キング・オブ・エジプト [特盛りファンタジー大作] | 冷やしえいがゾンビ

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めっきりノータッチですが、メインは映画に関する垂れ流し。

キング・オブ・エジプト

 

見ました。

 

GODS OF EGYPT

http://gaga.ne.jp/egypt/

 

 

「トンデモCGアクション映画」は見る優先度が低くなりがちですが、いざ見てみると、「CGを大胆に駆使した痛快アクション・アドベンチャー映画」でした。

 

古代エジプト文明期、神々と人間が同じ世界で共存するダイナミックな世界観がいきなり提示されます。支配者層としての神々と、被支配者層としての人間たちが良い関係を築いています。

 

ところがジェラルド・バトラー演ずるセトが、苦汁をなめてきた長年の恨みからクーデター。兄であるホルスの王位継承式をぶち壊しにして、暴君として君臨することに。

 

神々は戦闘モードに入るとメタリックボディの獣人に変身して大空中バトルを繰り広げます。その結果セトがホルスを圧倒し、ホルスの両目を奪います。セト軍による暗黒の軍事政権が成立。人間たちも奴隷として酷使される羽目に。

 

奴隷生活を送っていたベックは、すばしっこさと彼女への愛を武器に、ホルスの復権を助ける盗賊となって大胆不敵なミッションに挑む!

 

持たざる者=人間が神々に歯向かう構図もワクワクするし、人間ベックと神ホルスのバディムービーになるのもワクワクだし、さらに多くの神々を仲間にしていくドラクエ展開もワクワクですよ!

 

アドベンチャー・アクションとして十分に起伏のある展開に加えて、神と人間の共存する世界観についても「かゆいところに手が届く」深みを感じさせてくれます。

 

神が人間よりちょっとだけ大きかったり、神の血液が金色だったり(レーティング対策?)…コミック的な豪快さを含んだ設定の数々をオリジナル作品として提示できている今作はもっと評価されて良いはず。

 

それぞれの神々も、古代エジプトで伝えられてきた神話世界をうまく取り込んで個性が立っています。知識の神として登場するのは、『シビル・ウォー』でブラックパンサーの中の人を演じているチャドウィック・ボーズマン。いい味出しまくり。

 

さらには死後の世界を思い切り具体的に描いて、そこを管理するアヌビス神もストーリーにしっかり関わらせてくる、こういう無謀とも言える世界観の広がりを見てると、素晴らしい!としか言えませんね。

 

ラスボスがさらに強くなるツイスト展開も燃えるし、神と人間の友情展開も熱すぎる! ここまでサービス満点なシナリオなのに、「ありきたり」「大味」「何も考えずに見れる」とか評してる雑なレビューには異議を申し立てたいですね!

 

エジプトにいる凶悪なメタヒューマンが、能力者たちから能力を奪い取って強くなるという展開…これって『X-MENアポカリプス』じゃん!と思ったり。ブライアン・シンガーじゃなくて本作の監督を起用するくらいの大胆さがあれば、アポカリプスもラスボスとしてもっと輝いてただろうに。

 

アレックス・プロヤス監督は、ウィル・スミス主演の『I, ROBOT』を撮った人。あの映画もB級テイストでしたが個人的には超面白かったんだよなあ。他の監督作も『クロウ/飛翔伝説』『ダークシティ』『ノウイング』など、なかなかのラインナップ。勉強する価値のある監督ですね。

 

もっと早く見て、この面白さを拡散すべきだった! 自分のセンスを見直すきっかけになった一本です。オススメ!!

 

日本語吹替の評判が悪いので(そりゃそうだ)、字幕2Dで見た方が良いと思いまーす。