旅行の2日目はまず佐久奈度神社(さくなどじんじゃ)に向かった。この旅行中に参拝した唯一の滋賀県の神社になる。

 

私の守護霊様チームのメンバーである瀬織津姫を祀る神社である。そして、なぜか今、瀬織津姫が大流行中である。瀬織津姫については過去記事「私の守護霊様チーム(3)」に詳しく書いているので、興味がある方は参照していただきたい。

 

実は瀬織津姫だけでなく祓戸四神(はらえどよんしん)を祀っており、私のメインの守護霊であるミズハノメも別名の速秋津比売(ハヤアキツヒメ)として祀られている。しかし、当社ではミズハノメはオマケなのである。当社は完全に瀬織津姫メインの神社であるといってよい。理由は後述する。

 

前述の過去記事に書いたように、古代の日本は瀬織津姫信仰だったのだが、ある時に人為的にアマテラス信仰に切り替えられてしまった。そのため、瀬織津姫としてそのまま祀られている神社は少ないのである。

 

瀬織津姫の別名として有名なものには「菊理媛(ククリヒメ)」、「玉依姫(タマヨリヒメ)」、「天照大神の荒魂(あらみたま)」などがあり、それらの名前で祀られている神社であれば、以下のような有名神社がある。

 

・白山比咩神社(石川県/ククリヒメ=シラヤマヒメ)
・賀茂御祖神社(京都府/タマヨリヒメ)
・伊勢神宮内宮 荒祭宮(三重県/天照大神の荒魂)
・廣田神社(兵庫県/天照大神の荒魂)

 

しかし、瀬織津姫名義の神社となるとこれらほどの有名神社はなく、その中でも敢えて挙げるとすれば、当社か岩手県の早池峰神社ということになる。

 

さて、当社の最寄駅はJR・京阪の石山駅(または京阪石山寺駅)である。同じ石山駅を最寄とする有名神社には近江国一宮である建部大社があるので、建部大社参拝の際には当社にも寄ってみると良いかもしれない。建部大社は以前に参拝しており、今回の旅行は予定がたくさんあったため、建部大社はパスして当社のみの参拝である。

 

 

石山駅から京阪バス大石小学校行に乗り23分、終点大石小学校下車。そこから徒歩1分で当社に着く。

 

石山駅は大きな駅ではないが、まあ街中にあるし、このバス路線も結構利用客が多い。その割には風光明媚なのである。瀬田川に沿ってひたすら南下する路線であるが、その瀬田川の風景はなかなか目を楽しませてくれる。

 

当社は延喜式内の名神大社。そして、近代社格は県社である。

 

 

手水舎。朱塗りが美しい。後で出てくる拝殿・本殿とセットで見ていただきたい。

 

当社は祓戸四神を祀るので、手水舎で手・口を清めることに特に注意を払っていただきたい。

 

 

 

新緑の季節。緑鮮やかな境内。清々しい場の気である。

 

 

 

拝殿。祓戸四神を祀る神社だけあって、祈念中には瀬田川のせせらぎが心を洗う。罪・穢れを祓う気持ちよさがある。

 

 

 

本殿は三間社流造(ながれづくり)。本殿まで朱でまとめているのは女神を祀る神社らしさを感じる。

 

御祭神は祓戸四神。瀬織津姫、速秋津比売、気吹戸主命(イブキドヌシ)、速佐須良姫命(ハヤサスラヒメ)。前述のように瀬織津姫がメインで、瀬織津姫と速秋津比売は私の守護霊様チーム。

 

速佐須良姫命(ハヤサスラヒメ)の正体は、ズバリ、スサノオの分身である。今、検索してみたところ、ビックリしたことに「ハヤサスラヒメ」と入力したら「スサノオ」が補完された。ハヤサスラヒメ=スサノオという説は既に世の中にあったのである。ただし、スサノオ本体ではない。なにしろ、スサノオは男性神だから。ハヤサスラヒメは文字通り女神であるが、スサノオは下の次元に分身をつくって女神としたのである。

 

分身の説明については過去記事「高次元存在の分身の術」を参照していただきたい。

 

そして、気吹戸主命(イブキドヌシ)は本当は神ではなく、眷属である。まあ、眷属神という言葉もあるので、神だと思えば神とも言えるが、私や女神様たちの定義では神とはしていない。ちなみに、眷属というのは神のお仕えであるが、「誰に」仕えているかは決まっている。気吹戸主命(イブキドヌシ)のご主人様は速秋津比売である。

 

ここで、なぜ当社が瀬織津姫メインの神社かという話になる。

 

それは、当社名称が「さくなど」神社だからである。大祓詞(おおはらえのことば)に以下のようにある。

高山(たかやま)の末(すえ)低山(ひきやま)の末より

さくなだりに落ち激(たぎ)つ速川(はやかわ)の瀬に坐(ま)す

瀬織津比売(せおりつひめ)といふ神
大海原(おおうなばら)に 持ち出(い)でなむ

この「さくなだり」が当社名の由来であろう。「さくなだり」の意味は渓流といったところらしい。ともかく、大祓詞での「さくなだり」という言葉は瀬織津姫の説明部分に出てくる言葉ということになる。だから、佐久奈度神社(さくなどじんじゃ)は瀬織津姫の神社で良いのである。

 

ちなみに上記の概略の意味は「川の急流にいる瀬織津姫という神が罪・穢れを祓って海に流してしまう」という感じである。

 

だから、瀬織津姫は滝の神様でもあるのである。伊勢神宮内宮の瀧祭神(たきまつりのかみ)というのは御祭神が瀧祭大神となっているが、実はその実体は瀬織津姫である。

 

日本で龍神と言ったらほぼ高龗神(タカオカミノカミ)を指すのと同様に、滝の神と言ったら瀬織津姫を指すのである。

 

 

本殿脇にある焼鎌(やきがま)神社(左)と敏鎌(とがま)神社(右)。大祓詞を知っている方なら一発で何を指すかは判る。

 

(現代語訳)

このように祝詞を唱えたならば(中略)罪・穢れは消え失せるだろう。それは(中略)まさに生い茂った樹々を、焼いて鍛えた鋭利な鎌で切り倒すがごとく。

 

ただ、原文は「焼鎌の敏鎌」と出てきていて、これで1つの「焼いて鍛えた鋭利な鎌」を指す。「焼鎌」と「敏鎌」のペアで2つ存在しているわけではないので、2社に別けてペアで祀っているのは私から見るとおかしい(まあ、御愛嬌)。

 

 

手水舎の近くにあった、もう1ペアの境内社。左が八幡神社。右は稲荷神社。

 

 

境内にある展望台。

 

 

展望台からの眺め。新緑に瀬田川のブルーが美しい。

 

川辺に下りることもできる。

 

 

 

 

当社は風光明媚な瀬田川に面して建っているが、大祓詞に出てくるような上流の流れが速い場所ではない。

 

瀬田川というのは琵琶湖から流れ出ており、実はそちらが上流なのである。石山駅という街中からバスで20分、山の方へやって来たから上流へ向かっているのかと思いきや、この地は石山駅よりも標高が低い。そして、この先、京都府に入ると名称が「宇治川」になり、さらにその先の大阪府では「淀川」になり、最終的に大阪湾へと流れ出ているのである。

 

この地へは琵琶湖方面とは別の山の方からも細い川が流れ込んで合流しているのであるが、どちらにせよ、急流とか渓流とかの言葉がふさわしい雰囲気はない。もっと上流に元宮があるとかでもない。

 

昭和39年に下流の天ヶ瀬ダム(宇治市)建設に伴い現在の境内地に遷座したとのことらしいが、元々より下流にあったのであれば、やはり「速川の瀬」という感じではないだろう。

 

 

川辺にあった、名称不明の境内社。川の神様らしく、ミズハノメは自分が祭神だと言っているのだが・・・。

 

当社の境内規模はそれ程大きくはなく、参拝だけであれば15分程度。ただし、「さくなだり」の景色を楽しむのも当社参拝の大きな要素であるから、30~40分程度見ておくのが良いだろう。

 

当社基本情報と全ての画像は以下を参照していただきたい。

 

現代神名帳 佐久奈度神社

 

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