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勝手にFUKUOKA国際映画祭のブログ

FUKUOKA国際映画祭とは独断と偏見で
感銘を受けリスペクトしてやまない映画を表彰し
その映画の素晴らしさを兎に角広く知ってもらいたいと願う
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第13回 「ポリス・ストーリー/香港国際警察」

1985年香港

監督:ジャッキー・チェン

出演:ジャッキー・チェン

   マギー・チャン


受賞ポイント「アクション芸術」



【賞 評(ここが好き)】


今回の受賞は…

『ポリス・ストーリー/香港国際警察』

なんと!アクション映画!


前回までの受賞作を見れば…

意外かもしれないが…


もし優れた芸術の定義が

今までの常識や既成概念を壊し…

人に何かしらの

インプレッションを与えるということであれば…



本作のアクションアイデアは

まさに優れた芸術と言えるのではないか



ジャッキー自身も

本作が『アクションでは自分の作品でNo.1』

と語るように



体力的にも発想力的にも

脂の乗り切ったジャッキー・スタントチームが

ありとあらゆるアクションアイデアを

これでもかと見せ付ける


さらに男性だけじゃなく

マギー・チャンをはじめ女性も

激しいアクションを演じるのも本作の特徴

(今は普通だが…これも当時はかなり斬新だった)



冒頭…

車で山の斜面の村に突っ込むシーン

今見ても迫力がスゴイ!

(恐らく…2、3人轢かれてるんじゃないか…)


ラスト…

ショッピングモールのシーン

とにかくアクションアイデアの

オンパレード!


もちろん…

ストーリーは単純明快・勧善懲悪なので

そういった意味での深みは全く無い



しかし…

1作にこれだけの

アクションアイデアを出せる人が

世界の監督にいるだろうか…




また…グリーンバックで演じ

CG処理をする前提の

現在の演技とは違い

ライブ感のアクションも

楽しめる

(こんな作品ほど3Dで見てみたい)


編集でスローもほとんど使わず

(日本のアクション映画でよく使う

 若干ごまかしの手法)

本物のキレのあるアクションも素晴らしい


続編も多く出たが

なんと言っても1作目が秀逸!

単純に楽しめるので…

是非見て欲しい!



【あらすじ】

ジャッキー・チェン扮する刑事が

麻薬組織を追い詰める

単純明快なストーリー



レンタルショップ発見率

★★★★★★★★★90%

多くのレンタルショップに置いている

続編が多いので…間違えないように…






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第12回 「砂の女」

1964年日本

監督:勅使河原宏

出演:岡田英次

   岸田今日子


受賞ポイント「安部公房が描く砂上の舞台」



【賞 評(ここが好き)】


今回の受賞は…

日本が誇る文豪

安部公房が原作・脚本を担当した

『砂の女』



若い人には馴染みが薄いかもしれないが…

安部公房は世界的に有名な日本の作家で

1993年に68歳でこの世を去るのだが…

もし…あと10年生きていれば…



川端康成に次いで日本人2人目の

ノーベル文学賞を

受賞していただろうと言われる

(おそらく大江健三郎より先に…)

昭和を代表する文豪!

(個人的にも大好きな作家)



本作『砂の女』は

『他人の顔』『箱男』などと同じく

安部公房を代表する作品

通常は映画化されると

脚本は別の人が書くのだが…



劇作家でもある安部公房は

自ら脚本も書いた

(これも本当に珍しい)

『砂の女』は砂丘の穴の底にある

一軒屋に閉じ込められた男と、

その一軒屋に住む女とを描いた作品だが…


シチュエーションは

ほぼ…この砂丘の一軒屋

出演者も

ほぼ…この男と女のみ

(たまに村人がでてくるが…)

それで2時間半近く

ストーリーが展開していく


役者の台詞まわしの時代的な古さや

わざとらしい効果音など…

今観ると古い感覚があるが…

それを差し引いても

2時間半あきずに楽しめるのは

安部公房の独特の世界観と

構成力!


そして…

心理描写を表現するような

様々な砂の姿…


映画というよりは

砂上の舞台劇と言ったほうが

ふさわしいかもしれない

この作品…

是非見て欲しい!

それにしても…

戦前・戦後近辺の日本は

文学作家と映画監督に

多種多彩な人材が揃っていた

凄い時代!


【あらすじ】

ある一人の男性が

昆虫採集のために訪れた砂丘で

砂の穴の一軒屋に閉じ込められ

女と一緒に暮らすことになる



レンタルショップ発見率

★10%

海外でも多くの賞を受賞した作品だが

レンタルショップには本当に置いていない

意外と図書館のライブラリーに

あったりする





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第11回 「秘密と嘘」

1996年イギリス

監督:マイク・リー

出演:ブレンダ・ブレッシン

   ティモシー・スポール


受賞ポイント「アドリブ世界のリアル」



【賞 評(ここが好き)】


今回の受賞は…

イギリスの誇る名監督マイク・リー監督が

カンヌでパルム・ドールを獲得した名作

『秘密と嘘』



これまで多くの監督や作品を

紹介してきたが…

この監督の演出方法ほど

独特なものはない…



なんと!

作品に台本はなく!

役者達と即興(アドリブ)で

キャラクターや台詞(せりふ)を

決めていくのだ!



もちろん大まかなストーリーは

あるのだろうが…

それにしても凄い…


かつて香港映画は他社に企画を

パクられないために

台本は無かったが…

それにしても…

パクられる必要のないイギリスで

なぜ…


答えはその演技を見ればわかる

そう…役者たちが

そのキャラクターに入りきって

演技しているため

とにかくリアルなのだ

それが如実に出ているのは…

母と娘が再び出会うシーン


マイク・リー監督は比較的カット割をしっかりし、

役者のアップの顔など…表情も多く見せ

オーソドックスな撮影をするのだが…


その一番大事なシーンだけは

ワンシーンワンカット長まわし

(ずっと同じサイズ)で撮影している


これで…同じシーンを1回だけ

演じればいい

(通常は同じシーンを2、3回演じる)

母と娘が何十年ぶりに

再び出会うシーンを

リアルに表現するために…

役者のアドリブから出てくる

化学反応を信じている監督マイク・リー


特に本作に出てくる人物たちが

嫉妬や憎悪・嘘など…

人間の負の部分を持っている

キャラクターが多いため…



その人間模様がリアルに

描かれる…


【あらすじ】

未婚で中年のシンシア

かつて産みおとし

その存在すら忘れていた娘が

目の前に現れる



レンタルショップ発見率

★10%

同じマイク・リー監督の

『ヴェラ・ドレイク』は結構置いているが

『秘密と嘘』は本当に少ない

どうしても見たい人は

youtube → 『Secret & Lies』 で検索すると

見れるが…字幕はない



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第10回 「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」

2006年日本

監督:金子文紀

脚本:宮藤官九郎

出演:岡田准一

   櫻井翔


受賞ポイント「方程式×崩壊=無重力」



【賞 評(ここが好き)】


第1回~第9回までの受賞作は

比較的アンチ商業映画だったが…

今回の受賞はド商業映画!

しかもテレビ局が作った映画!



個人的にテレビ局の作る映画は嫌いだ!

理由は…

たいして面白くもないのに

宣伝があまりにも多すぎてウンザリするから…



が!…この作品

「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」は

素晴らしいというか…凄いのだ


何が凄いかというと…


宮藤官九郎の凄い脚本!


宮藤官九郎の名前を聞いたことがある人は

たくさんいるだろう…

では何が凄いのか…


面白いのはもちろんの事…

宮藤官九郎の脚本には

脚本の方程式『起承転結』が存在しない

というか…崩壊しているのだ

時に、そのストーリーは…

『起承転転転転転結』といった具合に

転がされ転がされ

物語が向かっている方向が

前後左右わからず…

無重力状態に陥りながら

予想もしない結末へ進んでいく…


宮藤官九郎作品は素晴らしい作品が多いが

特に『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』は

表と裏の別視点もあり

秀逸な作品になっている


難しい事を書いてしまったかもしれないが…

単純に面白いので

初心者でも、映画通でも充分楽しめる作品


日本独特の笑いを表現した

コメディ映画のため…

世界から評価される事は少ないだろうが

これだけの方程式を崩した

脚本が書けるのは

世界でも宮藤官九郎だけでは

ないだろうか…


「素晴らしき哉!クドカンワールド!」



【あらすじ】



ぷっさん(岡田准一)が死んで3年後

バンビ(櫻井翔)以下かつての仲間たちは

それぞれ違う生活をしていた

そんな中かつての仲間が集まり

ぷっさんを生き返らそうと動き出す

木更津シリーズ定番の表と裏のストーリーもあり

予測不可能な展開へ





レンタルショップ発見率

★★★★★★★★★90%

多くのレンタルショップに置いている

『日本シリーズ』もあるので注意!

(個人的にワールドシリーズのほうが圧倒的に面白い)



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第9回 「シン・レッド・ライン」

1998年アメリカ

監督:テレンス・マリック

出演:ショーン・ペン

    ジム・ガヴィーゼル


受賞ポイント「文学的→映像表現」



【賞 評(ここが好き)】


「ツリー・オブ・ライフ」で本年度カンヌグランプリを獲得した

テレンス・マリック監督のアカデミー賞受賞作



テレンス・マリック監督といえば…

大学で教鞭をふるうかたわら

映画を制作し(そのため生涯わずか5作品)

数々の映画賞を獲得するが…

私生活が謎に包まれているため

映画界では『伝説の監督』と呼ばれている




が!…実際、映画を観た人から

「???」「何が表現したいの?」「面白くない」という

マイナス意見も聞かれる


実際、私の周りでもよく聞くし、

今回のカンヌの上映でも賛否両論激しく分かれた…



そこで…ご紹介します

テレンス作品の良さを知ってもらうべく

『テレンス・マリック作品の楽しみ方』を!


その良さを知ってもらうためには…

まず文学を例にだして説明する必要があります


文学作品(小説)には…

大きく3つに分かれます(個人的な意見なのであしからず…)


①ストーリー展開を重視したテンポのいい作品…しかし文章表現は拙い→読みやすい類のもの

②ストーリー展開と文章表現のバランスをとったもの→村上春樹の作品など

③ストーリー展開より文章表現を重視したもの→心理描写や表現技法が優れている(読みづらい)


そう…ここまで書けば…おわかりでしょう

テレンス作品は文学で言うと③なのです



ストーリー展開やテンポの良さより

心理描写や比喩的表現を映像化することに

重きを置いている

文学的→映像表現なのだ!


本作『シン・レッド・ライン』では

兵士の心理描写を映像化するため…

ジャングルを進む主観(兵士目線)の映像ワークを多く使っているし…

戦闘シーンのなかで戦闘に関係ない

比喩的映像も多くでてくる


それでも楽しめない人もいると思うが…

こういった視点でテレンス映画を観て

一人でも多く好きになってくれると嬉しい限り…



【あらすじ】



太平洋戦争一の激戦地と言われた

ガダルカナル島の戦いを

名も無き若きアメリカ兵の目線から描いた作品

上記の通り…簡単なあらすじ




レンタルショップ発見率

★★★★★★★★80%

アカデミー賞も受賞したため発見率高し

戦争コーナー or アカデミー賞コーナーに

置いている可能性大!




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第8回 「楢山節考」

1983年日本

監督:今村昌平

出演: 緒形拳

    坂本スミ子


受賞ポイント「人間の性(せい)と性(さが)を描写」



【賞 評(ここが好き)】


日本が誇る映画監督

今村昌平の最も有名な作品



今村監督といえば

本作「楢山節考」と「うなぎ」で

カンヌ国際映画祭パルムドールを

2度載冠した世界でも有数な監督



今村作品に共通して描かれているテーマ

それは…

人間の性(せい)と性(さが)


性(せい)では…

男の性欲を生々しく

そして女の性欲も大胆に表現している


性(さが)では…

悪人正機説を信仰するかの如く


生のために生きる

人間の姑息で弱い部分を表現している

本作『楢山節考』では

東北の寒村で生きる人間という生物の

悲しい人間の性の両面を描いた

まさに名作!


日本が世界に誇る映画監督 今村昌平


本作に限らず名作を数多く

世に送り出している監督だが…

素晴らしい作品が多いので

是非、視聴して欲しい

(作品名は知っていても視聴したことがない人が

 若い人に多いので…)



【あらすじ】


東北の貧しい山村では

生き残るために

「齢70を迎えた老人には楢山参りという

姥捨ての儀式にしたがわなければならない」

という掟があった

村に住む69歳のおりんは家族の生を守るため

自ら楢山参りに向かう




レンタルショップ発見率

★★★★★★★★80%

映画も大ヒットしたため発見率高し

ただし品揃えが良すぎるレンタルショップでは

木下惠介監督の古い「楢山節考」があるため注意!

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第7回 「隠された記憶」

2005年オーストリア

監督:ミヒャエル・ハネケ

出演: ダニエル・オートゥイユ

    ジュリエット・ビノシュ


受賞ポイント「鬼才ハネケの耐えられない不快」



【賞 評(ここが好き)】


カンヌでパルムドールも獲得した

オーストリアの名監督ミヒャエル・ハネケの名作サスペンス



ミヒャエル・ハネケといえば

「ファニーゲーム」「ピアニスト」など

観る人に耐えられない不快な気持ちを与えつつ

それでいて芸術性が同居した作風を得意とする監督





この「隠された記憶」では

BGM・効果音を一切使わず

送られてきた謎のテープの恐怖と

その映像リアル感を演出している



さらにリアル感を与えるには最適な手法

(その代わりカット割りをしないぶん高度な演出技術が求められる)

ワンシーンワンカット長まわし撮影を行い

観る人をハネケの世界へ迷い込ませる

長年、テレビで脚本などの仕事をしてきたハネケ

本格的に映画を撮り始めたのは

50歳を過ぎてから…



しかし老いてからなお

次々に耐えられない不快な世界を

作り出している



まさに異色であり鬼才な名監督ミヒャエル・ハネケ



本作はおとなしいほうだが

夢に出てきそうなシーンが満載なため

思い切ってお薦めできないのが残念な


【あらすじ】


テレビ番組の人気キャスター、ジョルジュ(ダニエル・オートゥイユ)と

出版社に勤める妻アン(ジュリエット・ビノシュ)の元に、

送り主不明のビデオテープが不気味な絵とともに送られてくる。

しかも、ビデオテープに映っているのは、

ジョルジュたちの家と彼らの日常の姿だった。

2人は単なる悪戯として片づけようとするが……。


レンタルショップ発見率

★★★30%

品揃えのいいレンタルショップの

サスペンスコーナーに

置かれている確立高し



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第6回 「切腹」


1962年日本

監督:小林正樹

出演:仲代達矢
    三國連太郎
    丹波哲郎

受賞ポイント「狭いシチュエーションでの緊張感!」



【賞 評(ここが好き)】


日本が誇る世界の映画監督:小林正樹の名作

黒澤映画(時代劇)に似た

ストーリーに引き込まれる構成・演出が

特に光る作品



この映画

「井伊家武家屋敷」「回想シーンの安芸城」「回想シーンの求女の家」

基本的には、この3つのシチュエーションでしか

構成されていない


展開は広がりにくいはずなのだが

この閉ざされたシチュエーションがゆえに

逆に緊迫感が素晴らしい

ストーリーの中から感じられる

その緊張感は

仲代達矢・三國連太郎・丹波哲郎

など名優たちの若かりし頃の演技と…

切腹という「死」の極限の緊迫を

上手く散りばめた

構成と演出から出されている


知っている役者さんも数多く出演しているので

娯楽作品としても充分楽しめるはず

出来るだけ多くの人に見てほしい作品


ちなみに本作では竹光(偽の刀)が

重要なポイントになるのが…



通常、竹光を使って撮影する殺陣のシーン

(仲代 VS 丹波)を

真剣を使って撮影し緊張感を演出している






【あらすじ】




ある日 井伊藩武家屋敷の門前に



切腹をしたいという浪人が現れる

井伊家家老は先日も



同じような事を言い切腹しにきた

若い浪人の事を語り始める




レンタルショップ発見率

★★★30%

DVDになっているため

品揃えのいいレンタルショップでは発見率高し

ただし時代劇コーナー、邦画コーナーなど

置かれている場所は様々





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第5回 「ブンミおじさんの森」

2010年タイ

監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン

出演:タナパット・サーイセイマー
    ジェンチラー・ポンパス
    サックダー・ケァウブアディー

受賞ポイント「『…』の余韻が残る異色作!」



【賞 評(ここが好き)】


タイ映画で初めてカンヌのパルムドールを獲得した作品

とにかく観終わった後、

不思議な感覚を受ける…



その理由は監督アピチャッポン・ウィーラセタクンの演出方法

例えば劇中、英霊が登場するシーン



そのシーンは…

『昭和時代の円谷プロ並みの特殊技術』

と感じるほど…

現在のハリウッドの特殊技術の流れと逆行している



だが、それをアート作品に変えているのが

ワンシーンワンカットの長まわしの撮影手法


ハリウッド映画に慣れている人には間延びする感覚かもしれないが

リアル感を与えるには最適な手法

(その代わりカット割りをしないぶん高度な演出技術が求められる)

これにより、この不思議な映像世界に

入り込むことができる


長い歴史があり

数々の名作が受賞したカンヌグランプリ作品の中でも

異色中の異色な作品

よく文章の末尾で『…』を使い

余韻を表現するが

この映画は『…』が残る

異色な名作だ


【あらすじ】


腎臓の病に侵され

余命いくばくもないことを悟ったブンミの

19年前に亡くなった妻と、

数年前に行方不明になった息子が姿を変えて現れる

愛する者たちと再会したブンミは、

森の中に入り自分の前世を思い出す


レンタルショップ発見率

★★20%

最近公開作品のため2011年9月23日に発売予定

予想では品揃えのいいレンタルショップにしか無い可能性大

しばらくは新作コーナーに置かれそうだが

最終的にはアジアコーナーに置かれる確立高し

第4回 「エレファント」


2003年アメリカ

監督:ガス・ヴァン・サント

出演:ジョン・ロビンソン



受賞ポイント「リアルにこだわった問題作」


【賞 評(ここが好き)】


1999年にアメリカの高校で実際に起こった銃乱射事件

テーマにした問題作

特筆すべきはそのリアルさ…

この作品に出てくるプロの役者はわずか3人

しかも『大人』のみである

あとは実際の高校生をオーディションで選んだ


実際の高校生を使い、様々な群像を描きながら

銃を乱射する側と撃たれる側を

ただリアルに表現している


映像を使った表現力の無限さを感じさせてくれる映画

時系列と主観の視点を次々と変える、かなり高度な構成だが

観る人に緊張感と虚しさを与えている



実際に撃たれる時は

Vシネマみたいではなく…こんな風に…

渇いた空気の中で撃たれるのだろう…

「この野郎!」的なベタな掛け合いもなく

余談だがこの作品の事を話すと

「エレファントマン」と間違える人が6割近い



【あらすじ】


ある高校の朝は何事もなく始まった

いつも通りの平凡な一日が訪れるはずだった…

学校まで父に送ってきてもらった生徒

カップルを撮影する写真部

噂話を楽しむ3人の女子学生

そして…悲劇が始まる



レンタルショップ発見率

★★★★★★60%

サスペンスコーナーに置いている率高し