よく見掛ける親子の日常風景かも知れない。
子供「皆が進学しているので、自分も大学に入ったけど・・自分が学ぼうと思っていたことと余りに違う、大学辞めてもイイかな?」
父親「俺にもそんな時代はあったけど、卒業したことに後悔はしていない。途中で辞めてた方が後悔したと思うよ。最後まで行かないと・・・・感じることや分らないこともたくさん有るしな」
子供「でも、あのアップルのスティーヴ・ジョブズだって半年で退学してるし、その後は好きなことをやって生きてきたじゃん」
父親「あのアップル・・のスティーヴ・ジョブズがか?だとしてもビルゲイツはハーバードの大学院まで行っているぞ・・・」
子供「僕はビルゲイツよりもジョブズの生き方に魅力を感じるんだ」
アップルの創始者故スティーヴ・ジョブズ氏
余りにも有名で、余りにも早い彼の死は世界の人々を驚かせ、深い悲しみに追いやった。
でも、よく考えるとアップルのジョブズ氏は有名だが、その生い立ちや何故あの有名大学を早期に退学してしまったのか?などについてはお恥ずかしい話、全く分かっていなかった。
スマートフォンやタブレット端末、そしてiMac・・・その高性能で独自性の高い製品には心を踊らされ、魅せられてはいたが、発案者の思いや魂に触れることまでには至らなかったようだ。
ご存知の方になんとも詰まらないブログ内容かも知れないが(スルーして下さい)、改めて故スティーヴ・ジョブズ氏を回想してみたい。
ジョブス氏は、前述のように確かに大学を半年で退学し、その後18ヵ月間は同じ大学でモグリの受講生をしていたらしい。では何故大学をやめたのかは氏の出生前に遡らなけばならない。
生みの母は未婚の大学院生だったので生まれてくる子を養子に出すことにし、大学出の人にと強く思っていた。しかしリスト待ちをしていた夫婦の元に引き取られることになってしまった。
母親になる人は大学を出ておらず、父親は高校も出ていないとわかり、産みの母親はサインを拒んだのだが、必ず大学に入れるとの約束をすることで折れ、こうしてジョブス氏の人生はスタートしたのだ。
17年後に大学へ行くときは何も考えずに高い大学を選び、両親の蓄えは大学の授業料に費やされた。自分が何をしたいのか、大学がその役に立つのかも分らなくて、自分はただ両親の蓄えの全てを使ってしまっている。
だから大学を退学することは簡単に決意できた。そう・・全てうまくいくと信じて。
その時は怖かったが振り返ってみると最良の決断だったと思っている。退学した瞬間から興味のない科目は必要がなくなり、面白そうな科目をモグリで受けることができたからだ。住むところがなく友だちの寮の床で寝て、コーラの瓶を回収して食べ物を買い、日曜日の夜は7マイルも歩いて寺院でごちそうにありついた。(1マイル = 1.609344 キロメートル)
当時、その大学は国内で最高のカリグラフィ(装飾文字)教育をしていたので、モグリでカリグラフィの技術を習得し、10年後に最初のMacintoshをデザインするとき、その全てをMacに組み込むことができた。点と点のつながりはそのときは予測できないが、あとになってつながりが見えてくる。だから根性、運命、業、なんでも構わない、その点がどこかにつながると信じていれば、他の人と違う道を歩いていても、自信を持って歩き通せる。それが人生に違いをもたらすのだ。
若くして自分の好きな道を見つけ懸命にはたらき、ガレージで二人から始めた会社が10年後に社員4000人の20億ドルの会社に成長していた。そしてMacintoshという最高の製品を出した1年後、30歳で自分が創った会社からクビになった。
とても有名なクビであり、自分の人生の焦点がなくなり破滅的でもあった。数カ月は何をしてよいかわからなかったが、成功者としての重責が初心者の気軽さに変わったせいか、自信は失ったがその間が最もクリエイティブな期間となった。その後の5年間でNextとPixerの会社を始めPixerで「トイストーリー」という世界初のコンピューターアニメーション映画を作り、世界で最も成功したアニメーションスタジオになっている。アップルがNextを買収しジョブスはアップルに戻り、Nextで開発した技術はApple再生の中心となった。
ジョブス氏は言う。
「時にはレンガで殴られたような苦しみに遭うことがあるが自分を見失わないで欲しい。自分のすることを愛してやり続けてください」
ジョブス氏は癌を宣告され、医者は「家に帰って、やり残したことを片付けなさい」と言うアドバイスをすることしか出来なかった。
つまり「死ぬ準備をせよ」という意味だ。「自分の子供たちに全てを伝えろ」ということ。つまりは「さようならを言っておけ」と言うことだと悟った。その宣告を抱えて過ごしたが、手術によって奇跡的に回復する。
それを通してジョブス氏は確信を持って言う。
「死は全ての人の終着駅であり誰も逃れたことはないし、死は古き者を消し去り、新しき者への道を創る。新しき者とはつまり若者たちのこと。しかし、そう遠くはないうちに、若者も「古き者」となり消えていく」
「あなたの時間は限られている」「無駄に他人の人生を生きないこと」「教義に囚われないこと」それは他人の考えにつき合った結果に過ぎないからだ。「他人の雑音で心の声がかき消されないようにすること」「最も大事なのは自分の直感に従う勇気を持つこと」直感とは、自分が本当に求めることを分かっているもの・・・それ以外は二の次である。
「もし今日が人生最後の日だったら、今日、これからやることをやりたいのだろうか?」答えが「NO」という日が何日も続くようであれば、何かを変える必要がある。
最後にジョブス氏には忘れられない言葉がある。若いときに感銘を受けた雑誌シリーズの最終巻の裏表紙に記されていた言葉、Stay hungry Stay
foolish(ハングリーであれ、バカであれ)
本文は伝説のスピーチと言われている2005年のスタンフォード大学の卒業式で行われたApple創始者スティーヴ・ジョブス氏のスピーチを抜粋したものである。折しも日本でもこれから入学、卒業のシーズン、これから社会へ旅立つ若者達へ、そして、世の父親たちから愛する息子、娘たちへ、少しでも参考や励みになればとの思いを込めて掲載させて頂いた。
ジョブス氏の卒業スピーチは、社会に巣立ちこれから「仕事」をする若者たちへのメッセージであるせいか、仕事に対する姿勢、信念を軸に語っているように思える。その多くが示唆に富み人生の全てにおいて関わりを持つ教えられるものでもあり、行き着く先が見えているような我々でも、大いに考えさせられる内容であった。
今日はもこの辺りでお別れしよう・・・・・



