なかなか再販されないのが玉に傷。ほぼ同スケールの「機動警察パトレイバー」と並べて撮影したものとなります。

…とまあ、とりとめが全くありませんが、こんな感じで自分なりに楽しくレビューしていきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

では、また。



※2024/5/1追記

 MODEROID版ガーランドのレビューはこちら。