芝刈りあとに、木を切り、取り切れなかった雑草をブチブチ抜いていた。
いつものごとく、柵越しにパグがやってきて、でかい人間用のバウンスボールで遊んでいた。
したら突然、男の大きく太い声で
「エクスキューズミー」
という声が聞こえた。
柵が太いから、向こう側は目を凝らさないとわからん上に、近所付き合いはまったくないから、その声をスルーすると、
また
「エクスキューズミー!!」
と聞こえた。
もしかして私か…??
柵の傍で雑草取るために長く屈んだり、電ノコでツタの茎切ってうるさくしてるから、もしかして迷惑だっったか…
うちの地域は土地柄、宗教色も濃く、ちょっとおコワめな人たちも住んでいる。私は、悪いことしてませんよ〜、を表現するためにゆっくり立った。
したら、柵越しに丸刈りで腕にガッツリタトゥーのいかついおっさんが現れた。
うぉー、まじかー
今までパグと男の太い声は聞こえてきたけど、ご本人様と対面するのは初めてだった。
おっさんは柵の隙間から私を覗き込んで、
「草取ってんの?」
と聞いた。
「はい…」
と答えると
「トリマーいる?」
と、まさかの優しさ炸裂!!!
おっさんは高さ2メートルくらいある柵を
「昔は簡単に飛び越えられたんだけどな〜」
と言いながら、ゆっくり飛び越え、延長コードまで取り付けて、トリマーをセットしてくれた。
「終わったらジョーディーって呼んでくれたら取りに来るから。」
と言って、また柵を飛び越えていった。
人は見かけによらない。よらなさすぎる…。
柵越しにお向いとは言えども、今までちゃんと見たこともないアジア人に、ここまで手を貸してくれる人が、今の世の中にいるのか…!!!!
トリマーを使って、ブオンブオン草を刈りながら、人のやさしさと、今までに感じたことない草刈りの楽さで感動してしまった。
使わせてもらってから、ジョーディーを呼ぶと、
「レイクとスペードもいる?」
と聞かれた。
なんじゃいそりゃ??
芝は刈るだけなガーデニング知識ゼロの私に、
ガーデニング用具の名前をさくさく言われてもわからん…。
したらおっさんは、
Rakeは芝をかき集めるやつ(日本語でもわからない)で
Spade はショベルみたいなのだよ。
と教えてくれた。
ショベル=土を掘る、みたいな、知識の浅い私は、何故に今スペードが必要なのかさっぱりだったけど、
想像を巡るに巡らせて
レイクで芝をかき集めて、スペードで芝をすくって、ゴミ袋に入れる感じ…か????
というとこに行き着いた。
ただそこまで草がひどかったわけじゃなかったし、もう草のために使う労力も残ってなかったから、
「もう私はこれでハッピーです」
と言って、ジョーディーにお礼を告げた。
私も恥ずかしがらずとも、人にどんどん優しくしたいな、と思った。
ほんと世の中捨てたもんじゃない。