パンダエリート
ササという、栄養をとるのに効率の悪い
エサを選んだせいで
いずれは絶滅するらしいよ僕ら。
でも僕なら、それを防ぐ一頭になれるかもしれない。
僕は、身体の白と黒が反転した、イレギュラー。
ササなんかより色々な果物が好きだから
あんな葉っぱにたよらなくても生きていけるし
ニンゲンと同じでいつでも発情できるから
子孫の繁栄にも貢献できるし
身体のなかのことまでは知らないけど
他の仲間が感染したら死んでしまうような細菌にも
強いかもしれないよ。
ああ、
物言いが上から目線に聞こえたかもしれないなら
あやまるよ。
僕は、アタマの良さこそ絶対価値と
信じていた両親に育てられたんだから
そのあたりはくんでおくれよ。
邪険にしないでおくれよ。
僕はただ、
ただみんなの役に立ちたいだけなのに。
エサを選んだせいで
いずれは絶滅するらしいよ僕ら。
でも僕なら、それを防ぐ一頭になれるかもしれない。
僕は、身体の白と黒が反転した、イレギュラー。
ササなんかより色々な果物が好きだから
あんな葉っぱにたよらなくても生きていけるし
ニンゲンと同じでいつでも発情できるから
子孫の繁栄にも貢献できるし
身体のなかのことまでは知らないけど
他の仲間が感染したら死んでしまうような細菌にも
強いかもしれないよ。
ああ、
物言いが上から目線に聞こえたかもしれないなら
あやまるよ。
僕は、アタマの良さこそ絶対価値と
信じていた両親に育てられたんだから
そのあたりはくんでおくれよ。
邪険にしないでおくれよ。
僕はただ、
ただみんなの役に立ちたいだけなのに。

問題のないウサギ
さびしいから死ぬんじゃない。
ただ病気になっただけ。
われわれはウサギらしく
臆病を武器に生きてきた。
臆病だから、ケンカするのは仲間うちだけで
自分より力の強い敵に襲われたら
背中の肉を差し出して逃げる。
臆病だから、子供をたくさん産んで
生存確率を上げる。
病気になっても
外から見てそれと分かるような顔はしない。
弱っていると分かったら強い奴に狙われるから
何食わぬ顔で、跳ねる。
仲間に病気がうつらないように
こっそり一人になって、死に場所を探す。
われわれは仲が悪いように見えかもしれないけれど
けんかしても、離れていても、同じ仲間だ。
病気になって離れた1羽が死んだところで
他の仲間が生き延びているのだから
問題はない。
そうとでも思わなければ
やってられないじゃないか。
ただ病気になっただけ。
われわれはウサギらしく
臆病を武器に生きてきた。
臆病だから、ケンカするのは仲間うちだけで
自分より力の強い敵に襲われたら
背中の肉を差し出して逃げる。
臆病だから、子供をたくさん産んで
生存確率を上げる。
病気になっても
外から見てそれと分かるような顔はしない。
弱っていると分かったら強い奴に狙われるから
何食わぬ顔で、跳ねる。
仲間に病気がうつらないように
こっそり一人になって、死に場所を探す。
われわれは仲が悪いように見えかもしれないけれど
けんかしても、離れていても、同じ仲間だ。
病気になって離れた1羽が死んだところで
他の仲間が生き延びているのだから
問題はない。
そうとでも思わなければ
やってられないじゃないか。

クジラのシガイ
かつてここは広大な海だった。
悠久の時が流れて
今は砂の大地になった。
水が引き、海が枯れて行く過程を
わたしはずっと見ていた。
わたしには、無限の時間があったのだ。
3つ前の生で
わたしは木の船に乗ったニンゲンのモリに打たれて
体中の肉をはぎ取られて、氷の大地に捨てられた。
2つ前の生で
わたしは鉄の船に乗ったニンゲンの鉄のモリに打たれて
体中の肉をはぎ取られて、博物館に飾られた。
1つ前の生で
わたしはニンゲンの潜水艦のソナーに耳をやられて
海底火山にぶつかって、海の底に沈んだ。
クジラ以外の生き方を、わたしは知らない。
世界からニンゲンがいなくなるまで
転生するのはやめておこう。
わたしは待つことにした。
ずっとずっと待っていると
海は干上がり、魚はいなくなり、転生するクジラも
いなくなった。
時折飛んできた鳥も、虫も、
今はもうない。
遠くの空から、火の玉が落ちてくる。
あれが大地に落ちれば、また海が戻るだろうか。
新し生命が、クジラが、誕生するだろうか。
火の玉は、すぐそこまで来ている。
悠久の時が流れて
今は砂の大地になった。
水が引き、海が枯れて行く過程を
わたしはずっと見ていた。
わたしには、無限の時間があったのだ。
3つ前の生で
わたしは木の船に乗ったニンゲンのモリに打たれて
体中の肉をはぎ取られて、氷の大地に捨てられた。
2つ前の生で
わたしは鉄の船に乗ったニンゲンの鉄のモリに打たれて
体中の肉をはぎ取られて、博物館に飾られた。
1つ前の生で
わたしはニンゲンの潜水艦のソナーに耳をやられて
海底火山にぶつかって、海の底に沈んだ。
クジラ以外の生き方を、わたしは知らない。
世界からニンゲンがいなくなるまで
転生するのはやめておこう。
わたしは待つことにした。
ずっとずっと待っていると
海は干上がり、魚はいなくなり、転生するクジラも
いなくなった。
時折飛んできた鳥も、虫も、
今はもうない。
遠くの空から、火の玉が落ちてくる。
あれが大地に落ちれば、また海が戻るだろうか。
新し生命が、クジラが、誕生するだろうか。
火の玉は、すぐそこまで来ている。
