仮面執事と銀のギター(今は赤だけど…orz) -27ページ目

パンダエリート

ササという、栄養をとるのに効率の悪い
エサを選んだせいで
いずれは絶滅するらしいよ僕ら。

でも僕なら、それを防ぐ一頭になれるかもしれない。

僕は、身体の白と黒が反転した、イレギュラー。

ササなんかより色々な果物が好きだから
あんな葉っぱにたよらなくても生きていけるし

ニンゲンと同じいつでも発情できるから
子孫の繁栄にも貢献できるし

身体のなかのことまでは知らないけど
他の仲間が感染したら死んでしまうような細菌にも
強いかもしれないよ。

ああ、
物言いが上から目線に聞こえたかもしれないなら
あやまるよ。

僕は、アタマの良さこそ絶対価値
信じていた両親に育てられたんだから
そのあたりはくんでおくれよ。

邪険にしないでおくれよ。

僕はただ、
ただみんなの役に立ちたいだけなのに。

イメージ 1

問題のないウサギ

さびしいから死ぬんじゃない。

ただ病気になっただけ。

われわれはウサギらしく
臆病を武器に生きてきた。

臆病だから、ケンカするのは仲間うちだけで
自分より力の強い敵に襲われたら
背中の肉を差し出して逃げる。

臆病だから、子供をたくさん産んで
生存確率を上げる。

病気になっても
外から見てそれと分かるような顔はしない。

弱っていると分かったら強い奴に狙われるから
何食わぬ顔で、跳ねる。

仲間に病気がうつらないように
こっそり一人になって、死に場所を探す。

われわれは仲が悪いように見えかもしれないけれど
けんかしても、離れていても、同じ仲間だ。

病気になって離れた1羽が死んだところで
他の仲間が生き延びているのだから
問題はない。

そうとでも思わなければ
やってられないじゃないか。

イメージ 1

クジラのシガイ

かつてここは広大な海だった。

悠久の時が流れて
今は砂の大地になった。

水が引き、海が枯れて行く過程を
わたしはずっと見ていた。

わたしには、無限の時間があったのだ。

3つ前の生
わたしは木の船に乗ったニンゲンのモリに打たれて
体中の肉をはぎ取られて、氷の大地に捨てられた。

2つ前の生
わたしは鉄の船に乗ったニンゲンの鉄のモリに打たれて
体中の肉をはぎ取られて、博物館に飾られた。

1つ前の生
わたしはニンゲンの潜水艦のソナーに耳をやられて
海底火山にぶつかって、海の底に沈んだ。

クジラ以外の生き方を、わたしは知らない。

世界からニンゲンがいなくなるまで
転生するのはやめておこう。

わたしは待つことにした。

ずっとずっと待っていると
海は干上がり、魚はいなくなり、転生するクジラも
いなくなった。

時折飛んできた鳥も、虫も、
今はもうない。

遠くの空から、火の玉が落ちてくる。

あれが大地に落ちれば、また海が戻るだろうか。
新し生命が、クジラが、誕生するだろうか。

火の玉は、すぐそこまで来ている。

イメージ 1